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2022年3月10日 18:00

【後編】井上小百合インタビュー!井上芳雄出演・舞台『奇蹟 miracle one-way ticket』森にいる謎の女性役に挑戦!

取材:記事/RanRanEntertainment・写真/オフィシャル

――お稽古場はどんな感じでしょうか?

皆さん、それぞれ自分のプランを持ち寄って、やってみて、ワークショップみたいな感じです。その場でまずやってみて、ここはこうかな?という感じで答え合わせをしていく、ルービックキューブをやっていく感じで、とても楽しいです。普段私がやってきた感覚とはまったく違って、めちゃくちゃキャッチボールをしています。鈴木浩介さんがおっしゃっていたのですが、役者さん同士のキャッチボールがしっかりしていないと成り立たない作品です。相手のことをすごく考える時間が多くて、それも面白いです。

――お稽古場の一致団結のムードが伝わってきます。ご自身の意見も積極的におっしゃっているのでしょうか?

「私はこういう風に思って演じてみました」と言いますし、わからないことは「すみません。わからないんですけど」と聞くタイプです。わからないことは「わからない」とはっきりと言うことの大切さはこれまでも学んできました。今回のカンパニーは、皆さんがすごく支えてくださって、「こうじゃないかな?」「こういう風にやったらいいんじゃないかな」と、どんどん意見をくださるので有難いです。寺十さん、キャストの皆さんに頼りきっていますね。

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――今回の舞台はどんなところが見せ場になってくるのでしょうか?

立ち稽古初日から、セットが建て込まれた状態で稽古をしているのですが、めちゃめちゃセットが動くんです。テトリスをやっている感覚に近いです(笑)。すごく動きがある装置の中でやっているので、ご覧になっている皆さんも場面転換が面白いと思います。映像を駆使しているシーンもあって、それも楽しんでいただけます。私的には鈴木浩介さんの役が好きで、ものすごい剣幕でセリフをしゃべっているんですよね(笑)。突っ込みを入れたり、一人でボケたりしていて、たぶんめちゃくちゃエネルギーを使う役だと思うのですけれど、観ていて面白くて、寺十さんの演出が加わると脚本を文字だけで読んでいたのとは全く違っています。ほんとに完成形がどうなっていくのか、私自身も楽しみにしているんです。

――法水連太郎役の井上芳雄さんにはどんな印象を持っていらっしゃいますか?

直接お会いするまでは私の中では「ザ・完璧」。完璧主義者なのかなと勝手に思っていたのですが、ご本人は意外と飄々としていらして、とても柔らかい印象の方でした。でも本読みの段階で、すでに何度も稽古を重ねてきたかのような感じだったので、わぁすごいなと思いました。それは脚本の北村想さんも「びっくりしました」とおっしゃっていて、間近で拝見して、“こういう役者さんに自分もなっていけたら”と思いました。

――舞台の公式サイトで井上芳雄さんが歌っている場面の動画が載っていますが、小百合さんもあの場面で歌われるのでしょうか?それとも井上芳雄さんだけでしょうか?

まだ稽古の最中なのでわからない部分も多いんですが、歌のシーンに少し参加していく形にはなっていくと思います。めちゃめちゃ面白いシーンになりそうなので、どういう形で参加するかは、楽しみにして頂きたいです。

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――マリモという役は、過去と現在を行き来するということで、二役という要素もあると思いますが、いかがですか?

はじめに自分の中で考えていたものと、寺十さんが演出してくださってから変わってきています。大人になったマリモと、幼い中学生のマリモを演じるにあたって、ただ大人っぽくなったではなく、何を思って、どういう風にこの子が成長して、どういう大人と関わってきて、大人のマリモになったかという、二つの面というより、二つの間の面を考えて作っていってます。

――公演に向けてご準備されたことはありますか?

寺十さんの演出作品もたくさん見ていましたし、ただただ今まで見てきたものと、積み上げてきたものを信じて飛び込んでみようという感覚でした。

――シス・カンパニーには直談判して入られたそうですが、そうまでして入りたかった魅力は?

シス・カンパニーは自分たちが企画・製作した舞台公演を何本も打っていますし、息の長い役者さんが数多く所属していらして、皆さん最前線で活躍されています。私はおばあちゃんになるまでお芝居をやりたいなと思っているので、私の全ての願望が全部詰まっていると感じ、そこに魅力を感じました。それから、社長が女性なのですが、仕事をする女性としてカッコいいと思いました。また、所属している役者に対する思いが強く感じられるところも魅力的です。それはシス・カンパニーの公演一本一本観ていてもすごく感じます。だからやっぱりどうしても直談判してでも入りたかったんです(笑)。

――今まで観客として観ていたシス・カンパニーの舞台を、今回、作る側から見て新たな発見はありましたか?

