取材・撮影/RanRanEntertainment
『サイド バイ サイド 隣にいる人』の公開記念舞台挨拶が4月15日(土)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、主演の坂口健太郎、共演の齋藤飛鳥、浅香航大、市川実日子、そして伊藤ちひろ監督が登壇した。
本作は、そこに存在しない“誰かの想い”が見える不思議な力を持った青年・未山の切なくも美しい物語で、伊藤ちひろ監督のオリジナル脚本。伊藤監督はコロナ禍の現代に触れ「私たちは距離感に敏感になる時間を過ごしてきましたが、それは相手を想うことの時間だったともいえる。価値観や環境が違うことで責めあうのではなく、分かり合う。本作を通してそんな気持ちを改めて感じてもらいたいと思いました」と本作の狙いを明かした。
未山を演じた坂口は、「脚本を読んだときよりも広がった感覚で、観た人それぞれが自分なりの解釈ができる作品」と分析。
また、未山の隣に突然現れる謎の男・草鹿役の浅香は「初めて観たときは温かい涙が流れて…。この地球に生まれて良かった！ モチベーションが上がる映画」と感動を報告。一方、未山と暮らす恋人・詩織を演じた市川だが、一緒に試作を観ていた浅香から「実日子さんは本作を観ながら笑っていましたね」と暴露され、「みんな違ってそれでいい！観客のみなさんも、観たまま感じたままに我慢しないで欲しい。観た人それぞれ物語が変わっていく映画ですから」と呼び掛けていた。
未山の元恋人・莉子を演じた齋藤は「もし未山が恋人だったら？」と聞かれ、「恋人？ ごめんなさい。私はあまり･･･」と横にいる坂口を気にしつつも謝絶。当の坂口は「なんだか告白する前に相手からフラれた感じ(苦笑)」と落ち込んでいた。齋藤は「人としては魅力的だし、優しさとか温かさは自分に欲しいと思いますけど、一緒にいたいとは思わない」と続けた。
一方、現在の恋人・詩織を演じた市川は「未山くんとお互い自立しながら、2年であの空気になるのは凄い」との感想。坂口は「まあ、総じてお二人とも未山のことが好きという答えですね！」と纏めるものの、齋藤は「違います」、市川は「大好き」と別々の反応に、笑いが起こった。
齋藤と初共演となった坂口は「とても可憐な方だな。（莉子の役は）陰の部分を担わなければいけないし、セリフがあまりない中で、彼女だからこそできる莉子の役だと思った。画を締める力を感じました」と称賛した。
イベント後半には、『莉子の存在に未山の過去の秘密が明らかになる』という本作の内容にちなんで、各人の秘密を発表。市川は「坂口くんと足が似ている」、浅香は健康的な理由で「たまに都内の公園を裸足で歩いている」、そして坂口は「左手に豆があります」と何かにチャレンジしている秘密を挙げた。理由については「言えない。いろんなことをやっていて」と語った。
一方、齋藤からは秘密など「ありません」というまさかの回答。しかし齋藤のマネジャーから「インスタの投稿に苦戦している。間延びした写真を投稿したりして、なにこれ？なにこれ？とアタフタしている」とのタレコミが…。これに坂口は「メッチャわかる！」と理解を示し、齋藤も「難しいですよね！」と味方を得た気分。坂口が「インスタに投稿されたのか分からなくて、何度もタップして同じ投稿を3回くらい上げたりしている。ハッシュタグとかもイマイチ理解できない」とデジタルについて行けない悩みを明かすと、齋藤も「わかります！わかります！」と理解者出現に安心していた。
最後に坂口は「冒頭、実日子さんが『すぐに調べられ答えが出る世の中で、監督が余白を以て皆さんに訴えかける。皆さんの心の中に、この先の感情が大きくなっていくその先を作るというのはすごい挑戦だった』とおっしゃったのは本当にそのとおりで、今のこういう世の中だからこそ、こういう作品が皆さんも元に届いて、映像の中に生きている人たちにどこか思いを馳せていただいたら、この作品は成功なんだろうなと思います。未山、莉子ちゃん、詩織らにちょっとでも思いを持っていただき、それを周りの方に広めていただいて、この作品を大きく羽ばたかせてくれたら嬉しいなと思います」とメッセージを送って、イベントを締めくくった。
映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』全国公開中
配給：ハピネットファントム・スタジオ
©2023『サイド バイ サイド』製作委員会
