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2022年11月30日 06:06

『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』製作発表記者会見 尾上菊之助「少しでも元気を届けられれば」

取材・撮影/RanRanEntertainment

木下グループpresents『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』製作発表記者会見が、11月29日(火)に東京都内で行われ、尾上菊之助、中村獅童、尾上松也、坂東彦三郎、中村梅枝、中村米吉、中村橋之助、上村吉太朗、SQUARE ENIXの北瀬佳範氏が出席した。

 

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左から:北瀬佳範、中村橋之助、中村梅枝、尾上松也、尾上菊之助、中村獅童、坂東彦三郎、中村米吉、上村吉太朗

 

本作は、これまでも「NINAGAWA 十二夜」や「マハーバーラタ戦記」「風の谷のナウシカ」など自身の企画、構成から新しい歌舞伎の舞台を創り出してきた菊之助が新たに手がける新作歌舞伎。菊之助自身が歌舞伎化を熱望した不朽の名作ゲーム『ファイナルファンタジーX』の世界観を、アジア初の没入型エンターテイメント劇場であるIHIステージアラウンド東京で世界初上演する。

演出は菊之助とともに金谷かほりが務め、脚本は連続テレビ小説『おちょやん』(NHK)や『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)などで知られる八津弘幸が担当する。

 

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菊之助は、「制作が始まったのは2020年3月、コロナ禍の真っ最中でした。毎月、当たり前のようにあった歌舞伎公演がなくなってしまって、先行きが見えない中、何とかしたいという気持ちをすくい上げてくださったのが20年前に発売された『ファイナルファンタジーX』でした」と本作の歌舞伎化に思い至った経緯を話す。

その後、自身で企画書を書き、スクウェア・エニックスにビデオメッセージを送り、歌舞伎化を熱望した。その思いを汲んだスクウェア・エニックスからの許諾を経て、今回の企画が実現したという。菊之助は、「コロナ禍で大変な日本、そしてエンターテインメントの世界に少しでも元気を届けられればと思っています」と本作への思いを改めて語った。

 

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本作のオファーを電話でもらったという獅童は、「お電話をいただいた時はびっくりしました。菊之助さんと共演させて頂くこと自体が約10年ぶりくらいになると思いますし、プライベートでもあまりお会いすることもなかったので驚きましたが、でも嬉しかったです」と明かす。獅童自身も「コロナ禍で、私自身もこれからの自分の生き方やこれからの歌舞伎界を考えている中」での話だったそうで、「熱い気持ちに応えられるように一生懸命務めさせて頂くと同時に、演出の菊之助さんについていきたいと思います」と意気込んだ。

 

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また、シーモア役の松也も「最初にお話を聞いた時は非常に驚きました」と口を揃える。そして「同時にコロナ禍においても常に前に進もうとするお兄さんの姿勢に感動しましたし、なおかつ大先輩であります菊之助さんから直々に思いを聞かせていただいたのは非常に光栄でした。微力ながらお力になればとお引き受けさせていただきました」と思いを語った。

今回、見どころとなるのは、「マカラーニャの森」と「ユウナの異界送り」、「ブリッツボール」のシーン。特に、「マカラーニャの森」は、水の中でティーダとユウナがキスをする切なくも美しいシーンが原作ファンにも有名だが、このシーンの演出について菊之助は「歌舞伎でも、男女が心を通わせるキスシーンの表現の仕方を持っています。心を形にするのが型だと思いますが、その型の表現に落とし込みつつ、ティーダとユウナなりのものを作っていきたい」と語った。

また、水が重要な要素となる「マカラーニャの森」と「ブリッツボール」のシーンだが、いずれも本物の水を使わずに表現すると菊之助は断言。「ステージアラウンド東京は、8メートルのスクリーンがありますので、その映像を使いながら表現します。綺麗な森の中がどう表現されるのか期待して体だければと思います」と胸を張った。

木下グループpresents『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』は、2023年3月4日(土)〜4月12日(水)にIHIステージアラウンド東京で上演。

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