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【後編】珠城りょう&渡辺大インタビュー 舞台『マヌエラ』「マヌエラは、芯が強いけれどチャーミングな女性。踊りがどんな表現になるのかドキドキしています(珠城)」「妖艶な空気に飲まれそうです(渡辺)」

2023/1/23 13:35

取材・撮影/RanRanEntertainment

054s

 

――お互いに何か質問したいことはありますか?

珠城:大さん、ずっと映像のお仕事をされていて、舞台はお稽古の形も違うと思いますが、何が一番違うのかお聞きしたいです。台詞も映像では単発に撮っていくことが多いと思うのですが、舞台は何時間も続けてやるわけですから台詞の覚え方にも違いがあるのか?

渡辺:僕もそれを聞きたかったの

珠城:(笑)

渡辺:違いがあるのはわかるのだけど、去年『魔界転生』という舞台の時はコロナの真っ最中で、「台本を持たないでください。ある程度入れておいてください」と言われたんです。初演組と再演組がいて、初演組の人たちと最初にやったのですが、本読みはたぶん1回しかしなかったと思います。ちょっと(映像と)違い過ぎてしまって、こんなに大変なのだと思ってしまいました(笑)。なので、舞台の通常の形の稽古は今回が初めてです。どういう風にやるのか、ちょっと盗みながらやりたいです。

珠城:私は、稽古に入る時、台詞を全部覚えていくべきか、いつも迷うんです。ミュージカルは間に音楽が入るので少し違うのですが、会話劇は本当にその人と対面して、実際にしゃべってみて感情が生まれたり、ここはこういう風に動いていくのだとか、相手はこういう風に言ってくるのだ、という様にして成立することが多いので、最初に自分で固めてしまうのはあまり好きではないんです。最初に私はあまり台詞を入れていかないで、立ち稽古をやりながら一緒に芝居する方の出方、キャラクターを見ながら、会話しながら覚えていきます。立ち稽古の時に台本を持たない方を見るとめちゃくちゃ焦ります(笑)。

渡辺:いや、大丈夫です(笑)。

珠城:それが確認できてよかったです。

渡辺:映像だと台本は持たないで、その中でどういう風に動くかというところですけれど、こっちのアングルだとちょっと撮れないからこちらから、ということはよくあるので動きのことなども多少(周りに)委ねがちになります。舞台の場合はどちらかというとフリーにできる。そこに動きと会話の整合性がとれていれば十分と思うので、そこはちょっとまた映像と違う面白さかなと思います。

 

099s

 

――それぞれの役柄について、生き方について共感する部分などはありますか?渡辺さんは軍人の役ですが、この時代の国家と自分の正義と彼女への思いの板挟みになりながら生き方を探していく男性に共感する部分、魅力を感じる部分など教えてください。

珠城:マヌエラは「私は踊るために生まれてきた。私は国を捨ててきた。私はダンサー」と言っているのですけれど、上海フランス租界という場所で、日本人の女性が一人で生きていくためには自分で自分の居場所を見つけるしかなかったと思うのです。何にも縛られないで己の感情を表現できるダンスに彼女の喜びや幸せを見出して、のめりこんでいったのだと思うのです。ステージの上で、感情を解放する、魂を解放して表現するのは自分も非常に共感できるところです。自分ではない感覚になったり、ステージで誰かの人生を生きている時は違うエネルギーが生まれてくることもあるので、それはマヌエラが踊りで何かを表現する時のエネルギーと共通するかもしれないです。でも彼女にとってはダンスが居場所、そういった部分は今の私とは異なるかなと思います。なぜ彼女がそんなに頑なに踊りというものにしがみつくのか、日本の軍人に嫌悪感を抱いているのかも、かなりストレートに言葉に出しているので、そこは丁寧に演じていきたいと思います。ダンスを通して彼女の心情をより表現していきたいと思っています。

渡辺:軍人の精神性については勉強してきたつもりですが、今回はどちらかというと国家に対する気持ちと彼女に対する気持ちとにすごい揺らぎを感じます。国のため、家族のためというメッセージ性が強いものから、恋愛模様に移行していく、そして自分の根幹が揺らいでいくというのは今回が初めてなので、ベーシックな所作はしっかりと押さえつつも人間ぽさがすごく出る役どころなので、軍服を着ている時と脱いだ時の違いというものが、非常にはっきりと分けて書かれているので、「なるほどな」「そういう意味があるのだな」というところを見ていただけたらと思います。

 

076s

 

――今回は実在の人物を演じられます。その難しさや、取り組み方の違いなどはあるのでしょうか?

渡辺:エンターテインメントをやる時はプラスアルファするものが多いので、刑事ものなどでもそうなのですが、整合性のある嘘をつくということがあります。逸脱しないように動き回れたらいいなと思っています。でもあまりとらわれないようにしています。

珠城:マヌエラさんを実際にご存知の方がたくさんいらっしゃると思うので、そういった方たちのイメージを損なわないようにしていきたいと思っています。マヌエラさんへの敬意をもって演じていきたいです。台本に描かれている中で、彼女の人間性を表現することを大切にしたいです。マヌエラさんの自伝だけでなく、第三者が見た彼女がどういう印象だったのか資料でも見ました。その当時の上海を知ることが大事だと思って、本なども読み始めています。

 

089s

 

――あの当時の上海、現時点ではどんな印象を持っていらっしゃいますか?

