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2021年2月26日 17:00

社会主義体制下のやるせない愛と人生を描いたドイツ発の戯曲『愛するとき 死するとき』 小山ゆうな・演出&浦井健治・主演で上演決定

小山ゆうな・演出&浦井健治・主演 舞台『愛するとき 死するとき』

小山さん・浦井さん(横2名)

生まれ育ったドイツ作品の翻訳劇を中心に目覚ましく活躍する演出家・小山ゆうなと、演劇界を代表するスターの一人、浦井健治の初顔合わせにより社会主義体制が永遠に続くかに見えた時代の若者と愛情の物語『愛するとき 死するとき』の上演が決定した。

本作は、ドイツの作家フリッツ・カーターが綴った三部構成の戯曲で、ベルリンの壁崩壊前の社会主義体制下で青春期を過ごした作家自身の経験を活かし、社会主義国家の息苦しい日常や反体制運動、西ドイツへの逃亡などを背景に、ときにコミカルに、ときにシリアスに、またときにメランコリックに、普遍的な人間の感情が描かれる。

 

浦井健治 コメント
演出の小山さんと初めてお目にかかったのは、ちょうど一年くらい前のことです。今自分が考えていること、興味があること、コロナ禍中での想いなども交えながら、前を向いて、演劇のことを考え、想いを寄り添わせ、とても貴重な時間だったことを覚えています。そんなやりとりをきっかけにして、今回の『愛するとき 死するとき』をやってみないか、というお話を頂きました。東西ドイツが分断されていた頃の東ドイツが舞台のお話しです。若者や挫折を味わった元ヒーローや、家庭のある男性の苦悩。僕は色んな年齢の、色んなシチュエーションの男性を演じる予定です。閉塞感の中の日常のもがきが、今のコロナ禍の状況とどこか通じている気もしますが、傍から見たら恵まれているなぁと思う人生でも、人には言えない満たされない思いや悩みが、きっとあるはず。この作品は今のこの時期の人々の鬱屈とした心情を炙り出したりする気がしています。そんな、やるせない人たちの生き方を小山さんと描き出していけたらと考えています。そして、今後発表される共演者の皆さまと、どんな化学反応になっていくのか、今からとても楽しみです。そして僕にとっては初めてのシアタートラムへの出演となります。実は、憧れと、少しの怖さがある劇場です。このような形で実現させて頂き、心から、光栄です。お客様との距離も近く、緊張感のある空間で、濃密なドラマをつくり出せたらなと思っています。皆様、どうぞ楽しみに待っていてください。

演出・小山ゆうなさん コメント
ミュージカルからシェイクスピアなど古典ストレートプレイまで演劇の世界を自由に横断しながら、常に日本の演劇界を牽引していらっしゃる浦井健 治さんが初めてシアタートラムに登場との事、私自身、浦井さんをトラムで拝見できるなんて!とワクワクしております。一年前にお目にかかった際、浦井さんは、演劇の話から社会や世界の話まで奥深く考察されながら話して下さり、聞き入ってしまった事を思い出します。浦井さんを通してカーターの言葉がどの様に聞こえてくるのか楽しみです。他、強力なクリエイティブチーム、キャストが集結予定です。不安定な時期ではありますが、楽しい作品が作れればと思っております。

 

あらすじ A(第一部) 東西統一前の東ベルリン。典型的な社会主義国の若者たちの他愛のない日常が描かれる。青春の悩みは壁のこちら側でもあちら側でも同じ。生きること、愛することの葛藤と悩みはつきない。 B(第二部) 父親が妻子を捨てて西側へ逃亡してしまったとある家族。2 人の息子は母親と東側で暮らしている。かつての反体制派の英雄ブロイアーおじさんが刑務所から出てきたが、今となっては「決して英雄を気取るな、目立つな、他人と同じように行動しろ」というのが若者たちへの助言だ。昔の輝きはまったく無い。だがブロイアーは母親と急接近していく。兄弟の間に一人の女性が登場する。弟は彼女に夢中になるが、彼女は兄の方が気になる。彼らは恋と失恋をたくさん繰り返 して大人になっていく。母親とブロイアーの関係はまだ続いている。そしてある日…。C(第三部) 妻子ある男が、別の女性に恋をしてしまう。その男は仕事の為に単身赴任した町で一人暮らしをしている。彼は食堂で働く女性が気になって仕方がない。男と女の恋がはじまる。だが、どこか噛み合わない二人。二人は旅行にも行って、喧嘩もして、そして仲直りもする。男は妻子を捨てる決心をして女に求婚をした。だが、女は…。

 

『愛するとき 死するとき』
【作】フリッツ・カーター
【翻訳・演出】小山ゆうな
【出演】浦井健治 ほか
【日程】2021年11~12月
【会場】シアタートラム
【主催】 公益財団法人せたがや文化財団
【企画制作】 世田谷パブリックシアター
【後援】 世田谷区

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