【後編】尾上右近&佐藤流司インタビュー 初共演で紡ぎ出す「伝統と革新」の舞台 「自分の在り方を見つめながら作り上げたい」J-CULTURE FEST presents 詩楽劇『八雲立つ』

尾上右近     佐藤流司

――お二人は今回、初共演になります。お互いの印象を教えてください。

右近:僕は目に見えないもの、不確かなものをあるとする世界でやってきています。しかも、うまくいくという根拠はないままの状態でやってきているので、彼のような存在に触れると、自分がいかにふわっとしているのかを感じさせられます。いかにふわっとしているかを悟られないように生きているか。ハッタリの塊なので…本当に反省しますね。なんだか、今日はもう動くのはやめておきます(笑)。

佐藤:菊之丞さんが(右近は)須佐之男のイメージにぴったりだとおっしゃっていましたが、本当に力強い方だと思います。陽のエネルギーを感じます。なので、本当に申し訳ないですが、エネルギーを持っていかれて疲れてしまったので、もう帰りたい…(笑)。

右近:誰ですか、この二人を組ませたのは(笑)!

佐藤:いやいや、冗談です(笑)。エネルギッシュな方なので、元気をいただけるなと思っています。

――公演に合わせて、和の伝統に親しむためのワークショップも開催されます。お二人は、歌舞伎以外で和の文化に親しんでいるものはありますか?

右近:日本画です。見るのも好きですし、描くこともします。基本的には、西洋画が表現を足していく「足し算」だとしたら、日本画は「引き算」。一番見せたいものを見せるための空間の使い方が大切なのだと思います。なんでも足せば良いのではなく、引くことで際立たせるという表現方法は、歌舞伎以外では僕にとっての和を感じさせる要素です。

佐藤:私は空手とアニメです。空手は子どもの頃からずっとやっていたので、その二つが佐藤流司という人間を構成している気がしています。

――年末年始の公演になりますので、少し早いですが、2025年がどんな1年だったか教えてください

右近:今年は、4月に『春興鏡獅子』という舞踊作品を歌舞伎座でやらせていただいたということに尽きます。僕は歌と踊りとどちらもやらせてもらっているのですが、僕の中で、役者をやっているとやるべきことを放棄してやりたいことだけをやっている感覚が大きいんです。清元もやりたいことではあるのですが、それ以上に「やるべきこと」でもあります。『鏡獅子』を終えて、清元と役者の両立があってこそなのだと改めて痛感しました。自分の道をきちんと歩んでいるのだという実感が得られたように思います。

――両立は難しさも大きいのではないですか?

右近:声が難しいですね。役者としては出たところ勝負でも成立するところがありますが、歌に関しては決まったところに毎日、毎日、当てなくてはいけない。しかも、役者と両立することで喉を痛めやすくなるので、それをどう維持していくのかが課題だと思います。ただ、どちらもきちんとやりきれないと二刀流といっても意味がない。片方は切れ味が悪いけれども、もう片方は切れますでは意味がないので、切れ味の良い刀を2本持っているという状態にしたいと感じております。

――ありがとうございます。佐藤さんはどんな1年でしたか?

佐藤:いろいろな人に会った1年だった気がします。懐かしい役者やスタッフさんにも会えたし、新しい出会いもたくさんありました。つい先日まで、京都の太秦にお邪魔して北大路欣也さん主演の『三屋清左衛門残日録』というドラマの撮影に参加させていただいたのですが、それもまた新しい出会いでした。その中で、ミュージカル『刀剣乱舞』の東京ドーム公演(目出度歌誉花舞 十周年祝賀祭)もあって、懐かしい再会もあった1年でした。

――この作品もそうですが、新しい出会いはご自身の中で「挑戦したい」という思いが強くあってのことなのでしょうか?

佐藤:そうした方が絶対に良いのだと思います。同じメンバーで同じ作品をやり続けているとどうしても緩さが出てしまいます。なので、やっぱりたくさん新しい人に出会って、刺激をもらって、新しい知見や新しい景色を増やしていくことで、人間として成長できるのかなと思います。昨年もそうでしたが、新しい出会いを大事にしたいと思っています。

――では、2026年はどんな1年にしたいですか?

右近:さらに有名になりたいです。

佐藤:右に同じです。それしかないです(笑)。

――十分に有名だと思いますが、お二人にとっての「有名」とはどんな人ですか?

右近:道を歩いていて、通り過ぎる人全員が気づくってことじゃないですか。「その組織においてはみんな知っている」というのは「人気者」です。ですが、「その組織を知らなくても、その人を知っている」のは、「スター」や「有名人」。その違いは大きいと思います。僕は、歌舞伎のために有名人になりたいです。

佐藤:呼び捨てにされたらだと思います。もし、GACKTさんが目の前にいたら「GACKTがいる!」ってみんな言いますよね(笑)。有名人は呼び捨てにされるものなんだと思います。

右近:それから、お店に行ってサービスをされるのは二流らしいですよ。ぼったくられるのが一流だと教えてもらいました。(一流だと)「あいつはお金を持っているからもっととっておこう」と容赦がなくなるそうです。「応援していますんで、ご馳走させてください」と言われているうちはまだまだなんですって。

