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2022年8月5日 11:00

【前編】坂ノ上茜インタビュー!初主演映画『愛ちゃん物語♡』 「愛ちゃんとは、明るく楽しいことが好きで、素直なところが似ているかな」

取材・撮影/RanRanEntertainment

坂ノ上茜の初主演映画『愛ちゃん物語♡』が現在公開中だ。処女作『歴史から消えた小野小町』(2017年)が東京学生映画祭等で話題となった大野キャンディス真奈が監督、プロデューサー、脚本、編集を務めた、自身初となる長編作品。毒親の父に束縛され愛も知らずに育った愛ちゃんがある出会いをきっかけに世界が変わっていく姿が描かれる。主演の坂ノ上茜に本作への思いや大野監督とのエピソードなどを聞いた。

 

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――大野キャンディス真奈監督が2年の構想・製作期間を経て完成させた本作品ですが、ご出演が決まった経緯についてお聞かせください。

2019年、コロナ禍前にオーディションを受けて出演が決まりました。そもそも私のマネージャーさんが当時、大野さんの作品が東京学生映画祭に選出されたのを、たまたま見たのがきっかけです。この子すごく面白い子だなと思ったそうで、こんどは人を入れて映画作りをするらしいからと、「オーディションに行ってみない?」と話があって、『愛ちゃん物語♡』の企画を知りました。

――監督にお会いして、いかがでしたか?

監督がすごくポップな方で、ギャルみたいな、見た目から明るさが伝わってくるような方なのですが、お会いする前まではすごい面白い方としか聞いていなかったので、どう面白いのか、脚本もすごくユニークだし、どんな方なのだろうと思って、オーディション現場に行きました。お会いして、何となく、こういう人が書いた作品なのだとわかったような気もしました。全体的にのびのびとアドリブも多くて、監督の演出は「もっと、こう!」と絞るよりも広げる感じの方が多かったです。「それ、いいね。それ入れてみよう」と、現場では足していく事が多かったです。

 

005s

 

――最初に脚本を読んだ時の印象はいかがでしたか?

監督にも、「最初に脚本読んだ時、理解できた?」と聞かれたのですが、全く(理解)できなくて、あまり準備期間がない中でのクランクインだったので現場では探り探りでした。監督のテンション感、テンポ感が、オーディションの時に感じた、こういう人が作ったこういう作品というイコールで結ばれたイメージを基に、監督を見て、テンション感、テンポ感や、とにかく盗めるところは盗んで自分なりを出して!の連続だった気がします。

――テンションが高かったのでしょうか?

そうですね。早口だったり、「なんか」とか「うぇーい」だったり(笑)、「楽しいからいっか」みたいな感じ。監督の“好き”がこの映画に詰まっていて、それぞれの役の“好き”で溢れた映画なんだろうなと思いました。

 

040s

 

――脚本を読んだ時に愛ちゃんをどんな風に演じようと思いましたか?

役作りは、監督を見ました。愛ちゃんのテンションとかノリは監督が一番わかっていると思ったので、監督を見て、つかんでいきました。

――坂ノ上さんと愛ちゃんの共通点は見出せましたか?

テンション感や生い立ちは違いますが、パーソナル的な面は、明るく楽しいことが好きで、楽しいことをしている時が一番生き生きしていたり、素直なところは似ているかなと思います。

 

046s

 

――演じてみていかがでしたか?

現場では、「回しちゃおう」ということが多くて、勢いのまま撮影していました。実際に演じている時は、編集したらどう繋がるんだろうとわからないままでした。監督に任せてしまった部分が多かったと思います。実際映像を観たときに、思った以上にテンポ感が良くて、面白くなっていました。私自身も完成したものを観て「こういう風になったんだ」と、やっとそのイメージができました。

――特に印象に残っているシーンは?

ミュージカル調になって歌って踊るところがあるのですが、それも(監督からは)「歌って」「踊って」という感じだったんですね。「今からこの曲を歌うから」と曲を聴かされて、「えっ、これを今から歌うんですか?歌詞を覚えていない」と言ったら、「覚えて」みたいな(笑)。キーも全然高いんですよ。大丈夫かな?と思いながら歌って、「自由に踊って」と言われて踊りました。

 

077s

 

――あのシーンは、坂ノ上さんの身体能力も印象的でした。

ほんとですか?逆を言えば、自由だったからこそ私もカバンをパーンと放り投げたり、ぐるっと回ったり、それを「いいね」と言ってくれる方だったからこそ、ああいうものも生きて、映像の中に入っている。それは自主制作の映画だったからこそできることでもあるなと思います。あれが一番印象的でしたし、それが大野組らしさだったと思います。

――愛ちゃんの周りの人たちも、父親(保土田寛)や、聖子さん(黒住尚生)、永井結君(松村亮)など個性豊かでしたが、いかがでしたか?

個性豊かなキャラクターとは思えないぐらい皆さんしっかりした方が多かったです(笑)。このギャップは今思うと面白いと思います。劇中の役もそうですし、演じられた方々もそうなのですが、みんな柔らかくて、優しい愛を持った方たちが多かったなと思います。だからこそ『愛ちゃん物語♡』は嫌なキャラクターがいない、クセはそれぞれあるけれど、憎めないです。もともとの人柄ゆえに、嫌な人が誰も出てこない作品になったのではないかなと思います。

 

映画『愛ちゃん物語♡』全国順次公開中
監督・プロデューサー・脚本・編集:大野キャンディス真奈
出演:坂ノ上茜 黒住尚生 松村亮 保土田寛
森衣里 林田隆志 西出結 上埜すみれ 竹下かおり 山根真央 大門大洋 及川欽之典 心結
製作:「愛ちゃん物語♡」作品チーム
配給:Atemo
公式サイト https://aichan.atemo.co.jp/
©「愛ちゃん物語♡」作品チーム

【ストーリー】
愛ちゃん(16)は、仕事人間であり毒親の父、鉄男に過度に束縛され、自由を知らずに成長した。父とは一緒に食事もせず、メールだけの仲。友達もおらず、オシャレも知らない愛ちゃんは、ある日偶然、聖子さんと出会う。文化も生活も異なる2人は一緒に過ごすなかで、家族のようで友達のような関係になっていく。しかし、聖子さんにはある秘密があって…。普通って何?家族って?愛って?ひとりぼっちだった愛ちゃんが見つけた「♡」とは?

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