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2025年1月13日 21:00

【前編】加藤和樹インタビュー 「ラウルに寄り添ってあげたい」ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』

半世紀に渡り数々の名作を世に送り出してきたミュージカル界の“生ける伝説”アンドリュー・ロイド=ウェバーが、自身最大のヒット作『オペラ座の怪人』の後日譚として生み出したミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』。1998年の日本初演では、日本を代表する豪華キャストとミュージカル史上稀に見る豪華な舞台セットで大きな反響を呼んだ。そして今回、2019年の再演を経て、2025年1月17日(金)から、3度目の公演の幕が開く。ラウル・シャニュイ子爵役で本作に初出演する加藤和樹に公演への意気込みや役作りについてなどを聞いた。

――(取材当時)すでにお稽古が始まっていると聞いています。今、お稽古をしていてどんなことを感じていますか?

楽しいです。作品的には3度目の上演となりますが、僕を含めて、今回、初参加の方もたくさんいらっしゃいますので、演出のサイモン(・フィリップス)さんとともに丁寧に一つひとつ作り上げている感覚があります。

――お稽古場の雰囲気や共演者の皆さんとのやりとりはいかがですか?

ファントム、クリスティーヌがそれぞれ3人ずついますし、全キャストの人数が多いので、まだ皆さんとしっかり細かいお話ができているわけではないですね(笑)。限られた時間の中でどう突き詰めていくかが、今後の課題になってくるのかなと思いますが、みんなで支え合っていると思います。

――サイモンさんの演出を受けた感想は?

役者の心情に寄り添ってくれているのを感じます。最初に「こういう形でここにいてほしい」というミザンス(立ち位置)をつけるときから、そのときにどういう気持ちでいたらいいのかまで細かく教えてくださるので、すごく丁寧な方だなという印象です。一つのシーンにとても時間をかけて、じっくり作られていますね。今、二幕の冒頭の稽古をしているところですが、ファントムと対峙してからの焦る思いやクリスティーヌを失ってしまうかもしれないという追い詰められる思いというのはもっと丁寧に作っていかなければいけないなと思っています。

――本作の魅力は、どんなところにあると感じていますか?

音楽主体で物語が進んでいくというのが、『オペラ座の怪人』をモチーフとしたこの作品にすごく合っているなと思います。すごく壮大なお話ではありますが、ミュージカルの中では上演時間は短い方なんですよ。本編(休憩除く)は2時間ちょっとしかない。それだけに見どころが凝縮されているので、冒頭のファントムのソロナンバーからずっと目が離せないと思います。あっという間に物語が進んでいき、音楽に乗せてシーンが変わっていってしまうので、見どころしかないです。

――その上、ロイド=ウェバーさんの楽曲は難曲揃いですよね。

難しいですね。今、お話しした通り、流れるように言葉を乗せることが前提の音楽になっていますが、日本語を乗せる難しさを今、すごく感じています。さらにそこに気持ちを寄り添わせるためには、もっと役の心情を高めていかないといけない。まずは、基本の音をきちんと自分の中に入れ込まないと芝居として歌えないと感じる曲がたくさんあります。

――音を入れ込んだ後、稽古を重ねていくことで完成させていくと。

歌稽古だけでは感じられないことがありますから。音程とメロディーラインの流れを入れ込んだ後、立稽古をして感情が入ったことで感じることがたくさんあります。譜面通りに歌うのが正解なのかというと、ミュージカルでは必ずしもそうではない。そうしたさじ加減は、稽古をしながら自分でチョイスするものかなと思います。それは日によっても変わってくると思いますが、さまざまなチョイスができる楽曲が本作では揃っています。

――楽曲の魅力は、どんなところに感じていらっしゃいますか?

僕は旋律の美しさに惹かれています。耳なじみがすごく良いというわけではないですが、すごく美しいメロディーばかりです。特にクリスティーヌとファントムの掛け合いの曲はほとんど芝居で進んでいくので、歌を聴いているよりも芝居を見ている感覚になります。本当に涙が溢れて止まらなくなるほど、素晴らしいメロディーなんですよ。ドラマチックな旋律で、でも芝居になっている。そうした芝居歌が魅力だと思います。

――2019年と2023年に上演されたミュージカル「ファントム」ではファントム役を演じられました。今回はラウル役を演じますが、ラウルについて今はどのようにとらえて演じていますか?

この作品に出演が決まったときは、「ラウルってあの最低なクズでしょ?」と思っていました(笑)。あまり良い印象がなかったのですが、実際に台本を読んで、お芝居を作っていく中で、「彼には責任がないよな」と思うようになりました。描かれていない10年間で彼が変わってしまったことにも理由があるんですよ。二幕の冒頭にラウルが感情を吐露するナンバーがあるのですが、その中で、彼がクリスティーヌに対して感じていた想いを初めて明かすんです。自分には音楽が理解できなくて、クリスティーヌと分かち合うことができない。自分にはクリスティーヌはふさわしくないんじゃないかとずっと感じていた。そうした彼の弱さや苦悩が見えてきて、すごく可哀想な人だなと感じるようになりました。ただの最低な酔っ払いでギャンブラーなわけではないんですよね。どこにも吐き出すところがないから、そうしないと自分を保てなかった。酒に溺れて、ギャンブルで憂さを晴らすしかなかった。僕はそこに寄り添ってあげたいと思いますし、彼なりの愛し方でクリスティーヌを支えて愛しているということを理解してあげたいと思っています。

ミュージカル『ラブ・ネバ―・ダイ』
2025年1月17日(金)~2月24日(月・休)
日生劇場
オフィシャルサイト https://horipro-stage.jp/stage/loveneverdies2025/

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