いっぱいあります。一番思っているのは、とっても稽古しやすいところです。

――稽古のしやすさ?

稽古のしやすさが半端ないです。役者が、芝居だけのことだけを考えられるように環境を整えてくださっている。だからこそ逃れられないというか、芝居をちゃんとやりなさいよ(笑)というプレッシャーもありますが、私にとって本当にやりやすくて有難いです。

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――井上小百合さんは2020年4月まで「乃木坂46」の第一期生メンバーとしてご活躍されて、その後は、数々の舞台に出演されていますが、舞台に向かわせたものとは何のでしょうか?

初めて舞台を観た時の衝撃が、とても強かったからだと思います。すごく楽しかったんですよ。自分がとっても元気をもらえたからこそ、そこに携わっていきたいという強い思いです。今でも、ちょっと元気がなくなったり、疲れたなと思うと、すぐ何かしら舞台を観るんです。元気をもらえてエネルギー源となって、また頑張れる。自分の中では舞台は楽しいという感覚です。私は0か100かの人間なので、楽しいか、楽しくないかで決めてしまうところがあって、つまらないなと思ったらすぐにやめてしまう性格なのですが、そんな自分がここまで続けて、これからもずっとやりたいと思っているということは相当楽しいんだな(笑)と客観的に見て思っています。

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――今は、舞台に注力されていますが、これから挑戦したいことはありますか?

まず一つは、おばあちゃんになるまで舞台に立つことです。個人的には、テナーサックスという楽器をやっているのですが、もう少し勉強したいと思って、最近教室に通い始めてレッスンをしています。ジャズを吹けるようになりたいです。

――では、最後に、舞台をご覧になる皆さまに向けてメッセージをお願いいたします。

ただただ楽しいミステリーを解いていく作品というよりも、受け手にとって、いろいろな価値観や、感情を与えられる解釈ができる多様性のある作品になっています。この時代にやる意味を感じています。何が善で何が悪なのかわからない、同じ意識を持っていると思っていたらそうではなかったなど、人との解釈の違い、意識の違いが、すごく現実世界で受け取れるようなお話になっていると思います。今、カンパニー一同迷いの森に迷い込んでいるのですが(笑)、お客さまも巻き込んで、みんなで迷いの森に迷い込んだような、体験型舞台のようなものになっていったらすごく面白いと思っています。皆さんと一緒に楽しめたらなと思います。

――ありがとうございました。

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舞台『奇蹟miracle one-way ticket』

東京公演:2022年3月18日(金)〜4月10日(日) 世田谷パブリックシアター
(※3月12日(土)~17日(木)は公演中止)
大阪公演:2022年4月13日(水)〜4月17日(日) 森ノ宮ピロティホール

作:北村想
演出:寺十吾
出演:井上芳雄 鈴木浩介 井上小百合 岩男海史 瀧内公美 大谷亮介
企画・制作:シス・カンパニー
東京公演 提携:公益財団法人せたがや文化財団/世田谷パブリックシアター
後援:世田谷区
大阪公演 運営協力:サンライズプロモーション大阪
公式サイトhttps://www.siscompany.com/kiseki/

 

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【STORY】
男の名は、法水連太郎(井上芳雄)。警視庁などのコンサルタントも務める私立探偵である。そして、何かとこの探偵を支えてきたのが、高校時代からの親友で、現役の医師である楯鉾寸心(鈴木浩介)だ。ある時、探偵が残した「キキュウの依頼あり、出かける」との書き置きを見て、楯鉾は彼を追いかけ、深い森へと迷い込んだ。そこで、傷を負い深い眠りについた探偵・法水を見つけ出したのだが、目覚めた探偵はあたりを見回し、こう口を開いた…「誰だかワカラヌ私は、何処だかワカラヌここで何をしているのだ…」

探偵は、この”迷いの森“から何の依頼で呼び出されたのか…。一体、依頼者は誰なのか…。記憶を失くした名探偵とその親友は、出口の見えない森の奥深くへ歩を進める…そこに次々と現れる謎に満ちた人々は、現実なのか、はたまた忘却の記憶が生んだ幻なのか…

 

撮影:加藤孝
ヘアメイク:奥山信次(barrel)
スタイリング:中川原有(CaNN)

文:高橋美帆・ランラン編集部  

 

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