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アダム・クーパー『SINGIN’ IN THE RAIN 〜雨に唄えば〜』インタビュー 1年越しの上演で「さらにエキサイティングで喜びに溢れる作品に」

2021/11/19 12:00

取材:記事/RanRanEntertainment 写真/オフィシャル

アダム・クーパーが主演するミュージカル『SINGIN’ IN THE RAIN 〜雨に唄えば〜』が、1月22日(土)から東急シアターオーブで上演される。本作は、ハリウッド映画がサイレントからトーキーへと進化変貌する時代を描き、ブロードウェイを目指す作家と俳優たちのサクセス・ストーリーと、当時の映画制作現場の舞台裏をコメディタッチで描いた名作ミュージカルの舞台版。2012年に英国ロイヤル・バレエ団の元プリンシパル、アダム・クーパーを主演に迎えてロンドンで上演されると大ヒットを記録すると、日本では、2014年、そして2017年に上演され、大きな話題となった作品だ。今回、待望の3度目の上演で、「アダムの見納め」ともいわれる日本公演について、アダムが思いを語った。

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――本来ならば、2020年に東急シアターオーブでの公演が行われる予定でしたが、新型コロナの影響で延期となり、1年越しの公演となりました。改めて、日本での上演が決定したお気持ちを聞かせてください。


実は、2017年に来日した時には2020年の公演についても話が進んでいたので、延期になったのはすごく悲しかったですし、動揺する出来事でもありました。もちろん、新型コロナが蔓延している状況だったので、公演中止・延期は避けられないとは思っていましたが、それでも希望は持っていたので、実際に中止が決まった時はすごくショックでした。僕は、日本で公演することが、この作品に限らず、どんな作品でもすごく好きです。なので、今回、上演できることが決まったことは、本当に嬉しかったですし、安心しましたし、ワクワクしました。来年の公演が待ち切れないですし、とても楽しみにしています。

――本作は、日本ではこれまで2回、公演を行っていますが、その時の公演で印象に残っている出来事は? また、アダムさんの目には、日本のミュージカルファンはどのように映りましたか?

何かひとつ印象に残っていることを挙げるのは難しいですが、2014年に上演した時のお客さまの反応には、すごく驚きました。それはもちろん、嬉しい驚きです。僕は、それ以前にも日本で他の作品を上演したことがあったのですが、日本のお客さまはすごく礼儀正しく、上演中には声をあげたりしない印象を持っていました。しかし、この作品に対しては、積極的に舞台を楽しんでくださっているのを感じたので、日本のファンの皆さんがそうしているということにすごく驚きましたし、嬉しかったです。なので、この作品を日本で上演するのが僕は大好きなんです。日本のファンの皆さんは、ミュージカルファンだけでなく、他のファンの方でも、素晴らしい方ばかりで、僕のことを長くサポートしてくださっています。僕は、かれこれ30年、さまざまな作品で日本で公演を行っていますが、30年前からファンでいてくださる方もいらっしゃるんです。僕にとっては、ファンというよりも、古くからの友人のような感覚があり、そんな皆さまにお会いできることを、毎回、嬉しく思っています。

――今回はどのような気持ちで稽古を取り組まれていますか?

とにかくエキサイトしています。今回、8月にロンドンで公演したのですが、そのためのリハーサル期間は、すごく長い時間を取ることができました。それほど長いリハーサルができたのは、10年前の初演以来だったので、たくさん、新しいアプローチができたと思います。新しい発見もありましたし、手応えも感じています。一部、振り付けも新しくなっていますし、素晴らしいキャストも集まっています。

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――アダムさん演じるドンが雨の中で歌い踊るシーンは、本作の中でも非常に印象深い場面ですが、そのシーンはどんな思いで踊られているのですか?


踊っている間、いろいろなことを感じています。ドンとキャシーの関係が確固たるものになって、その喜びを爆発させるシーンでもあるので、もちろん、それを意識しながら演じています。それから、水も振り付けの一部ですし、お客さまの反応もナンバーの一部になっているという、僕がこれまで経験したことがないシーンなので、毎公演、楽しみにしています。物理的な話をしてしまえば、水に濡れて衣装が重くなるので、踊るのが大変ではあります(苦笑)。ですが、それ以上に、お客さまと共有できるナンバーなので、心が躍りますし、このナンバーを踊れることは何よりの喜びです。

――水しぶきをうまくあげるコツはあるんですか?

もしかしたら僕の足は水しぶきをあげるのに向いている足かもしれません(笑)。初演の2011年の時には、床の一部が滑りやすく、よく転びましたし、気をつけて踊らないといけなかったのですが、今は改良されて、その時よりもずっと自由に踊れるようになりました。ナンバーの間に、水を動かして、素晴らしい水しぶきを作るような瞬間を探しながらやっています。

 ――アダムさんが本作に携わって10年が経ちましたが、時間の流れとともに役や作品に対する思いに変化はありましたか?

