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2022年8月27日 11:36

阿部寛、ドラムが一番苦手!なんで俺にドラム? 映画『異動辞令は音楽隊!』初日舞台挨拶

阿部寛・主演 映画『異動辞令は音楽隊!』

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映画『異動辞令は音楽隊!』の初日舞台挨拶が8月26日(金)、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、主演の阿部寛をはじめ、清野菜名、磯村勇斗、高杉真宙、モトーラ世理奈、内田英治監督が登壇した。

阿部は自身が演じた成瀬が「段階を踏まえて、だんだん音楽を好きになっていくところ」が好きだと語り、特に「教会に練習をしに行って、清野さんが演じる来島が泣いている姿を見て、そこは透明感があってすごく好きです」と明かした。

清野は阿部との共演をふり返り「どのシーンの合間でも、ずっとドラムのスティックを持って練習をされていて、その姿に勇気をもらえたし、すごくカッコいいなと思えました」と振り返った。

阿部はゼロからドラムを練習したことで、これからもドラムを続けたいという気持ちが芽生えたようで「(撮影が)終わった時、一瞬、(ドラムセットを)買おうかと思ったけど、家に置けないし…。いまだに悩んでます。機会があったら買いたいなと思ってます。せっかくやったんで」と強い思いを語った。

一方、苦労したシーンについて、阿部はラスト近くでの磯村とのやりとりについて「監督が(磯村がセリフを言うところを)何回も粘って、10テイクを超える数をやったんです。僕のほうがだんだん緊張してきて、(磯村さんに対して)『頑張れ』という顔になってきて(笑)、『抑えなきゃ! 自分の芝居に入んなきゃ!』って思っていました」と意外な苦労を明かす。

このシーンについて磯村は「1回目の芝居の後で、監督から『毛穴から感情を出してくれ』という演出をいただいて(笑)、『“毛穴から”って初めて言われたな…。どうやって…?』と混乱しました。でもずっと阿部さんが目の前で芝居を受けてくださって、それを感じて、最終的にああいう芝居になりました。なかなか何回もやらせてもらえる現場ってないので、内田組は素敵だなと思いました」と感謝を口にする。大先輩の阿部を前に10回を超えるテイクでさぞや精神的にも大変だったかと思いきや「最初は『阿部さん、申し訳ないです』という気持ちだったんですけど、後半はそれどころじゃなくなって、周りが見えなくなって『ヤバイ!ヤバイ!』と焦っていました(苦笑)」とふり返っていた。

高杉は、苦労したシーンについて「成瀬さんのお母さんを演じた倍賞(美津子)さんをパトカーに乗せて、運転するシーンは緊張しました!」と明かす。「普段、運転はあまりしないので『倍賞さんを乗せて運転するのか!』って。倍賞さんは『事故ったときは事故った時よ!』って(笑)。カッコいいなと思いました」と語ったが、内田監督からは「(運転したのは)5メートルくらいですけど(笑)!」とツッコミが飛び、会場は笑いに包まれた。

内田監督は、この実力派・個性派の面々を見事に束ね上げたが「ちょっと後ろめたかったんです…」と告白。「僕が想定した演奏にまで持っていくのって、メチャクチャ大変なんです。阿部さんも清野さんも、すごく大変そうに毎日練習されていて。何もやっていない自分が後ろめたかったです(苦笑)。自分で脚本を書いといて、最後の演奏シーンを撮った時は普通に感動していました。“ミッション・インポッシブル”というか、楽器をやったことのない人たちで合わせるのは『不可能なんじゃないか?』と言われてたので、それが出来て感動しました」とキャスト陣をねぎらった。

また映画にちなんで「なんで私(俺)が?」と思った経験について語ってもらうトークでは、阿部と清野はやはり、本作での楽器に挑戦を挙げた。阿部は「なんで俺にドラム」と書いたフリップを掲げ「楽器が苦手で、ドラムが一番苦手意識が強かったんです(苦笑)。自分に絶対に来てほしくない役だったので『なんで俺が?』と思いましたが、内田さんも音楽映画は初めてだったので、一緒に挑んでいけたら楽しいなと思ってお受けしました」と明かした。

内田監督は阿部にドラムを叩く役をオファーしたことについて「もともと主人公はサックスかドラムかトランペットと思ってたんですが、阿部さんにお願いするとなったとき、ドラムだろうと思いました。ガタイが迫力あるし、阿部さんは叩いている感情が芝居に出てきて、顔が好きでした」と称賛する。

同じく「なんで私がトランペット?!」と書いた清野は「高校生の頃からギターを独学でやっていて、ドラムも習ったりしてたけど、吹く楽器を経験したことがなくて『何でトランペット?』と思いました。でも、いろんな音が出るようになって、すごく楽しくなってきて、もっとやりたいなってって気持ちになりました」と苦労しつつもトランペットを楽しんだよう。清野の演奏についても内田監督は「清野さんは完璧主義で、ちゃんとやりたいというひと。(演奏シーンは楽器を持つ)手元がバレるので、ほぼ完璧にやらなくてはいけなくて、最後のソロは音楽をやってる人が不可能だと言うくらい、難しいシーンでしたが、ちゃんとやっていて脱帽です」と称えた。

モトーラさんも学生時代の思い出で「学級委員に選ばれた」と「なんで私が?」エピソードを披露。「小学校の時に、投票で選ばれてしまって、全然、みんなをまとめるキャラじゃないのに、なんで私が学級委員に?って思いました。でも、意外とやってみたら、学級委員しか集まれない集まりとかがあったりして楽しかったです」とニッコリ。

最後の締めの挨拶で、阿部は「僕は、試写会で自分が知らないうちに涙が出たというのは初めてのことでした。『なんで俺はこんなに感動しているんだろう?』と。彼(成瀬)が変わっていく瞬間に感動しました。人生、何度でも挑戦できるし、ステージを変えても生きていける――それは僕のような年齢の人間だけでなく、若い人もそうだと思います。いま、生きづらさを感じている人もこの映画にヒントがあると思うので、ぜひ観ていただきたいです。応援してください」と語り、会場は温かい拍手に包まれ、舞台挨拶は幕を閉じた。

『異動辞令は音楽隊!』は全国公開中

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