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2021年2月27日 12:00

朝夏まなと×矢田悠祐×内海啓貴 ミュージカル『BARNUM』インタビュー!「本当のサーカスを見に来たときのようなハッピーな気持ちをお届けできたら」

取材:記事/RanRanEntertainment 写真/オフィシャル


19世紀半ばのアメリカで大きな成功を収めた興行師、P.T.バーナムの半生を描いたブロードウェイ・オリジナルミュージカル『BARNUM』が3月6日(土)から開幕する。

ブロードウェイのみならず、ロンドンでも上演されて人気を博した本作は、今回が日本初上演。伝統的なミュージカル劇場の雰囲気に、サーカスの光景が重なるゴージャスな作品で、華やかなダンスや歌唱シーンが見どころとなっている。今回は、バーナムの妻、チャイリー・バーナム役の朝夏まなと、トム・サム役とリングマスター役などを務める矢田悠祐、エイモス・スカダー役を原嘉孝とWキャストで務める内海啓貴に本作の魅力やそれぞれの見どころを聞いた。

 

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朝夏まなと


――加藤和樹さんが演じるP.T.バーナムの半生が描かれる本作ですが、最初に台本を読まれたときは、どのような感想を持ちましたか?

朝夏:台本を読んだ段階では、まず最初に、これを舞台上でどうやって表現するんだろうという疑問が浮かびました。抽象的な表現も多かったので、想像が追いついてなかったんです。それから、私が演じるチャイリーは、主人公を支えていく役なので、感情的にリアルに演じたいと思いました。

内海:僕は、シーンごとに色が全く違うステージになるのかなと最初に思いました。場面ごとに展開が違ったので、それをどう演出するのか楽しみでしたね。それから、今回、僕は3役演じるのですが、複数の役を演じるのは初めての経験なので、それぞれの役の感情やキャラクターを使い分けて演じるということも楽しみでした。

矢田:僕が演じるトム・サムは、世界一小さい男という設定なんです。ですが、僕、171cmというめちゃめちゃ平均身長なんですよ(笑)。なので、どうするんだろうって。台本のト書きでは、周りが大きくなって、結果的に自分が小さく見えるという説明が書いてあったんですが、そう書いてあってもどうなるのかという疑問もあり、それが楽しみでもありまた。

――(取材当時)絶賛お稽古中ということですので、最初に台本を読んだときに感じた疑問もだいぶクリアーになってきたのではないですか? 現在、お稽古をしていて、感じていることを教えてください!

内海:今回、新型コロナウイルスの感染症対策という面もあって、サーカスシーンは映像で表現している部分も多いので、それを見て「こうだったのか」と思う場面もあります。もちろん、映像だけでなく、シーンの切り替わりではサーカス団が登場して、ジャグリングなどを披露する場面もあるので、すごく面白い作品になっていると思います。

矢田:稽古に入って、客観的にそれぞれのシーンができあがっていくのを見て、まるで携帯のカメラロールを見ているような、アルバムをめくっているような作品だと感じました。この作品は、バーナムの人生の大部分を短い時間でお見せするので、シーンごとにパッパッと切り替わっていく感覚があるんです。その一つひとつのシーンにドラマがあって、それがすてきに並べてあるという感覚がありました。

朝夏:私も矢田ちゃんが言ったように、この作品は「バーナムの半生」というひとつのショーのような感覚があります。ナンバーも多いですし、見応えがあると思います。台本に書かれていないものを(演出の)荻田(浩一)さんがプラスアルファしてくださっている場面もたくさんあるので、目が足りないんじゃないかな。ファンタジーでもあり、リアリティもある空間が広がっていて、すごく面白い作品になると思います。

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矢田悠祐


――見どころいっぱいの公演になりそうですね。では、今、お稽古をしていて苦労されていることや、一番力を注いでいる部分はどういったところですか?

内海:エームスのソロ曲が、とにかくテンポが速いので、噛まないように練習しているところなのですが、それに動きがついたら分からなくなってしまうんです(苦笑)。今、(Wキャストの)原くんと一緒に猛練習しているところなので、きっと新しい内海啓貴をお見せできるのではないかなと思っています。

矢田:僕は、今回、3役を演じることになったので、続けて出るシーンがあります。特に、リングマスターはストーリーテラーなので、シーンの移り変わりの場面に出ることになります。なので、他の役で出ていたすぐ後にリングマスターとして出てくるわけです。観ている人が混乱してしまうのではないかなと思うので、大げさなくらい切り替えないといけないなと思ってます。今、自分なりにどう演じたらいいか探っていて、少し見えてきたところです。

内海:そうですよね、やっぱりリングマスターはシーンごとに現れるので、そこは大事ですよね。

矢田:なんか啓貴にインタビュー受けてるみたいになってるけど(笑)?

内海:あはは(笑)。じゃあ、次、朝夏さんお願いします!

朝夏:特に苦労はしてないかな。楽しんで演じています。ただ、チャイリーの心情を繊細に演じすぎると重くなってしまうので、重く見えないようにバランスを探っている状況です。チャイリーはバーナムとのシーンが多いので、バーナムを演じる和樹くんの出方を探りながら作っていきたいと思います。あとは、芝居の流れをいかに壊さずに、コイントスをするか…ですね(笑)。

内海:いつもコイントスの練習されてますね。

矢田:練習しすぎて手が真っ赤になるくらいやってましたよね(笑)。

朝夏:みんながジャグリングの練習をし始めると、私はコインを持って、その中に入ってコイントスの練習してます(笑)。

内海:今、成功確率どれぐらいなんですか。

朝夏:いや~、上がらないな、確率。コイントスが一番苦労しているかもしれないですね(笑)。

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内海啓貴


――この作品で描かれているバーナムの生き方については、皆さんご自身はどのようにお感じですか?

