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2023年2月7日 20:17

風間杜夫「日本で育った僕たちの感覚で演じたい」 ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』公開舞台稽古レポート

取材・撮影/RanRanEntertainment

ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』の公開舞台稽古が、2月6日(月)に日生劇場で行われ、風間杜夫、濱田めぐみ、新納慎也、こがけんが公演への思いを語った。

 

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左から:こがけん、濱田めぐみ、風間杜夫、新納慎也

 

本作は、2018年にトニー賞で作品賞を含む10部門を独占した話題作の日本初演。2007年に公開された映画『迷子の警察音楽隊』を原作に、ミュージカル『ペテン師と詐欺師』の作曲家デヴィッド・ヤズベックが作曲と作詞を手がけた。降りるバス停を間違え、かつての敵国で迷子となった警察音楽隊の、とある一夜を描く。

この日の公開舞台稽古では、風間と濱田による「いつもと違う何か」、こがけんによる「声を聞かせて」、濱田と矢崎広、永田崇人などが出演する「何もない町」の3シーンが公開された。

 

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「いつもと違う何か」は、風間が演じるトゥフィークと濱田が演じる女主人ディナが共通の話題をみつけたことで距離を縮め、不思議な感情が芽生えることを歌った一曲。風間の歌に被せるように濱田の美しい歌声が響く。

「声を聞かせて」は、こがけんが演じる電話男が電話BOXの横に立ち、電話を待ち続けるシーンだ。電話男の歌に続き、出演者全員が呼応して歌い始める。印象的なメロディがいつまでも心に残るシーンだ。

 

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そして「何もない町」は物語冒頭で歌われる楽曲。ディナとイツィック(矢崎)、パピ(永田)が警察音楽隊に街を紹介するシーンで、異国感のある軽快なリズムが特徴。

公開舞台稽古後に行われた取材で、風間は「2ヶ月に渡って稽古を重ねてきましたが、一刻も早く、お客さまの前で演じたいとワクワクしています。緊張感もありますが、初日の幕が開くことを楽しみにしています」と挨拶。

続いて濱田も「一丸となってお稽古を進めてきました。素敵な作品に仕上がっていますので、ぜひ劇場で楽しんでいただければと思います」と笑顔を見せた。

トランペット奏者・カーレド役の新納は「世界中で戦争が起きたり、コロナ禍だったりしていますが、平和を願う気持ちを込めているこの作品は、今まさに上演すべき作品だと思っています。今までとちょっと違うミュージカルで、日本のお客さんがどう受け止めてくれるのかとても楽しみにしています」とコメント。

こがけんは「芸人を始めてから、こんなに同じものを練習することがなかったので、さすがに飽きるかなと思ったんですが、めちゃくちゃ面白かった。衣装をつけて稽古をした時には、感極まって込み上げてくるものがあった。それくらい面白い」と熱弁し、「演技で迷子にならなければいいなと思っています。頑張ります」とタイトルにかけて意気込んだ。

 

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今回の日本版は、ニューヨークで上演された演出は使用せず、森新太郎による日本オリジナル演出で上演されることから、本作の演出について質問が上がると、風間は「エジプトとイスラエルの話ですが、この2カ国は言語が違う。なので、ブロードウェイでは共通言語として英語で意思疎通を行っています。たどたどしい英語で話すという芝居になるのですが、今回、全て日本語になっているので、そこは演出として苦労なさった点だと思います」と思いを述べた。そして、「僕たちはイスラエル人やエジプト人には見えないですが、文化が違う国の人たちの一夜の触れ合いで生まれた情は理解できる。日本で育った僕たちの感覚で演じたいと思っています」と語った。

 

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また、新納は「真っ赤なセットには、僕も驚きました。すごく衝撃的なセットの中で、とても繊細な物語が繰り広げられる。森さんが細かい演出をされているので、それが日本人の琴線に触れると思います。衝撃的な背景の中で、繊細な物語がなされている」とコメント。

 

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さらに、今作はミュージシャンたちの生演奏やこれまでのミュージカルにはない曲調の楽曲も魅力の一つ。濱田は「楽器が奏でるロマンティックな感じやノスタルジックな感じ、エモーショナルな感じが、メロディラインにも細かく入っているんです。その細かい部分が難しい。今までやった演目の中でも、稽古を重ねて重ねてというくらい難しかった」と話した。

最後に風間が「国も宗教も文化も違う、遠い隣の国の話ですが、2つの民族が心を許し合い、溶け合うお話です。たった一晩ですが、別れは切ない。さらに、一流のミュージシャンの生バンドでの演奏があります。ひとりでも多くの方にこの芝居を観客席で楽しんでいただけたらと思います」とアピールして締めくくった。

ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』は、2月7日(火)~23日(木・祝) 日生劇場で上演。

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