天才ピアニスト兄弟、オランダ出身のルーカス・ユッセン(兄)&アルトゥール・ユッセン(弟)。世界的ピアニスト、ピリスの秘蔵っ子と称され、その端正なルックスでも人気を博す彼らが、2013年5月、遂に日本デビューする。今回初来日し、オランダ大使公邸でプロモーションコンサートを開催。多くの取材陣の称賛をあびた翌日、RanRanEntertainment(ランランエンタメ)のインタビューに快く応じてくれた。photo:Yasuhiko Akiyama
Q:昨日は短い時間でしたがとてもステキな演奏でした。初めて日本で演奏した感想はいかがですか?緊張しましたか?
アルトゥール:人前でピアノを弾くのは大好きなので、全然緊張することもなかったです。ステキなところで、ステキなお庭もあって、素敵な人たちを前にして楽しかったです。
ルーカス:でも、100人以上のジャーナリストがずらーっと並んでいるので、雰囲気はちょっと違いましたけれどね(笑)。
Q:今回が初来日ですが、何か美味しい日本食は召し上がりましたか?
アルトゥール:昨日、銀座でお寿司をいただきました。すごく美味しかったです。オランダでもお寿司はありますが、こんなに美味しいものではありません。出会った日本の人々が、皆さんステキな人ばかりでした。
ルーカス:特にトロが美味しかったです。
アルトゥール:僕はサーモンがとっても美味しかったです。Q:いよいよ5月に日本デビューされますが、今のお気持ちは?
アルトゥール:僕たちは、人前で演奏するのが大好きです。それが日本であろうとオランダであろうと場所は関係ないです。でも、今回は日本の素晴しいホール、日本の素晴しいピアノで演奏ができることを本当に幸せに思います。僕たちが演奏したピアノを聴いた人たちが楽しんで幸せになってくれたら究極に嬉しいです。
Q:来日するまで、日本にどのようなイメージを持っていましたか?
アルトゥール:最初に頭に浮かんでくるのは、ラッシュアワー時の電車の中に人を押し込む人たちです(笑)。日本人に対しては、とにかく勤勉で、緻密に行動する人たちという印象がありますね。今回も、分単位でスケジュールが出てきたのでビックリしました。しかも、それがその通りに動いているので凄いなぁと思いました。
ルーカス:震災のことを考えると、“強い国”だと思います。大きな被害を受けながらも強く生きている人々。オランダのテレビで、東日本大震災のインタビューを観た時、ある男性が兄弟と子供2人を亡くされていました。その方は、泣き崩れているというよりも、“自分たちはこの国をもう一度立て直すんだ”という強い意思を持たれていました。たぶんヨーロッパや他の国で同じようなことが起こったら、自分たちのことを悲観するばかりだと思います。自分のことを悲しむよりも、そこから立ち直ろうとする姿、秘めたる真の強さというものを感じ、本当に感動しました。Q:とても仲がいいご兄弟ですが、ケンカすることはありますか?
アルトゥール:もちろん兄弟なので、ケンカの一つや二つはありますよ。でも、大きなケンカで何日も口をきかないほどのケンカはないですね。
ルーカス:そうだね。ちょっと意見が合わなかったりすると、ふくれっ面になる程度ですね(笑)。
Q:では、練習するときの順番でケンカになることもなかったですか?
アルトゥール:今では別々のピアノが2台あり、同時に練習できるのでそういう問題はないです。昔は1台しかなかったので、兄が先で弟が次に練習するというのが習慣になっていました。どちらかが練習しているときは、学校の宿題をやっているので効率よく過ごしていましたね。Q:今、ルーカスさんはアメリカに住んでいらっしゃるとか?
ルーカス:はい、そうです。僕はアメリカの大学に通っています。でも、コンサートが2週間おきくらいに行われるので、頻繁にオランダに帰っています。ですから兄弟が一緒に過ごしている時間はけっこう長いです。忙しいけど、楽しいですよ!Q:音楽以外で楽しんでいることはありますか?
アルトゥール:二人ともスポーツが大好きで、サッカー、テニス、スキーをよくします。サッカーは、今は友達とたまに楽しむ程度ですが、昔はクラブに入っていました。テニスは今でも二人でやります。冬はスキーですね。
Q:お二人ともアクティブなんですね。オランダのサッカーは強いですよね。
アルトゥール:日本にもいい選手がいますよね。香川、本田。彼らはオランダで活躍していましたからよく知っています。本田は、今はモスクワのチームですよね。そうだ、遠藤もいる!
記者:本当によく知っていらっしゃいますね・・・。
ルーカス:日本もかなり強くなっていますよ。確か、2010年のワールドカップの試合の時、1:0でやっとオランダが勝ったことがあったね。Q:これまで多くの舞台に立っているお二人ですが、特に印象に残っているステージはありますか?
