【前編】橋本愛インタビュー 「食をともにするのは二人を繋いでること」 FODオリジナルドラマ『にこたま』

FODオリジナルドラマ『にこたま』で主演を務める橋本愛さん。もともと、原作の渡辺ペコさん作品が大好きだったという橋本さんに、主人公・浅尾温子(あっちゃん)を演じるうえでの大事にしたこと、この作品の大事な要素となる「食」に対する思いなど、たっぷりと語っていただいた。作品が持つ魅力とそこへの共感性。橋本さんが感じ取る「今」が垣間見えてくる。
――FODドラマ『にこたま』へのご出演が決まったときの思い、感想からお聞かせいただければと思います。
そもそも渡辺ペコ先生の漫画が大好きなので、本当に嬉しかったです。この『にこたま』も原作は読んでいたんですけど、ここには、女性が自分で選択して決断して自立して生きていく姿が描かれていて、それがすごく好きでしたし、感情的になるよりも、すごく理性的に思考を練って、考え抜いて生きていくというその姿がとてもかっこ良いなぁと思ったんですよね。少し自分にも重なるところがあって、共鳴するような感覚もありました。

――渡辺ペコさんの作品が持つ魅力というのはどんなところに感じられますか?
うまく言語化できるか、とても難しいんですけど、ペコ先生の作品には、まだ誰も拾ってないような、でも確かに感じたことのある感情だったり、思考というのを拾って、それを開いて広げてくれるというような感覚があるんですね。そこがすごく魅力的だなと思います。
あと、やっぱりすごく丁寧だなと思いますね。一つ一つの心情を言葉にしていくことに対してすごく誠実だなというのを感じます。それでいて、シリアスなテーマを扱いながらも、絵のタッチであったりとか、漫画ならではの表現は、すごくユーモアが溢れていて、ポップでチャーミングで読んでいて楽しいんですよね。それがキャラクターの魅力にもなっていて、唯一無二の、すごく素敵で、大好きな作家さんです。
――大好きな原作作品に出演するというのは嬉しさもあるとは思うのですが、好きだからこそ、どうしよう、みたいな感覚は…。
今回に関していうと、もう「嬉しい!」ばかりでした。
漫画原作の作品の場合は、シーンの前にそのページを読み返して、どういう顔してたのかな?とか、どういうトーンだったんだろうな?とか、確認して撮影に臨むんです。ただ、そればかりになると縛られてしまうし、固まってしまうので、現場で起こることも大事にしながらやらないと、と両面を意識しながら撮影するようにしてるんですけど、今回に関しては、自分より(この原作を)好きな人いないだろう、ぐらいの愛情を持って演じることができたかな、と思います。

――演じる浅尾温子(あっちゃん)は、ご自身と重なるところもあるとおっしゃられましたけど、それはどういった部分になりますか?
例えば家庭や結婚、子どもに対してあまり現実味を帯びて考えられなかったりとか。あとはそこに対してそれほど切望していないところだったりとか、私も今けっこうぼんやりしている部分なので、近いかなと思います。何かそこに特に期待だったり、夢を持ってないところとかは、自分の中にあるなって思うんですよね。あとは、世間を見渡して抱く違和感だったりとか…。けっこう重なる部分はありますね。
――あっちゃんが持つ思いは多くの方が共感するところかもしれませんね。
そうですね。あとはやっぱり自立するというのは難しいことだけど、でもそれを手放したら、壊れちゃうと思ってるから、懸命に生きようとする姿勢みたいなところは、重なるかなと思ってます。
――あっちゃんを演じる上でここを大事にしたいな、と思われた部分は?
たくさんあるんですけど、一つはあっちゃんってわりと自由に楽しんでいるシーンも多かったんですけど、その中でどこかで本当には楽しめてない感じというのがにじんでいて、本当に心から笑ってるのって、晃平(瀬戸康史さん)の前だけなんじゃないかなっていうのも思うんですよね。素直に自分らしくいられる唯一の存在が晃平なのかな、って。そういう部分は意識した…というか、自然とそうなってた気がします。
――そして、その晃平に対しては心が大きく揺らぎますね
そうですね。信頼が揺らぐというか、地面が丸ごと揺らいでしまうっていうような恐怖に直面したのかなと思うし、でもそんな中でも、感情的にひどく落ち込んだり、泣いたり怒ったりするんじゃなくて、とことん考えるのがあっちゃんかな、って。常にずっと何かを考えているという、そういう人なのかなというのは演じてて思いました。常に頭の中に言葉が流れてる感覚というか…。そんな面が届けられればいいかなと思っています。

FODオリジナルドラマ『にこたま』(全8話)
FOD・Prime Videoで毎週金曜20時、最新話配信中!
出演:橋本愛 瀬戸康史/比嘉愛未 ほか
公式サイト https://www.fujitv.co.jp/drama_nikotama/