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2021年5月21日 13:16

尾野真千子、こんなやりにくい状況の中で創った私にとって最高の映画です!映画『茜色に焼かれる』公開前夜最速上映会

尾野真千子・主演 映画『茜色に焼かれる』公開前夜最速上映会

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映画『茜色に焼かれる』の公開前夜最速上映会が、5月20日(木)にTOHOシネマズ川崎にて行われ、主演の尾野真千子、共演の和田庵、片山友希、そして石井裕也監督が登壇した。

本作は、今の世相に正面から対峙し、もがきながらも懸命に生きようとする「母の生き方」を捉えた圧倒的な愛と希望の物語。

大勢の観客の前に立った尾野は「ようやく公開となりました。本当にこんなに公開がうれしいと思えるのは、何年ぶりだろうと。とても感動しています」と感激の表情。石井監督も「本当に、今作るべき映画だと思いましたし、こういう状況ですが、今、公開するべき映画だと思っています」と続けた。

さらに、石井監督は「もちろん今を生きるのが大変、つらい、苦しいというのは誰でも言える。その中で希望のようなものを見出すのが表現者としての気持ち。少しでも前向きな映画になっているとしたら、尾野真千子さんの存在が大きかった。この人にしかできない役だったし、この人にしかできない映画だったと思います」とコメント。尾野も「台本の中に含まれている、すべての物語が今、自分でやらなきゃいけないものが詰まっていて。本当に魅力的な台本だったんです」と振り返った。

石井監督にとって、本作の母親は尾野真千子を想定して描いたとのことで、「この母親を演じられるのは尾野さんしかいない。最初から尾野さんにオファーをしようと思っていたし、尾野さんからやらないと言われたら辞めようと思いました」という強い思いを抱いていたそうだが、「ただこういう状況ですし、今日もそうですが、ある覚悟を持って選択しないといけないことや、自分の頭で判断しなければいけないことも多かった。尾野さんも死ぬ気でやっていたのが分かったので。そういう尾野さんの思いに応えるためにも、こちらも本気を出さないといけないなと思いました」とコメント。その甲斐あり、「同じ方向を見て戦いあった、高次元の関係性を結ぶことができた」と自負した。

 

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その言葉通り、劇中では主人公の良子が、信じていた“とある男性”にだまされて、女性としての尊厳を著しく傷つけられるというシーンがある。尾野はそのシーンを振り返って「久しぶりに撮影中に(役から)抜け出せなくなって。『監督、時間をちょうだい』と言いました。でもそれは自分が全力でここにいるからだと思って、うれしかったんです。一歩、自分を引いて観た時にこんな自分もいたんだな、これも自分なんだと思って。40(歳)間近にして、自分を見つめ直した時間でした」と語る。本作を通じて「変わることができた。今の年齢でそう思えたのは幸せですね」と付け加えた。

そして最後のコメントを求められた尾野は涙を浮かべながら「この映画は私にとって最高の映画です。もうコロナ関係なく言います。劇場で観てほしいんです。怒られるかもしれないですけど、皆さんと手と手をとりあって観に来てほしいんです。命をかけて撮った作品です。こんなやりにくい状況の中で、わたしたちの仕事はもうできないかもしれないという恐怖が襲ってきて。でも今、みんなとこういう作品を伝えないといけない。それがわたしたちの使命だと思って。スタッフも、出演者も、監督も、お金を集めてくれた人も、場所を貸してくれた人も、みんな命がけでやりました。こんな最高な作品はありません。ぜひ劇場でみていただきたい。そういう気持ちで作りました」と切々と語ります。そして最後にふりしぼるように「泣いてすみません。でも皆さんが笑って劇場に来てくださるよう。コロナに負けるな。頑張ろうね」とメッセージを送った。

映画『茜色に焼かれる』は5月21日(金)より全国公開される。

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