役所広司、21世紀に生きる我々の心に響く言葉がたくさん詰まっています! 映画『峠 最後のサムライ』完成披露試写会
2022/5/3 05:00
取材・撮影/RanRanEntertainment
司馬遼太郎が幕末の風雲児と呼ばれた越後長岡藩家老・河井継之助を描いた国民的ベストセラー『峠』が初の映像化。映画『峠 最後のサムライ』の完成披露試写会が5月2日(月) 都内で行われ、主演の役所広司、共演の松たか子、そして小泉堯史監督が登壇した。冒頭、役所は「いろんな事情があって今回は遅くなってしまいましたけれども、この映画の持つメッセージにおいては、より考えさせられる時期での公開になっていると思います。一人でも多くの方に観ていただけるよう、皆さんの力をお貸しください」と挨拶。撮影は2017年、コロナ禍の影響により、ようやく公開、それもウクライナでの惨事をいろいろと考えさせられる時期での公開となる。
小泉監督は映画化の経緯について「なかなか映画化の企画が通らないなか、司馬遼太郎さんの作品をやればなんとか次に進めるんじゃないか、『峠』の河井継之助は非常に惹かれた人物なので何とかこれをやりたいなと思って、シナリオを役所さんに送ったんです。役所さんから『ぜひこの役に挑戦したい』ということで、準備を始めていたらプロデューサーの方から話があった」と役所が大きな力になったことを明かした。
また、今だからこそ、継之助から学ぶことは?と問われた役所は「藩内を説得したり、小千谷談判(薩長との和平交渉)では決裂しましたけれども、こういうリーダーが今必要じゃないかなと思います」と熱望した。
役所は松が二十歳ぐらいのときに共演している。「お姫様役の松さんが、籠の中からこう出てくるシーンをモニターで見ていて、そのときに“なんて華のある女優さんだろう”と思って、すごく上品で・・・。久しぶりにお会いして、女性としてもお母さんとしても妻としてもどんどん豊かな女性になっていく感じがして、撮影では松さんの包容力で二人のシーンが出来上がったような感じがしていました」としみじみ語る言葉を聞いて、松は恐縮していた。
松は「小道具一つとってもとても素敵で、お家の襖の柄とかも大好きで個人的に写真を撮って帰りました。(この時代に)こういう暮らしをしていたかと思うと、日本人の血が自分には流れていることを誇りに思いたいし、誇りに思えるような風景がたくさん出てきます。素敵なものを直に見ることができた日々はとても幸せでした」と懐かしんでいた。
映画『峠 最後のサムライ』(配給:松竹、アスミック・エース)は6月17日(金)公開
©2020「峠 最後のサムライ」製作委員会