アルトゥール:すべてのコンサートが自分たちにとってエキサイティングなもの。これまでのコンサートは全部覚えています。小さなホールで演奏するのも感動的ですし、今度5月に日本で演奏する、その経験は絶対に忘れることはないと思います。昨年の中国の演奏もよく覚えていいます。ですから、今のところどれが一番印象強いということはないですね。
Q:かつてお二人が憧れていたピアニストがいたように、現在、あなた方を目標にしているチビッコのピアニストさんたちもいます。その子たちに上手になる秘訣を教えてあげてください。
アルトゥール:自分たちもまだ若いので、もっと成長してもっといい音楽家にならなくてはいけないので、人にアドバイスできる立場ではないのですが・・・、一つ言えることは、“楽しむこと”ですね。自分がやりたくないと思ったらやめたほうがいいですよ(笑)。全てのことに共通して言えることだ思いますが、好きなことだったらやっていて楽ですから。楽しむことが重要。好きであれば、その後のことは全部付いてきます。楽しいと思えば、自ら努力しますし、結果もついてくるんです。Q:世界で活躍する多くのピアニストの中で、自分たちだけの魅力とは?
アルトゥール:難しい質問ですね。音楽を言葉で語るということは不可能に近いくらい難しいです。確かに聴きくらべれば他の人とは違うということはあります。ただ、自分たちのことになると、客観的にそれを(言葉で)表すのは上手にできませんね。兄弟でデュオをするピアニストも他にもいますからね。
ルーカス:そうですね。違うところといえば、僕たちが金髪だということかな(笑)。
ルーカス:人間というのは、一人一人違います。そして、誰かと全く同じになりたいと思ってもなることはできないんです。大勢の有名な方たちが同じ曲をレコーディングしているのに、どうしてまだレコーディングするのかと問われることがあります。ある程度のレベルと自分なりの考えは不可欠ですが、違う人が演奏すれば必ず違う解釈になることは当たり前のことなので、レコーティングをする意味はあると思います。例えば、ピリスやリヒテル、ラン・ラン、ソコロフのような素晴しい録音を聴いたとしても、同じものにはならない。ですから、僕たちのレコーティングもこれからも続くと思います。Q:日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。
アルトゥール:ぜひ、コンサートに来て下さい。私たちも皆さまが楽しめるように頑張りますので、みんながハッピーな夜を過ごせたらいいと思います。そしてまた日本に来たいです。
ルーカス:どんなメッセージでもOK?
記者:もちろん!
ルーカス:次のサッカーのワールドカップでは、日本とオランダが両方ファイナルまで勝ち進んで、対戦しましょう。
アルトゥール、ルーカス:ありがとう!(日本語で)
ピアニストとしての真摯な姿勢や情熱はもちろんのこと、音楽というものが彼らの身体の一部であるというくらい自然なものという感覚を感じた。アルトゥールとルーカスは、気さくに、そして一つ一つの質問に誠実に答えてくれた。しかし、大好きなサッカーの話になると話が止まらない(笑)。前日の王子様のようなルックスとは違った、19歳と16歳の兄弟の等身大の彼らを感じる一コマだった。
若々しく感性豊かな彼らの演奏をぜひ聴いてほしい!
アルトゥール・ユッセン&ルーカス・ユッセン ピアノ・リサイタル
5月5日(日)13時30分 浜離宮朝日ホール
[プログラム]
シューベルト|即興曲第2番作品90 (アルトゥール)
シューベルト|即興曲第3番作品90 (アルトゥール)
シューベルト|即興曲第3番作品142(ルーカス)
シューベルト|幻想曲 ヘ短調 D940 作品103(アルトゥール&ルーカス)
ラヴェル|プレリュード(アルトゥール)
ラヴェル|水の戯れ(アルトゥール)
ラヴェル|ソナチネ(ルーカス)
ラヴェル|マ・メール・ロワ(アルトゥール&ルーカス)
全席指定:5,000円、
当日学生券2,500円(*枚数限定・学生証をご持参ください)
前売ペア・シート9,000円
前売親子ペア・シート6,500円
*ペア・シートはユーラシック03-3481-8788のみ取り扱い
*親子ペア・シートについて:子供は高校生まで、子供追加の場合1名につき2,000円加算、大人追加の場合は1名につき4,500円加算されます。
ご予約・お問合せ:ユーラシック03-3481-8788
その他のコンサート予定
5月6日(月)広島:三原市芸術センター ポポロ
5月9日(木)横浜:フィリアホール
5月11日(土)埼玉:所沢市民文化センター ミューズ アークホール
[プレイガイド]
朝日ホールチケットセンター 03-3267-9990
チケットぴあ 0572-02-9999
e+(イープラス)
東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650
主催:ユーラシック、朝日新聞社
後援:オランダ王国大使館
協力:ユニバーサル ミュージック
【サインプレゼント】
ルーカス・ユッセン&アルトゥール・ユッセン兄弟のサインを3名様にプレゼントいたします。
1、お名前
2、年代
3、連絡先
4、今、興味があるもの
5、好きなアーティスト
6、ご意見、ご希望 (どんなことでも書いてくださいね)
締切 4月27日23時59分