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2019年10月18日 16:45

【前編】北翔海莉インタビュー 音楽劇『ハムレット』と舞台『海の上のピアニスト』、タイプの違う作品で見せる2つの顔

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

元宝塚歌劇団男役トップスターで、退団後も多くの舞台に出演し、人々を魅了し続けている北翔海莉。10月~11月にかけては、全くタイプの違う2つの舞台に出演する。音楽劇『ハムレット』ではハムレットの母・ガートルード役、舞台『海の上のピアニスト』では男性・ノヴェンチェント役としてステージに立つ北翔に、それぞれの作品の見どころ、公演への思いを聞いた。

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――今回、2つの舞台にご出演されるということで、それぞれについての思いをお聞かせください! まずは、10月22日(火祝)から上演される音楽劇『ハムレット』についてですが、ご出演が決まった時のお気持ちは?

シェイクスピアの作品は宝塚歌劇団に在籍していた当時にも1度出演したことがありましたが、こうしてまた出演ができ感慨深い思いです。やはり、シェイクスピア作品には、「やっとやれるようになった」という喜びもあります。それから、『ハムレット』ではガートルードを演じてみたいという気持ちが以前からあったので、夢が叶ったことも嬉しかったです。

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――(取材時は)お稽古はまだこれからとお伺いしていますが、今現在、ガートルード役をどのように演じようとお考えですか?

ガートルードについては、賛否両論があると思いますが、今回、どう表現するのかは台本と(演出の)藤間(勘十郎)先生がどのように描くかによって変わってくると思います。本当の悪女なのか、それとも全く何も知らなかったからこそ、こうなってしまったのか…。それはお稽古が始まらないと私自身も分かりませんが、お稽古を通して藤間先生と話し合いながら考えていきたいと思います。

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――今回、初めての母親役ということですが。

そうなんです、お父さん役は演じたことがあるんですが、実はお母さん役は初めてなんです。こんなにイケメン(なハムレット役のキム・ヨンソク)を産んだ覚えはないですが (笑)。でも、女だろうが男だろうが、親だろうが子どもだろうが、そこを演じる上で意識したことはないんです。その人の生き様を表現しようと思って演じているので、母親役だからどうだということはありません。むしろ、ガートルードという女性がどう生きたかを表現して、オフィーリアとは違う生き様をお見せできたらいいなと思っています。

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――演出の藤間さんとはこれまでにも何度もご一緒にお仕事をされていますね。

今年だけでも6作品ご一緒しています。自分が今までチャレンジしたことがないジャンルのものを、先生のもとでたくさんご指導いただいて、どんどん育てていただいていると感じています。ありがたいご縁だなと思っています。

――藤間さんはどのような演出をされる方なのでしょうか?

先生は作曲もされますし、振り付けもされますし、もちろん演出もされる、たくさんの才能をお持ちの方です。そして、役者としても、さりげない女形も男の部分も明確に表現される素晴らしい方なんです。役者が行き詰まって表現できない部分を、導いて表現してくださるので、すごい演出家の先生だと思います。

――本作は、藤間さんにとっては初の西洋劇ですが、それについてはどんなことを思いますか?

今回この作品のお話をお伺いした時に、あの藤間先生が和物ではなく洋物の作品を、着物も着ず、三味線も流さずチャレンジすると伺ったので、これは面白いものになるだろうなと思ったんです。ですから、一つ返事でお引き受けしました。私自身もすごく楽しみにしています。

091s

――ハムレット役のキム・ヨンソクさんの印象は?

実はまだお会いできていないので、わからないですが、今回は、ヨンソクさんに限らず、ジャンルの違う方々が集まっていますし、何よりも藤間先生からして違うジャンルの作品を演出するのですから、すごく面白いものになると思います。

――では改めて、『ハムレット』の舞台への思いをお聞かせください。

新しいシェイクスピアの表現、音楽劇になると思います。今回ガートルードのソロ曲もあると聞いていますし、どうなるのか私自身もまだ想像がつかないのですが、新しい音楽劇を観に行くという思いで劇場にお越しいただけたら嬉しいなと思います。長い間、北翔海莉を応援してくださっているファンの方々は、新しいジャンルへの挑戦、初めての母親役という今まで見たことがない私を観られると思いますので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。

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後編に続く

音楽劇『ハムレット』
公演期間:10月22日(火祝)~25日(金) 天空博劇場(北千住)
作:ウィリアム・シェイクスピア 演出:藤間勘十郎 上演台本:戸部和久 音楽:橋本賢悟
出演:KIM YONGSEOK(CROSS GENE)、大橋典之、栗原沙也加、野島直人、根本正勝、ルー大柴/北翔海莉

舞台『海の上のピアニスト』
企画・製作:(トルツメ)アーティストジャパン
≪京都公演≫
日時: 11月2日(土)
会場:京都芸術劇場 春秋座(京都造形芸術大学)
出演:北翔海莉、大井 健・中村匡宏(鍵盤男子)
主催:京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター 後援:京都新聞
≪博多公演≫
日時:11月5日(火)、6日(水)
会場:電気ビルみらいホール
出演:北翔海莉、大井 健・中村匡宏(鍵盤男子)
≪東京公演≫
日時:11月13日(水)~15日(金)
会場:天空劇場
出演:北翔海莉、喜多村緑郎、大井 健(ピアノ)

 

 

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