取材・撮影/RanRanEntertainment
『ハロルドとモード』ゲネプロ及び取材会が9月28日(水)にEXシアター六本木で行われ、黒柳徹子と佐藤勝利が登壇した。
1971年にアメリカで公開された映画『ハロルドとモード』は、ブラックユーモアを随所にちりばめながら、年齢差のあるちょっと変わった二人のラブストーリーと生きることの楽しさをコメディタッチに描き、熱狂的な支持を得た作品だ。これまで、ストレートプレイやミュージカルなど、数々の上演形態で上演され続けている。
今回の上演は、数多くの舞台作品の脚本・翻訳・演出を手がけてきたG2が新たに脚本を書き下ろし、朗読劇として上演するもの。舞台セットや衣装、照明、ピアノの生演奏と意匠を凝らし、朗読劇という枠組みを超えた作品創りで好評を博した公演の3度目の上演となる。
1977年の来日公演を観劇して以来、出演を熱望していたという黒柳にとって、本作はライフワーク的作品だ。2020年公演では生田斗真、2021年公演では藤井流星が演じてきたハロルド役は、今回、佐藤が引き継ぎ、黒柳と初共演を果たす。
黒柳は「勝利くんは本当にハンサムで、“（顔面）国宝”と言われているそうですが、いつも横からしか見てなかったんです。たまに正面から見るとなるほどと思います」と称賛した。そして、佐藤の印象を「穏やかで一生懸命で、日増しにセリフも上手になっていく。落ちたものをパッと拾ってくれたり、とても気がつく方で、この頃の若い方では少ないと思います。普段は知りませんが」と投げかけると、佐藤は「やんちゃな面もありますよ」と笑った。
また、佐藤は、「ハロルドと生きられることに喜びを感じていますし、プレッシャーも感じています。（朗読劇は）初めての挑戦でもあります」と初日への思いを話した。黒柳については、2021年公演に出演した藤井から話を聞いていたと言い、「流星くんが『徹子さんは本当に国宝の人だから、一緒にいられるだけですごい経験だった』と言っていました。国宝と国宝で、素晴らしい貴重な経験をさせていただけることになると思うので、楽しんで明日からの本番でも朗読していきたいと思います」と力を込めた。
佐藤と藤井は番組での共演を通して話す機会が多いそうで、「（藤井）流星くんがちょっかいを出してくるんですよ。（出演していたから）どこが緊張するか知っているから、『勝利、最後の方でギターが出てくるでしょう？あれは緊張するよ』とか言ってくるので、『そんなの言わないでよ』（ってなる）。なので、相手にしないで、僕ができるハロルドを一生懸命できたらいいなと思います」と語った。
今回、黒柳とは役年齢で60歳差、実年齢では64歳差の恋人役となるが、佐藤は「60歳差の『はてな』を感じさせないように、ハロルドは“こんなに素敵なモードだったら好きになるよね”と思ってもらえるように！を大事にしています。俯瞰で見るとすごいことだと思うけど、ハロルドとしては、逆に（年齢差は）考えないようにしています」と明かした。
一方、黒柳も「年のことは考えず、モードという変わった女の人どうやったら面白くなるのかと思ってやっているので、いちいち何歳違うとは思っていない。それを思ったらやりにくくなってしまいます。ですが、どこか感じるところがピタッと一緒になった関係なのかもしれない。普通じゃないかもしれないけど、もしかしたら（そういうカップルも）いるのかもしれないと思うと、人間というのは素敵だなと思いながら稽古していました」と思いを述べた。
最後に、佐藤は「こういう状況の中で劇場に足を運んでくださることに感謝しています。外になかなか出られなかったり、自由じゃない世界になっていますが、演劇の中では自由を感じられると思います。それが演劇だと思うし、この作品のテーマでもある『自由に生きる』が皆さんの心の奥まで届いたらいいなと思います」とアピール。黒柳も「純粋な少年と、どういう生活してきたかわからないおばあさんの話です。ちょっとありえないけど、実生活にあるかもしれないというお話かもしれない。素晴らしくできている本なので、ぜひ皆さまに観ていただきたいと思っています」と話して、会見を締めくくった。
『ハロルドとモード』は、9月29日(木)〜10月13日(木) 東京・EXシアター六本木、10月15日(土)〜18日(火) 大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。
