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2022年5月31日 19:17

浜野謙太、古川雄輝は「信頼できる」 舞台『室温~夜の音楽~』合同取材会

取材・撮影/RanRanEntertainment

舞台『室温~夜の音楽~』合同取材会が5月31日(火)に行われ、古川雄輝、浜野謙太、演出の河原雅彦が登壇した。

演劇界の第一線を走り続けるケラリーノ・サンドロヴィッチが2001年に作・演出を手掛けた本作は、人間が潜在的に秘めたる善と悪、正気と狂気といった、相反する感情に恐怖と笑いを織り込んだ、ホラー・コメディ。第五回鶴屋南北戯曲賞を受賞するなど、唯一無二の作品として絶賛された。今回は、河原が演出を担当し、21年ぶりに上演される。

 

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本作のカギとなるのはタイトルにもあるとおり“音楽”。浜野がフロントマンを務める“新しい時代のディープファンクバンド”在日ファンクが全公演に出演し、生演奏で聴かせる。

21年前に上演された際には「たま」が音楽を担当し、本作の重要な要素となっていたことから、河原は、本作を演出するにあたって「音楽性的には(在日ファンクとたまは)全く違いますが、『たま』の音楽の土着感から考えると、ファンクがいいと思った。それで、在日ファンクさんとお仕事ができないかと思い、どの役者さんよりも先に、まずオファーをしました」と明かした。

そのオファーを受けた浜野は「バンドのメンバーは、最初は『お芝居で音楽を演奏するの?』と疑心暗鬼ではあったんですが、やり始めたら乗って来ています。今回、在日ファンクがこのために書き下ろした新曲が何曲か入っていますが、そうした場を提供してくださったことに感謝していますし、バンドがライブだけでは表現できなかったものを引き出してくれていると思います」と笑顔を見せた。

 

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3年ぶりの舞台出演で、主人公の間宮を演じる古川は「稽古ってこんな感じだったっけという新鮮さもありますし、久しぶりなので楽しくやりたいという思いで稽古に入りましたが、まだそこには至れていません。今はそれぞれの役柄を紐解く時間を河原さんとともに作っていて、必死に役柄を掴もうとしている状態です。思っていた以上に難しく、だいぶ早い段階で壁にぶつかっちゃったなと思っています」と苦笑いを浮かべた。

 

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一方、浜野は役者としてタクシー運転手の木村役でも出演。「木村はファンタジー側の人間です。木村は断片の連続で、何を考えているのか分からないところから作られている。『え?』というセリフがいっぱいありますが、その全て(に込められた意味が)違うから、これからさらに作り込んで完成させていきたいと思っています。今は、毎日台本が手放せず、サウナに行っても練習している日々です」と役柄について説明した。

また、古川の印象について聞かれると、浜野は「難しい本なので、(稽古場で)みんな『そうですよね』と言いながらも、“分かっているのかな”という雰囲気になっているんです。でも、(古川は)ポカーンとしているんですよ。その姿がまさに間宮。(分かっているふりをしないから)信頼できる」と話す。河原も「声が大きくない俳優さん」と古川の第一印象を明かしながら、「とても誠実な人。できたふりをする人が多いなかで、分からないことは分からない、できないことはできないという。でも、分からないなりにも要求したものに近いのを出してくれる。チューニングを合わせる時間が必要だけど、それができて腑に落ちた時には、そこに彼の魅力がのびのびと加味されて、オリジナリティのある間宮になるんじゃないかなと思っています」と語った。

最後に、河原は本作の魅力を「普通のホラー・コメディはすぐにここが面白い、ここでギャグをやっていると分かるけど、この作品はそんな本じゃない。ケラさんは照れ屋なのか分からないけど、ずっと潜ませておく。普通にも読めてしまうけど、実はケラさんが面白いと思って書いていることが潜んでいる。だから、共通認識を持って演じないと面白くならないという特殊な本だと思います。一般のコメディとはまた違うという、ズレがある作品です」と言及。さらに「ハマケンがフロントマンをやって、タクシー運転手という役もやるので、担う役割の量も大きい。多面的な面もいっぱい観てもらえると思う。在日ファンクの素敵な音楽とケラさんの書いた脚本の面白さが融合して、オリジナリティのあるものになると思います」とアピールした。

そして、浜野は「生演奏だと(長時間聴いていても)疲れないと思います。ワーッと楽しんで観ていただけたらと思います。役者さんたちもみんな本当に魅力的です」とコメント。古川は「(まだ魅力が)分からない」と苦笑しながらも、「魅力的なキャストのお芝居と音楽がある作品なので、演劇を観たことがない人にも楽しめると思いますし、深読みもできる作風なので、演劇が好きな方も面白いと思ってもらえる」と力を込めた。

舞台『室温~夜の音楽~』は、6月25日~7月10日に都内・世田谷パブリックシアター、7月22日~24日に兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで上演。

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