取材:記事・写真/RanRanEntertainment
Bunkamuraオーチャードホールにて8月13日(金)開幕の『ウェンディ&ピーターパン』は、世界的傑作戯曲「ピーターパン」をウェンディの視点から翻案した話題作(日本初演)。タイトルロールであるウェンディとピーターパンには初共演となる黒木華と中島裕翔(Hey! Say! JUMP)。さらに、フック船長とミスター・ダーリング(ウェンディの父)の二役を演じる堤真一ほか豪華キャストが勢揃いした。
この度、取材会が7月30日(金)、都内で行われ、ウェンディを演じる黒木華に本作の見どころや舞台への意気込みなどを語っていただいた。
――ウェンディの出演が決まったときのお気持ちは?
すごくうれしかったです。ジョナサン(演出:ジョナサン・マンディ)とは、また一緒に仕事をしたいねと、『るつぼ』(16)のときから言っていてので、この作品でまたご一緒できるのは、すごくうれしいですし、皆の知っている夢のある作品を、新しい形で演れるというのが、すごく刺激的だと思っています。
――演出のジョナサンのいいところは?
すごく丁寧だし、それぞれの役者の良いところを見つけ出してくれて、それを引出してくれるんです。役者の挑戦も楽しんで聞いてくださるところがいいところだと思います。今回、初めての役者さんも多いので、戸惑いも楽しんでいる感じがします。ジョナサンにとって、この作品は大きいものだし、いろんなことを探っている感じです。
――原作のピーターパンと違うところは?
エラ(作者:エラ・ヒクソン)さんが新しく書いているということもあるんですけど、作品のなかで女性の立場、動きとか、成長という部分が大きく描かれていて、ピーターパンというだけでなく、ウェンディ、タイガー・リリー(山崎紘菜)、ティンク(富田望生)、お母さん(石田ひかり)、それぞれの女性がきちんと前を向いて進んでいくところ(にも焦点を当てているところが)が大きく違うんじゃないかと思います。
――ウェンディにとって、ピーターパンはどんな存在?
ピーターはウェンディの想像のなかの登場人物なんです。ピーターもフックも多分現れて欲しい人じゃないけど、自分の理想のヒーローみたいな存在だと思うんです。ジョナサンから演出を受けたときに、ピーターもフックもウェンディから見た魅力的な大人の男の人で、ちょっと危なくてみたいな存在であると聞いて、そういう考え方もあるんだと思いました。
――ウェンディを演じる上で、核として大事にしていることは?
ウェンディは、壊れてしまっていく家族を自分でなんとかしなくちゃいけないと思っていて、それがネバーランドに着いてからも考えていて、そこをどう打開していくか、それがウェンディ自身の大きなテーマだと思っています。ほかの兄弟にもそれぞれテーマがあるんですけど、ウェンディに関してはどのように成長していく過程を見せられるかが大事だと思っています。ストーリーを追っていくのがウェンディなので、皆さんにもそういう風に見てもらいたいです。
――本作の見どころは?
(稽古を)通してみて、あらためてすごく忙しい舞台だなと思ったので、その分見ている人はすごく面白い舞台だと思うんです。とても見どころの多い作品だと思います。人間模様もそうですし、フライング、殺陣もありますし、見た目の派手さもあるけど、素晴らしい衣装、マジカルな舞台装置など、イギリスの方たちとのコラボレーションもしっかりできています。舞台上はいろいろなことが起きるし、マジ体力をつけないと(笑)。
最初から最後まで飽きずに見ていただける作品になっているし、お子さんだけじゃなく大人の方にも楽しんでいただけるものにしようと、今頑張っているところです。
――初挑戦で苦労したことは?
やっぱりフライング。(空中を)飛びながらのお仕事はしたことがなかったので、大変ですけど、楽しいです(笑)。
――ウェンディを演じて楽しいことは?
フライングも楽しいですし、ウェンディとタイガー・リリー(山崎紘菜)とティンク(富田望生)の三人組のシーンはすごく楽しいです。男子には負けないぞ!みたいな気持ちになって・・・。楽しくやらせてもらっています。
――共演の中島裕翔さんの印象は?
初めての共演で、ご本人がどういう方なのか分からないんですけど、すごく素直で、真面目な方なんだろうなと思います。殺陣とかフライングを一発で覚えちゃうみたいな身体能力の高さは、ピーターパンにはぴったりだと見ています。
(話題はディズニーの「ピーターパン」にも及び、中島さんはタイツを履くのか?という質問も)
タイツ?履かないですよぉ!履かない、履かない。かっこいいままです、安心してください(笑)。
――堤真一さんとは?
何度か共演させていただいて、すごい安心感があります。お父さんとしてお子さんとのやりとりは板に付いているし、ユーモアのある方なので、違和感なく娘として演れているかなと思います。殺陣とか立回りはお上手なので、教えてもらっています。
――本作に因み、最近した冒険は?
あまり外に出ていないので、今は稽古が冒険ですかね。(楽しかったことは?)楽しかったことも稽古です(笑)。本当に稽古が好きなんです・・・。
あと、運転ですかね。自分で運転して稽古場に行っているんですけど、その間に、いつもラジオとか音楽を聴いていて、その時間が楽しいです(笑)。
まだ2週間あるので面白い舞台になるよう、フライングだったり、器械的なところに関わってくることも多いので、それを確認しつつ、頑張りたいと思います。皆さんに愉しんでいただける舞台になると思うので、ぜひ楽しみにしてお待ちくださったらいいなと思います。
DISCOVER WORLD THEATRE vol.11『ウェンディ&ピーターパン』
2021年8月13日(金)~9月5日(日) Bunkamuraオーチャードホール [全28回公演]