取材･撮影/RanRanEntertainment
舞台『THE 39 STEPS（ザ・サーティーナイン・ステップス）』の製作会見が4月8日（金）に都内で行われ、初の単独主演となる平方元基、共演のソニン、あべこうじ、小松利昌がまさかの下着姿で会見に臨んだ。
ＭＣが「皆さんには舞台衣装でご登場いただくという風にお伝えしておったのですけれども、いかがされました？」と問いかけると、平方「僕はこれ（下着は）着ないですよ。僕は一役なんですけど、（ビジュアルの）舞台衣装をご覧になっていると思いますけど、ちゃんとしたかっこいいスーツですけど、今日来たらこれを渡されて、なんでこんな格好にされたんだろう？」、小松「僕とあべさんはクラウン（道化）役で全部で135役。衣装がたくさんあって、ちょっと選べないんですよ」、あべ「だったらもうこれでやっちゃうっていう流れになって･･･」、そしてソニン「私、下着姿（で出るのは）初めてですよ。どういうこと!? 元基は一役だけど、私は三役で、確かに私もどの衣装を着たらいいか分からないから、まあねえ！」と4人掛け合いのコメディが始まり・・・、ＭＣが「皆さん、寒いなかありがとうございます」と登壇者にねぎらいの声を掛けた。
本作は、イギリス冒険小説の「三十九階段」、アフフレッド・ヒッチコック監督によるサスペンス映画「三十九夜」、2つの作品をもとに舞台化、日本では2010年に石丸幹二主演にてシアタークリエで初上演。今作はウォーリー木下の上演台本・演出による全くの新演出版となる。
主人公リチャード・ハネイを演じる平方は「歌あり芝居ありということで大変なんですけど、膨大な台詞量そしてウォーリーさんならではのムービングです。もう稽古が始まって5日間ぐらいで、一幕をつけ終わって、2幕に突入しているんですけれども、4人が必死になって、まさにハイパーなコメディになると思いますので、ぜひ皆さんご期待ください」と楽しさをアピール。
謎の女スパイのアナベラほか、マーガレット、パメラの三役を演じるソニン「三役のほかにもいろんなことをやります。（舞台から）捌けない演出になっておりまして、ずっと同じように皆がいるっていうので、これは観てのお楽しみのところもあるんですが、とにかく今までに観たことのないような演出とステージになるんじゃないかなと思っております。本当に日々稽古でやることが多く、泡を吹きそうになるくらい皆さんが前に進んでらっしゃるので、置いていかないよう頑張って、4人の役者魂を見せつけてやりたいと思います」と大変な舞台に挑む。
クラウン役のあべは「僕の一番の見せどころは電話なので、そちら見ていただけたら嬉しいです。電話はひとつでも、細部にわたって演出が入っているというところまで見ていただけたら一度ならず二度三度観ても楽しめて、そして新たな発見があるような芝居だと思います。いろんなアイデアをウォーリーさんが出してきて、小松さんもどんどん出してくるので、冗談じゃないですよって怒ったんです（笑）。でも最後の最後まで笑って皆を笑顔にさせる作品だと思いますので、よろしくお願いします」と電話をアピールするも小松に苦言。相方の小松は「ウォーリーと同じ劇団で20年一緒に物づくりをしていて、アイデアを出す回路になっている」と弁解していた。
その小松は「メインの役は台所、大きな家、いろいろな物体とか怒っているものを表現します。もちろん膨大な量の台詞を喋ってるところもあるんですけど、皆さんの芝居を舞台上で見ているところが忙しく、（自身の演技を）ちょっと忘れそうになるんです。これを出さなきゃとか台所にならなきゃとか。とにかく、この役者たち4人が並行してギリギリ回してるところもひとつの見どころかと思います」と見どころの台所、そして4人組を強調した。
ここまでは本作がコメディに聞こえるが、平方は「忘れていたんですけど、結構重たいサスペンスなんですよ。稽古している瞬間はサスペンスだってことをちょっと忘れますね」。本作は、平方演じるハネイがイギリスの航空機密情報に関わる事件に巻き込まれるサスペンス物であり、さらには20人ぐらい出演していてもおかしくないストーリー。平方は「それを4人でやるには結構無理がある」と苦笑し、ソニンは「全力疾走。（稽古が）終わったあとは心拍数が上がっている。（小松の胸を指して）ちょっと触ってみて、本当に心配になりました」と大笑いしていた。
平方のみが一役を演じることについて問われ、「他の方々はすごく着替えが大変そうなんですけど、物語は4人で進めていく。そのなかでストーリーがちゃんと伝わらなければ、その面白さが二重三重に伝わっていかないと思うので、そこはちゃんと自分が担っていかなければいけないんだろうなっていうのをすごく感じてます。台詞量だったり、説明することもたくさんありますし、自分がハネイとしてどーんと存在していることによって、この物語が一貫して皆さんに安心してお届けできればいいなと思っております」と意気込み、また、地毛の髭を生やしてハネイに挑むことも明かした。
会見に出席できなかったウォーリーはビデオメッセージで「核は4人でヒッチコックのサスペンスを上演。そこはドタバタもあるし、演劇としてのマジックもたくさんある。今これをやる意味、それは観客の人と一緒にライブを楽しむこと。演じる側も楽しむしお客さまも楽しいし、一期一会になればというものを目指しています。ぜひ夢のような時間を過ごせるよう、いろんな仕掛けを用意してお待ちしております」とアピールした。
舞台『THE 39 STEPS（ザ・サーティーナイン・ステップス）』は、5月1日（日）～17日（火）シアタークリエにて上演。