佐藤:そんな見方もあるんですね。

――ありがとうございました! 最後に改めて公演に向けた意気込みをお願いします。

佐藤:私のお客さんからもチケットが取れなかったというお声を聞きました。それほどたくさんの期待を背負っている作品なんだと改めて感じています。新しい経験もたくさんさせていただけると思いますので、精一杯頑張っていきます。ぜひ楽しみにしていただければと思います。

右近: 限りがある時間の中で、この作品を観劇することを選んでいただいた以上は、より豊かな時間になるような舞台を提供するのが俳優としての務めだと思います。年末の特別な時間をより特別なものにしていただけるように、僕たちもより自分の在り方を見つめながら作り上げたいと思っています。

J-CULTURE FEST presents 詩楽劇『八雲立つ』
構成・演出:尾上菊之丞
脚本:⼾部和久
会場:東京国際フォーラム ホールB7(〒100-0005 東京都千代⽥区丸の内3丁⽬5-1)
公演⽇程:2025年12⽉29⽇(⽉)〜12⽉31⽇(⽔)
出演:
尾上右近、紅ゆずる、佐藤流司、和⽥琢磨、梅⽥彩佳、川井郁⼦(ヴァイオリン)、⽯⾒神楽 万雷/尾上菊之丞
出演者:花柳喜衛⽂華、藤間京之助、若柳杏⼦、藤蔭慧、⾼橋諒
演奏:吉井盛悟、⽥代誠(英哲⾵雲の会)、豊剛秋、藤舎推峰、住⽥福⼗郎、川野稜太/安部潤、齋藤順、北村聡
公式サイト:https://yakumo2025.com
公式X(旧Twitter):https://x.com/yakumo__2025
公演に関するお問い合わせ:stage.contact55@gmail.com
主催:TAILUP/井筒/井筒企画/東京国際フォーラム
企画:井筒與兵衛
後援:東京都/千代⽥区/東京商⼯会議所
協⼒:帝国ホテル、丸ノ内ホテル
助成:アーツカウンシル東京【芸術⽂化魅⼒創出助成】
特別協⼒:⾵俗博物館/京都宮廷⽂化研究所/⽇本⼯学院専⾨学校

あらすじ
本作冒頭では、2025年の穢れを払い、2026年を寿ぐ、神職による修祓が執り⾏われます。
そして、イザナキとイザナミの国⽣み、神産みを描いてゆく神秘的な幕開けより、⻩泉へと去った⺟イザナミの穢れを濯いで⽣まれたスサノオが、舞台上で⾐裳を纏い、隈を取り、⼤太⼑を持って歌舞伎の荒事を⾒せ、荒む魂、荒御魂を現して天上へと踊り込みます。
⼀⽅、天下った瓊瓊杵尊に袖にされ侮辱を受けた岩⻑姫は、闇落ちして⼤蛇に。⼤蛇となって美しき⼥性を喰らい尽くす様⼦を、⽯⾒神楽と岩⻑姫の“⼤蛇タンゴ”で表現します。そして舞台は、⽯⾒神楽のスサノオと尾上右近演じるスサノオが相対し、神とは如何に、⼈とは如何にと問う、“⼆⼈スサノオ”の場⾯へ。
スサノオが⼤蛇の⾸を斬り、岩⻑姫の闇が断たれた時、世に起きる変化とは――。
神話を題材に想像⼒豊かに和魂を寿ぎ荒魂を鎮める芸能の神髄をご覧に⼊れます。

【サイン入りチェキプレゼント】
<応募方法>
(1)ランランエンタメの公式X(https://x.com/ranranentame) をフォローする
 (2)【前編、後編】の両方の記事を、リツートする。
 (3)ダイレクトメッセージから「『八雲立つ』尾上右近さん&佐藤流司さん希望」と書き、申し込む。
<応募締切>
2025年12月31日 23時59分
<当選発表>
締切後、厳正なる抽選の上、当選者を決定。ご当選者様には、ランランエンタメ公式アカウントよりダイレクトメッセージにて当選連絡をいたします。2日以内にご返信がない場合は当選の権利が移ります。
当選者発表までに少々お時間を頂戴いたします。ご了承ください。
<ご応募について>
※リツイートは、公式リツイートに限定させていただきます。
※X(旧Twitter)アカウントを非公開にしている場合、リツイートを確認することができないため応募対象外となります。
※ご応募後のキャンセル、変更、返品、お届先の変更はできかねますので、ご了承ください。
※当選結果に関するお問い合せは受け付けておりませんので、ご了承ください。
<商品発送について>
※商品の配送は日本国内のみとさせていただきます。お届け日は、指定できません。
※当選者の長期不在や、賞品お届け先ご住所や転居先が不明等の理由により、賞品のお届けができない場合は、ご当選を無効とさせていただく場合がありますので、予めご了承ください。
<注意事項>
※プレゼントの応募によりお預かりした個人情報は商品の発送にのみ使用いたします。
※ご当選の権利は第三者への譲渡や現金とのお引き換えはできません。
※ご応募いただいた時点で、本応募要項に同意いただいたものとみなします。

☆尾上右近
スタイリスト:三島和也(Tatanca)
ヘアメイク:Storm(Linx)
☆佐藤流司
スタイリスト:吉田ナオキ
ヘアメイク:有藤萌

取材 文:嶋田真己  撮影:間野真由美