珠城:暗いイメージがあるかもしれないですが、上海フランス租界は非常に自由さが感じられます。その中で、自分たちが国籍も人種も性別も関わらず、自分の信念のもとに力強く生きているのが印象的です。

――今回は、演出の千葉さんが、「音楽?ダンス?劇として蘇ります」とおっしゃっています。ダンスの表現がどのようになるのか、お聞かせいただけますか?

珠城:当時、マヌエラさんがやっていたダンスはスパニッシュダンスと書かれていますが、スパニッシュダンスというと、括りが大きく、どういった表現方法なのかが明確ではないので、それを本間さんがどのように解釈して振り付けられるか非常に楽しみです。今までずっと男役として踊っていることが多かったので、女性のダンサーとしてのアプローチ、表現の仕方をかなり研究していかなくてはならないと思っています。どうやったらマヌエラとして美しい踊りになるのか、本間さんにご指導いただきながら研究していきたいです。

――男役としての踊りと女性ダンサー役のダンス、具体的にはどんな違いがあるのでしょうか?

珠城:今までは直線的に見せることを意識していました。でも女性らしい踊りとなると力強さの中にも曲線的なもので見せていくことが必要になるのではと考えています。それは男役時代には意識してこなかったことなので、その辺りはかなり対極だなと思っています。細いヒールを履いて踊るので、そこも慣れなければと思っています。

――それもこれからでしょうか?

珠城:そうですね。ヒールを履かせていただく機会は増えているのでだいぶ慣れてはきていますが、踊りがどういう表現方法になるのか、一番ドキドキしています。お稽古が始まったらなるべく早いうちに振付していただきたいです。

 

069s

 

――渡辺さんはこの舞台に向けてもう準備されていることはありますか?

渡辺:初演時の台本も読ませていただいたのですが、今回は和田中尉の気持ちの揺らぎが早めに来るのかなというところが多いので、それはそれですごく面白いです。二人はものすごく反発するんです。とてもじゃないけれど好きにならない、でもきっかけがどこかにあるはずなんです。そのきっかけがどこにあるのか、その部分を考えていきたいです。

――台本を読んだだけでは、まだその部分がわからないのですね。

渡辺:クラブでは動きがすごいんです。彼女はこっちのテーブルに行って、あっちのテーブルに行って、とするのですが、その配置図がまだ頭に出てこないので、(和田中尉は)ダンサーの人たちをどうかき分けて彼女を見つけていくのか、彼女がどれだけ輝いて見えるのか、楽しみです。

 

082s

 

――宝塚時代からの珠城さんを観ていらして、チラシでの赤いドレス姿の珠城さんをご覧になっての感想をお聞きしたいのですが?

渡辺:本当に妖艶で負けそうだなと思いました。妖艶な空気に飲まれそうな感じはすごくあって、たぶんそれに和田中尉は惹きこまれる。自分の根幹を揺らがされる部分が見えたので、稽古が楽しみです。

――最後に皆さまに向けて、メッセージをお願いします。

渡辺:たくさんのダンサーの中に彼女がいる、日常を忘れ、寒さを忘れるような、熱い公演になると思います。混沌が始まる前の不穏な静けさ、不安定さが魅力の作品だと思います。ドキドキと胸を躍らせながら、来ていただけたら幸いです。

 

 108s

 

珠城:今回の作品は会話劇がメインですが、その中に音楽とダンスが融合する新しい形で上演されます。前回の『マヌエラ』をご覧になった方はもちろん、まだご覧になっていない方はきっと新しいメッセージを受け取ってもらえると思います。登場人物はそれぞれの人生を一生懸命生きています。その思いが舞台上から客席にほとばしるように伝わっていくと思いますので、人間の生き様を楽しんでいただきたいです。私も新しい挑戦がいっぱいありますので、ぜひ温まりに劇場に足を運んでいただけたらと思います。

――ありがとうございました。

 

062s

 

PARCO PRODUCE 2023『マヌエラ』
東京 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)2023年1月15日(日)~23日(月)
大阪 森ノ宮ピロティホール 2023年1月28日(土)・29日(日)
福岡 北九州芸術劇場 大ホール2023年1月31日(火)

脚本:鎌田敏夫
演出・出演:千葉哲也
音楽:玉麻尚一
振付:本間憲一
出演:珠城りょう、渡辺大、パックン(パックンマックン)、宮崎秋人、千葉哲也、宮川浩
岡田亮輔、齋藤かなこ、磯部莉菜子、松本和宜、馬場亮成、榎本成志、松谷嵐、横田剛基
伯鞘麗名、永石千尋、平井琴望、佐藤アンドレア、平山ひかる
企画・製作: 株式会社パルコ
公式サイト: https://stage.parco.jp/program/manuela/

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