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2021年10月23日 20:43

山田杏奈、面白い面と難しい面が混在した役柄に格闘!映画『ひらいて』公開記念舞台挨拶

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

映画『ひらいて』の公開記念舞台挨拶が10月23日(土)、新宿ピカデリーにて行われ、主演・山田杏奈、共演・作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)・芋生悠、そして弱冠26歳・新進気鋭の若手監督・首藤凜が登壇した。

 

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綿矢りさによる同名小説の映画化。学校でも優等生でビジュアルも良く人気者の愛(山田)。恐れを知らない彼女の熱い恋心は、たとえ(作間)の恋人・美雪(芋生)にまで向けられ、物語は三角関係だけにとどまらない方向へと進んでいく・・・。

首藤監督は「原作を読んだのが17歳のときで、今は26歳。当時、恋愛は好きな人に好かれるという価値観のなかで生きてきたんですが、三人のとってもいびつな人間関係に出会って感銘を受けた作品を、こうして観ていただいてとても嬉しいです。いつか自分にもこういうこと(映画制作&舞台挨拶)が起こるかも知れないという予感みたいな感覚を抱いていたことが今日まで生きてこられた理由のひとつだと思います」と感謝の言葉を述べた。

 

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それぞれの役柄について、初めに山田は「(たとえが好きで堪らない愛は)美雪の存在を知って、たとえに対する感情が美雪にも向かっていく。乱反射するように、いろんな方向に散らばっていって、それが愛にも返ってきて・・・、そして愛が変わっていくというのが面白い。私自身は愛というキャラクターをなかなか理解できない部分もあっんですが、愛のパワーの強さがすごく面白いなと思いながら、お芝居していました」と話す。さらに「(愛について)羨ましい部分はあります!あそこまで思い切って行動できたらなとか、ゴミ箱を投げるところとか、すごく楽しくて。羨ましくもありつつ、近くにいてほしくないな(笑)。でも、この映画のなかでは素敵なキャラクターだなと思いました」と面白い面と難しい面が混在した役柄だったことを明かした。

 

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映画初出演の作間は「僕の第一印象は、たとえ君みたいにクールで寡黙な人間だと思ったんだけど、しゃべってみると『ぶっ飛んでるね!』って言われることが多いんです(笑)。(たとえを演じるにあたっては)たとえ君と僕とは全然違う人間だと思うんですけど、中身の作間を封印して、佇まいだけの作間で挑んでいた感じ。感じるままに演っていたことが多かったですね」と振り返った。

そして、オーディションから参加したという芋生は「美雪は原作のなかでも好きなキャラクターで、ミステリアスで透明感があるという印象だったんですけど、演っていくなかでもっと人間味が増していって、どんどん好きになりました」と役柄について語った。

たとえは愛と美雪という正反対の二人に愛され、愛に対しては辛辣な言葉を吐くシーンもある。作間は「すごいところにたとえ君は立ってますね。愛は恐ろしい存在ですし、正反対に美雪は優しく包み込んでくれるような存在で・・・。僕自身たとえ君が羨ましいですけど、二人と接するたとえ君は全然違う人になっているんだろうなと感じながら演りましたね」「(愛へのキツい言葉を吐くシーンは)結構苦しかったですね。言っている僕自身も泣きそうだったんで、(監督に)ちょっとだけ台詞を変えてもいいですかって提案させていただきました」と打ち明けた。

 

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山田は「たとえにキツく言われたあとに、美雪の家に自転車で向かうシーンがあるんですけど、愛はそういう感情の向き方をしているんだなと分かって・・・。美雪の方に向かう気持ちって何だろうと考えたりしたんですけど、たとえに向けられた感情を美雪に受け止めてもらおうという、子供みたいな幼い感情が愛なんだなあと思いながら演ってました」と述懐した。

一方、芋生は「美雪としては愛を哀れむ感情は一切無くて、一番近くで愛と触れ合っていたから、愛ちゃんのことは一番分かっているから、愛ちゃんに対しては一番深い愛情を持っているな」と思って演じたことを明かす。首藤監督から「現場では美雪お母さんみたい」という言葉が飛び出し、作間も「本当に優しい雰囲気を現場中にばら撒きまくっていました。美雪がいる撮影の日はフワフワ~っていう感じ。こういう存在は助かりましたね」と感謝の言葉も。

三人の印象を聞かれた首藤監督は、まず山田について「最初から『愛のことが分からない』と苦しんでいらっしゃったし、直接ぶつかることはなくても、静かに駆け引きと闘っている感じでしたが、途中から分からないことを受け入れてくれました」と話すと、山田は「ここまでの首藤さんの作品への思い入れのなかに、首藤さんの愛はこうなんだというのがあるだろうと思って現場に向かっても、首藤さんは『こうしてください』じゃなくて、現場で生まれるものを採ってくださったので、楽しさありつつプレッシャーも」と反応、芋生も「そうだよねえ。現場では、『どうして欲しいか言え!』って感じながら、静かに闘っていました」と同調した。

 

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続いて首藤監督は、作間について「たとえ君として現れてくれたので、あれこれ言わずに現場を見ていただいて、(それだけで)伝わっているなという気がしていました。今はこんなスーツで決めていらっしゃいますけど、所在なさげに長い手足を持て余すように、立っていらっしゃるイメージです」と評した。すると、作間は「首藤監督からは立ち姿は地味な男子高校生に寄せていきたいねということで、『猫背を意識して歩いてみて』って言われたんですよ。そこから僕は猫背にして私生活を過ごしてみて、完璧な猫背になったんですよ。ちょっと首を痛めるくらい猫背になってしまいました」と告白、さらに「(監督とは)たくさん会話した感じではなかったですけど、自分的にはきちんとコミュニケーションをとっていた感じです」とフォローした。

 

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さらに、首藤監督は「私も原作の美雪が大好きで、自分の憧れの好きな女の子という枠に当てはめてしまうのが怖かったんですけど、芋生さんにお会いしてから具体的に見えてきて・・・。演じることにストイックで素敵な女優さんなので、ひとつひとつの衣装選びから髪型選びまで、リテールを膨らませることができ、頼りになりました」と芋生に感謝。芋生は「首藤さんとは友達みたい。美雪って愛ちゃんのことを考えている時間が長くて、現場に入ると自分のことをあまり考えてなくて、監督も私も愛ちゃんのことを考えていて三姉妹みたいでした」と微笑んだ。

 

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主演・山田杏奈の印象を問われた作間は「かっこいいの一言でした。渡り廊下から窓を開けて校舎に侵入するシーンがあって、窓の縁から降りていて、よくやるな。プロだなあってそばで見ていて思いましたね。かっこよかったです」と称賛。首藤監督は「眼差しが印象的。現場に入って迷いが出てくるうちに、すごく強い反面揺れたりするところが魅力的。反射神経が独特で、立体となった愛ちゃんが動いているという身体性を感じられ嬉しかったです」と評すると、山田は「毎日ホテルに帰って悩んでました(笑)」と照れていた。

映画『ひらいて』は、全国大ヒット公開中。

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