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2022年9月22日 16:55

【前編】伊礼彼方×加藤和樹インタビュー ミュージカル『キングアーサー』「和樹との色の違いがどう出るのかが楽しみ」「彼方とダブル、面白いなと思いました。頼りになります」

取材・撮影/RanRanEntertainment

2023年1月12日(木)に東京・新国立劇場 中劇場で開幕するフレンチミュージカル『キングアーサー』。本作は、イギリス・ケルトに伝わる騎士達の物語を、ミュージカル『1789-バスティーユの恋人たち-』などで知られるドーヴ・アチアがフレンチロックをベースに多彩な音楽で描いたヒット作の日本版。今回、演出を手掛けるのは、2020年に韓国ミュージカルアワーズ演出賞を受賞したオ・ルピナ。

主人公アーサーを演じるのは浦井健治。最強の騎士として評されアーサーの敵として立ちはだかるメレアガン役を伊礼彼方/加藤和樹(Wキャスト)、アーサーに忠誠を誓うが恋敵となるランスロット役を太田基裕/平間壮一(Wキャスト)、アーサーの妻グィネヴィア役を小南満佑子/宮澤佐江(Wキャスト)が演じる。そのほか小林亮太、東山光明、石川禅、安蘭けいが出演。

メレアガンをWキャストで演じる、伊礼彼方と加藤和樹に舞台への意気込みなどを聞いた。

 

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――ご出演が決まった時の気持ちからお聞かせください。

伊礼:いいメンバーだね、と思いました。大抵、作品の成功はキャスティングで決まるので、このメンバーだったら大丈夫と直感しました。作品の内容は、伝説的なところもありますから、こういったテイストのものはミュージカルファンの方にも馴染みやすいし喜んでいただけると思い、受けさせていただきました。キャスティングとこの題材でよいお正月が迎えられるのではという思いになりました。

加藤:まず、作品ももちろんですが、共演者を拝見してすごく嬉しくなりました。フレンチロックということで、(自身が出演した)『1789』というミュージカルのカンパニーが作っているという縁も感じながら、フレンチロックだからカッコいいだろうなとワクワクした気持ちになりました。

 

094s

 

――製作発表の時に、浦井さんが「イケメン揃いです」とおっしゃっていましたね。

伊礼:自分でいうところがさすが浦井健治!なんですが(笑)。それだけではなく、実力派、演技派として活躍されているメンバー揃いなので、重厚感あるカンパニーになると思います。単にショーアップされたエンタメ要素盛りだくさんだけではない、ちゃんと芝居を魅せられるそんな作品になる予感がします。

――今回、お二人がダブルキャストということですが、どんな思いですか?

伊礼:プロデューサーは攻めるねぇ。面白いことを考えてきたなと。ここがダブルになることを、僕は予想していなかったんですよ。

加藤:そうね(笑)。

伊礼:これからもないだろうと思っていたのですけど。例えば、一つの作品で同じ役となった時に、役者同士が似たような空気を持っていた方がたぶん成功するのだろうけれど、プロデューサーとしては、僕らの役は、違う色合いを放っても成立するのかもしれないと思ってくれたのか、それとも面白がってくれたのか。だから僕もメンバーを見て、和樹とのダブルは面白い。それで僕もこれはぜひやってみたいと思いました。

 

062s

 

――本公演の公式サイトのインタビューで、伊礼さんは、加藤さんと「路線が違う気がした」とおっしゃっていますが、どういったところでそう感じられているのでしょうか?

伊礼:わかりやすくいえば、僕はずっと悪役をやっているんですよ。クズとかダメな男とかが多いので。

和樹にはそういうイメージがないです。もっと紳士的な役だったり。

加藤:でも、(普通の)人間ではなかったりが多いんです。

伊礼:(笑)そうかそうか。

加藤:農民とか。実は貴族系はやったことがないです。

伊礼:それは意外! 僕は貴族の役がメチャメチャあります。貴族だけど、クズ役。逆に、農民とか労働階級はないので、テイストが違うと思いますね。それが同じ役をやるという面白さだね。

 

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――加藤さんは、このWキャストをお聞きになっていかがでしたか?

加藤:彼方とダブルかと。これは面白いなと思いました。芝居は彼方がやれば彼方のメレアガンになるし、僕がやれば僕のメレアガンになっていくのだろうけれど、共通の意識であったり、共有できるものはしていきたいです。頼りになります。安心です。

伊礼:そう言ってくれるのは有難いです。

――どんなところが頼りになるのでしょうか?

加藤:(伊礼は)常にカンパニーも含めて引っ張って行ってくれる力があるので、そういう意味では背中を見てやらせてもらえると思います。彼方は、ちゃんと意見を、自分の思っていることを人に伝えることができますし、わからないままにはしない。僕はけっこう、わからないけれど一回やってみるかというタイプ。その点(伊礼は)納得できないことがあったらできないと言う、それも強さだと思います。自分の視点で捉えられないようなヒントも(伊礼は)捉えていくと思うので、そこは頼りにしているところです。

 

102s

 

――メレアガンについて、今の時点ではどのように捉えて、どんな風にやっていこうと考えていらっしゃいますか?

伊礼:僕はけっこう野蛮な人物像にしたいと思っています。貴族だけれど、強い騎士を目指し、自分の道を切り開いていくという信念を突き通してきたような人物に仕上げたい。その中での屈辱を味わっていきたいです。

――メレアガンはなかなか報われないのですよね?

伊礼:そうですね。報われないからこそ、そこに抗って生きてきて、力の限り尽くしてはみるけれど、運命には逆らえなかったというところを掘り下げていければと思っています。

 

128s

 

加藤:おおよそ彼方の言ったことに近いですけれど、綺麗な役ではないですね。人としてもそういうところがあると思います。純粋な部分もありますが、闘いでのし上がっていく純粋さと、彼の泥臭い部分、ゼロから腕っぷしひとつでのし上がって最強と称されるまでの地位に上り詰めたという実力、そのオーラをまとえるといいなと思います。その場に出てきて剣を持っているだけで何ともいえない強い佇まい、でもそれが故にエクスカリバーを抜けなくて自信が崩れ落ちる、その瞬間の表情であったり、感情の波がすごくあるので、そこをちゃんと導きながらやっていけるような役にしたいです。

後編に続く。

 

012s

 

ミュージカル『キングアーサー』
東京公演:2023年1月12日(木)~2月5日(日) 新国立劇場 中劇場
群馬公演:2023年2月11日(土・祝)~12日(日) 高崎芸術劇場 大劇場

兵庫公演:2023年2月24日(金)~26日(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール 
愛知公演:2023年3月4日(土)~5日(日) 刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール

日本版台本・演出:オ・ルピナ
翻訳・訳詞:高橋亜子
音楽監督:竹内聡
振付:KAORIalive
出演:アーサー:浦井健治
メレアガン:伊礼彼方/加藤和樹 (Wキャスト)
ランスロット:太田基裕/平間壮一 (Wキャスト)
グィネヴィア:小南満佑子/宮澤佐江 (Wキャスト)
ガウェイン:小林亮太
ケイ:東山光明
マーリン:石川禅
モルガン:安蘭けい
主催・企画制作:ホリプロ
公式サイト: https://horipro-stage.jp/stage/kingarthur2023/

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