
蓬莱竜太作、和田琢磨、赤澤燈らが出演する舞台『回転する夜』が、2026年8月14日(金)から上演される。本作は、2007年4月にモダンスイマーズにて初演された、蓬莱によるオリジナル戯曲。2016年には「PONKOTSU-BARON project第2弾」として赤澤、西島顕人、味方良介らによって上演され、大きな話題を呼んだ。今回は、古谷大和の演出により、和田、赤澤、星野勇太、横田龍儀、京典和玖、立道梨緒奈という気鋭のキャストによって上演される。和田と赤澤に本作への意気込みや蓬莱作品の魅力、久々の共演についてなど聞いた。

――ご出演が決まったときのお気持ちを聞かせてください。
和田:蓬莱さんとは一度、別の作品でご一緒して、それからは時々一緒に食事をさせていただいているんですよ。それで、ちょうど蓬莱さんと一緒にお酒を飲んでいるときに、マネージャーから電話があって、このお話の連絡が来て、これも縁だなと思いました。蓬莱さんの作品にまた出演したいとずっと思っていたので。蓬莱さんにその場で「『回転する夜』のお話が来ました」と伝えたら、「えっ、本当⁉」と(笑)。そんなところから始まりました。蓬莱さんの作品は、何作か観に行かせていただいていますが、彼の作品に登場する人物は、愚かなところがある人間が多いんですよ。どこか欠落している人たちが、針の穴くらい小さな希望や夢に向かってもがいている様がすごく素敵に描かれています。『回転する夜』もノボルがまさにそうした役柄です。欠落しているところもあるけれど、作品が終わるころには一つ成長しているというところが魅力だなと思いながら今、稽古に臨んでいます。
――赤澤さんは2016年の公演にご出演されているので、2度目の『回転する夜』になりますね。
赤澤:そうですね。そのときも同じ役を演じさせていただきました。でも、10年前は、最初は別の役を演じる予定だったのが、途中でノボル役をやることになったんです。そうしたこともあったので、また同じ作品で同じ役を演じられるというのは感慨深いですし、役者としてはチャレンジでもあります。この作品は、自分が演劇やお芝居に取り組む姿勢を培った作品でもあるんです。当時は苦しみもがきながら、舞台に立った作品なので、もう一回、新たな共演者の皆さんを迎えて立ち向かえるというのはとてもありがたいことだと思っています。

――先ほど、和田さんからもお話がありましたが、今、お稽古をしていてこの作品の魅力をどういったところに感じていますか?
和田:重複してしまいますが、社会になじめないノボルが、何か小さいものを生み出そうとする姿が描かれています。それは、周りからみれば小さいことなのかもしれないけれど、本人にしたらものすごく大きなことで。観ている方は、そうしたノボルの姿を見て、自分と重ねられるところがあるのではないかと思います。自分にも当てはまると思わせてくれる、すごく身近に感じられる脚本が魅力だと思います。
赤澤:確かに。『回転する夜』というタイトルの通り、ループしているように描かれているのですが、その周りにいるごく普通の人々に僕はめちゃくちゃ感情移入できるんですよ。僕は、人のせいにしたり、自分に都合よく捉えたりするタイプなので。
和田:そうですね。そこ、太字で書いてください(笑)。
赤澤:そうですね、って言わないで(笑)。そういった意味では、めちゃくちゃノボルに感情移入できます。でも、きっとみんなも生きていたら似たようなところはあると思います。
和田:名前も似ているよね。
赤澤:確かに!
和田:トモルって言いたくなる(笑)。この作品は、蓬莱さんが、タミフルを飲んだときに、繰り返し見た夢を元にして書いたものだと聞きました。当時、お住まいになっていた石川県とご自身の体験のお話なので、すごく日常的なところがあるのだと思います。

――そうした経緯で書かれたものなんですね。役柄についてはどのように捉えていますか?
赤澤:僕たちは、兄弟役を演じます。
和田:実際の年齢も僕の方が少し上だし、昔から勝手に似ているなと思っていたんですよ。一緒にいるのが楽なんです。無言でいても平気な、数少ない友人の1人です。なので、今回、兄弟役でも、全然違和感がないし、特別なコミュニケーションを取る必要もない(笑)。
赤澤:本当にそうだよね。全く同じことを思ってた。僕は、一人っ子なので兄弟の感覚があまり分からないのですが、「身近なお兄ちゃんっぽい役者は?」と聞かれたら、たっくん(和田)の名前を挙げます。それくらい、違和感なく役に入り込めます。役の関係的にはこじれていますが(笑)、それもまた楽しみの一つです。
――どんなところが似ているのですか?
和田:人との距離感や関係の作り方かな。
赤澤:あと血液型。
和田:血液型も一緒です。あと、何となく分かるんですよね。「あっ、これ今、燈は嫌そうだな」とか、「これは素だろうな」とか。
赤澤:あははは(笑)。確かに。それはお互いにそうです。
――赤澤さんは約10年ぶりに同じ役柄を演じるにあたって、どんなところを意識されていますか?
赤澤:今回は方言指導の方が入ってくださっているので、細かなところまで表現していく意識はあります。それから、10年前は20代中盤で人生で分からないこともたくさんあったので、この10年間で経験したからこそできることもあると思っています。

――方言で話すのは大変ですよね。
和田:大変ですね。僕は東北出身なので、東北弁で話している作品を観ると、やっぱり違和感を覚えることもあって。
赤澤:それはそうだよね。
和田:同じように、今回、もし石川の方が観られたときに、絶対に違和感はあると思うんです。なので、それを凌駕する説得力や生々しさを大事にしたいと思っています。
――ここまでインタビューをしてきても、とても仲が良いことが窺えるお二人ですが、お互いに俳優としてはどんなところに魅力を感じていますか?
赤澤:たっくんは、自分に納得しないとやらないような感じがする。
和田:あはは、わがままだな(笑)。
赤澤:悪い意味ではなくて。演劇では、無理をしなくてはいけない瞬間がどうしてもあると思うんです。僕は、比較的、無理もできるタイプです。でも、たっくんは、お芝居に嘘をつかない。だからこそ、信頼できますし、そうしたところが魅力だなと思います。あとは、大人の色気もある。
和田:嬉しいです。燈とは何度か共演していますが、自分から影響を与えられるし、相手の影響も受けられる人だなと思っています。僕はどちらかというと、影響を受ける方が好きなんですよ。燈もきっと同じタイプで、受ける方が得意だと思うんです。
赤澤:さすが。理解してくれている。
和田:でも、場数もたくさん踏んできて、影響を与えなくてはいけない立場にもなっているから、それぞれの座組やその場面で、自分が何を求められているのかを理解しているんだと思います。

舞台『回転する夜』
https://kaitensuruyoru-stage.com/

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