内海:客観的に見ると、すごく“芸能人”っぽい人だなと思います。チャイリーとの結婚も、まるで芸能人と一般女性が結婚したような…そんな生活に思えます。バーナムは格好いいですよね。考えついたことを活力にして、すぐに行動するというのは、大人になればなるほど難しいと思うのですが、バーナムは年齢を重ねるほど、それができる。そういった男らしい面が後半は特に、際立って見えてくると思います。

矢田:バーナムのように、自分の好きなことだけで生きていく決断をするのは、すごく勇気がいることだと思います。もちろん、好きなことだけをやって生活できたら、それが本当は一番良いことですが、家族がいたり、生活をしなければならないという状況を考えたら、それでも自分は夢を追っていくとはなかなか言えない。それができるバーナムは憧れでもあります。僕自身、いくつになっても夢を追って生きるというのは理想的だと思うので、羨ましいですし、そういう生き方を自分もできたらいいなと思います。

朝夏:私は役として一番近くでバーナムを見ていますが、個人的には共感できる部分が多い人物です。バーナムは、これと決めたら絶対に諦めない人なんです。周りから無理だろうと思われていても実現していく気力がある。私たちも、舞台を作るということに関しては、絶対に諦めずにいいものを作りたいと思っているので、その諦めない気持ちは共通していると思います。

内海:台本を読んだときのバーナムと、和樹さんが稽古場に入って演じたバーナムには、違いを感じましたか?

矢田:なんで、啓貴が質問してるんだよ(笑)!

内海:聞いてみたいなと思って、質問しました(笑)。

朝夏:(笑)。やっぱりリアリティがありますよね、和樹くんが演じると。台本を読んだときは、ひどい男だなと思ったんですよ。こんな男の人のこと好きになれないと思っていたんですが、和樹くん自身も共感する部分があるのか、キラキラした目で(セリフを)語りかけてくれるので、(チャイリーとしてバーナムを)支えようと思えます。今、マスクをして稽古をしているので、目しか見えないのですが、その目だけでも感情全てが見える気がします。

――では、それぞれの役柄の見どころを教えていただけますか?

内海:先ほど矢田ちゃんが言っていた通り、展開が早いので、出番的にもシャープな部分があります。なので、出たときに強いインパクトを与え、自分のキャラを覚えていただけるように強く押し出していけたらと思っています。粒が立つような役を3役、演じられたらいいなと思っています。

矢田:トム・サムは、朝夏さんにあざといって言われるんですが(笑)。

朝夏:いや、それは褒め言葉だよ(笑)!

矢田:そう、褒めていただけるんですけれど、そんなところも魅力かな、と。作品としては、お子さんが見ても楽しめて、本当のサーカスを見に来たときのようなハッピーな気持ちをお届けできたらと思います。それから、リングマスターは、ふざけようと思えばどれだけでもふざけられる役柄ですが、コミカルでありながらもストーリーテラーという立場を壊さずに、サーカスを見にきた時のワクワク感をうまく引き出せたらと思っています。

朝夏:私個人としては、バーナムとチャイリーの夫婦愛をきちんとお客さまにお届けしたいと思っています。少し変わった夫婦愛ではありますが、共感していただける部分も多いと思うので、根本にある愛を見ていただきたいなと思います。作品としては、出演者は多くはありませんが、みんなが大活躍する舞台なので、少なさを感じさせないくらい賑やかです。見どころがたくさんある作品ですので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。

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ミュージカル『BARNUM』

脚 本:MARK BRAMBLE
音 楽:CY COLEMAN
歌 詞:MICHAEL STEWART
翻 訳・訳 詞:高橋亜子
演 出:荻田浩一
出 演:加藤和樹 朝夏まなと
    矢田悠祐
    フランク莉奈・綿引さやか(ダブルキャスト)
    原嘉孝・内海啓貴(ダブルキャスト)
    中尾ミエ ほか
特別協力:木下サーカス
企 画:シーエイティプロデュース
主 催・製 作:シーエイティプロデュース エイベックス・エンタテインメント

公式サイト https://musical-barnum.jp/

【東京公演】3月6日(土)~23日 (火) 東京・東京芸術劇場 プレイハウス
【兵庫公演】3月26日(金)~28日 (日) 兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
【神奈川公演】4月2日 (金) 神奈川・相模女子大学グリーンホール
【あらすじ】
バーナムの興行師としての人生は、「ジョイス・ヘス」という女性を【世界最高齢の160歳】として売り出すことから始まる。彼の誇大な広告や作り話によって、見世物の興行は成功をおさめるが、妻のチャイリーは人々をだますような仕事ではなく、社会的に尊敬されるような安定した職に就くことを望んでいた。しかし、見世物こそが自分の世界に彩りを与えてくれるのだと考えているバーナムは、博物館を経営したり、世界で最も小さい男「トム・サム将軍」といった話題性のある見世物を手掛けることによってますます有名になっていく。

 

 

 

 

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