初演時は、お客さまがこの作品をどう捉えるのか全く分かりませんでした。ですが、今、この作品は皆さんから喜ばれていて、こうして続けて上演できている。それは、やはりこのショーに何か特別なものがあるからだと思います。特に、コロナ禍で喜びや希望を皆さんが欲している今、この作品はぴったりだと思います。この作品には、それがあります。この10年間、ファンの方からたくさんの反響をいただき、お手紙をいただくこともありましたが、「この作品から力をもらった」「この作品を見たから日々の生活に活力がもらえた」「嫌な1日だったけど、この作品を見たことでいい日になった」と言ってくださるファンの方がすごく多いんです。それだけ人々が必要としているのかなとも思います。それは、初演時には予想もしていなかった出来事です。

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――ところで、今回の公演で、本作のアダムさんは見納めと聞いていますが、それは事実でしょうか?


本当です。僕は、この作品を10年演じていますが、今後も演じ続けたいし、演じ続けられると思う一方で、他の人に譲り、他の人がこの役をやるべきだとも思っています。それからもちろん、自分も新しい作品に挑戦したいという思いもあります。最近は振付にも力を入れていて、新しい作品の振付も行っています。そうやっていろいろと考えた末に、今が次に進む時じゃないかと思いました。僕のキャリアを決定づけるような、ミュージカル界の中でもすごく大きな役をやり続けられたことは、本当にありがたいことだと思っています。次はまた、日本に新しい作品を持って来られることを楽しみにしています。

――アダムさんの見納めというのは悲しいですが、新しい作品も楽しみです。話は変わりますが、日本ではイギリスのコロナ禍での劇場や舞台業界の情勢は大きく報道されることが少ないのですが、アダムさんはこの2年、イギリスの状況をどのように感じていましたか?

とにかくすごく怖かったです。全てが閉じていて、何もない状況でした。政府はフルタイムで働いている正社員には金銭的援助を行っていて、賃金の8割が補償されていたんですが、演劇業界はフリーランスが多いので、そうなると政府からの援助はほとんどなかったんです。あるひとつのスキームは、演劇業界のフリーランスの一部をカバーしていましたが、それも本当に一部の人だけだったので、ほとんどの演劇業界の人たちが苦しい状況でした。劇場は何度も再開しようとしてできないということを繰り返してきて、今年の6月にやっと再開できたのですが、その時でも、カンパニーの中に1人でも陽性者が出たら閉めなければいけなかった。なので、完走できないカンパニーもたくさんありました。そういう状況が続いていたため、プロデューサーたちは先の計画を全く立てられないでいました。お客さんが戻ってくるのかも分からなかったし、近い将来も遠い将来もどうなるか分からなかった。非常に計画が立てづらかったと思います。ただ、今夏に劇場がフルで再開してからは状況は良くなってきました。お客さんもたくさん戻ってきてくれ、皆さんが劇場に飢えていたことがよく分かりましたし、劇場の重要性にも改めて気付かされました。演劇、ミュージカル、舞台というものは、私たちのメンタルヘルスを保つためにも必要なことだと分かり、ありがたかったです。

[Singin'-in-the-Rain]-photo-by-Manuel-Harlana


――劇場等が閉まっている期間、アダムさんも肉体的にも精神的にも、いい状態をキープするのは大変だったのではないですか?


肉体面では、僕は、過去20年間、自分の体力や肉体の意地を常に維持し続けなければいけなかったので、コロナ禍でも普段と変わらずにトレーニングを続けただけでした。常にトレーニングできる環境も整っているので、逆に、他の仕事がなかったことで肉体の維持に集中できたということもあります。そういう意味では、(肉体面のキープは)僕にとっては難しいことではありませんでした。

精神的なことでは、このパンデミックが明けたら、この作品を上演することが分かっていたので、それがいい動機付けにもなりました。(本作の)ドンという役は、肉体的にも要求の大きい役なので、自分の体をその時(本作を上演する時)に最高の状態にしておかなければならないという思いがあり、集中してできました。コロナはいつかは明けると思っていましたし、この作品を上演できるというのが僕にとってのモチベーションになっていたと思います。

――最後に、日本で本作の公演を楽しみにされているファンの方にメッセージをお願いします。

1月に日本に行くのが待ちきれません。この作品を再び、日本のお客さまにお見せできることをとてもとても楽しみにしています。今回、今までよりもさらにエキサイティングで喜びに溢れる作品になっています。皆さまのお顔をまた見られるのが楽しみですし、この特別な作品を共有できることを楽しみにしています。

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『SINGIN’ IN THE RAIN 〜雨に唄えば〜』は、2022年1月22日(土)~2月13日(日)に東京・東急シアターオーブ、2月18日(金)~21日(月)に大阪・オリックス劇場で上演。

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