トップ > PICK UP > 平野良&藤田玲インタビュー 「どんなジャンルもいける」“よろず屋俳優” たちが挑む爆笑必至の舞台「笑う門には福来・る祭 明治座でどうな・る家康」

2022年10月12日 17:00

平野良&藤田玲インタビュー 「どんなジャンルもいける」“よろず屋俳優” たちが挑む爆笑必至の舞台「笑う門には福来・る祭 明治座でどうな・る家康」

写真/オフィシヤル

平野良と藤田玲が出演する舞台「笑う門には福来・る祭 明治座でどうな・る家康」が、12月23日から上演される。本作は、世界に誇れる「日本人」、そして「日本の歴史」を面白可笑しくシュールに上演してきた「祭シリーズ」の最新作。今年は、「それでも生きる」をテーマに、戦国という混沌とした時代を生き抜いた徳川家康の生涯を、数々の有名武将との攻防とともに、爆笑必至のコメディとして描く。徳川家康役の平野良と、織田信長役を松田岳とWキャストで演じる藤田玲に公演への意気込みなどを聞いた。

7D2_6867s

(左から) 平野良  藤田玲

――今回、平野さんは4年連続にして初めての単独座長を務めます。出演が決まったお気持ちを聞かせてください。

平野:この「祭シリーズ」は、“ダブル座長システム”が長かったんですよ。シリーズ自体は、今年12年目になりますが、すごく久々の単独座長だと聞いています。それを聞いて、2倍大変になるな、逃げられないなと思いました(笑)。

藤田:そうだね、逃げられないね(笑)。

平野:責任がこれまでとは違うなとは感じています。このシリーズは、毎年、集まったキャストによって傾向が変わるんですよ。基本的には、バカをやって真面目にふざけるシリーズだと思いますが、今年は“芝居ガチ勢”が多い。なので、それも楽しみです。それから、僕は、家康を演じるのは初めてなんです。これまで明智光秀に縁があって、光秀を演じることが多かったのですが、今回は初めての家康。やっぱり役者としては、いつかは家康や織田信長を演じてみたいという憧れがあったので、すごく嬉しいです。家康ほど不幸な武将はいないと思っていますが、サクセスストーリーでもあると思うので、稽古が今から楽しみです。

――藤田さんはシリーズ初参加になりますね。

藤田:はい、存在はずっと知っていたのですが、なかなかスケジュールが合わなくて。今回、やっと参戦できるので嬉しいです。実は、今年はこの作品の後も(平野)良くんと一緒の作品が続くので、良くんと長く一緒にお芝居できるというのも嬉しいですし、久々にお会いする方も多いので、どうなるのかすごく楽しみです。

7D2_6939s


――藤田さんは織田信長役を演じますが、それについてはいかがですか?

藤田:貫禄を出していかないといけないなと。

平野:ぴったりだよ、信長。

藤田:どうなんですかね。でも、ただの信長じゃないでしょうし。

平野:松田岳とのダブルキャストというのがね(笑)。岳がいることによって、おもしろキャラになるから(笑)。

藤田:松田さんとは初めてご一緒するのですが、今、話を聞いていて、かなりポップな方だと分かったので、ついていけるのかなと思っています(笑)。きっと、普段はあまりお見せしないような一面も、この作品でお見せできるのかなと思います。

――共演経験も多いお二人ですが、お互いに俳優としてどんなところに魅力を感じていますか?

藤田:(平野は)「職人」です。どんなジャンルもいける職人。

平野:それは玲ちゃんも同じで、我々は「よろず屋俳優」だから、何でもやる。芝居もやるし、コメディーもやるし、バラエティー的な番組にも出演する。玲ちゃんはさらに、作曲もするし、アーティストとしても活動しているしね。

藤田:そうですね。ただ、僕は今作のようなコメディー色の強い作品は久々なので、すごく楽しみです。

平野:このシリーズは、一部がお芝居で二部がショーなんですが、二部で(平野と藤田が)どう絡むことができるのかもぜひ期待していただけると。

藤田:良くんと何かできたらいいなと僕も思っています。

――平野さんから見た藤田さんの印象は?

平野:僕が、芝居を見て「クレバーだな」と感じる俳優が3人いるんですが、その中の1人が玲ちゃんです。そのほかの2人は、安西慎太郎と玉城裕規。この3人は芝居に対する角度が他の役者とは違うんですよ。普通の角度で物事を見ることもできるけど、その人にしか見れない別の角度で世界を見て、お芝居をすることができる。しかも、玲ちゃんはトリリンガルで3か国語を話すことができるから、世界観が広いんですよね。『メッセージ』という映画でもやっていましたが、言語を一つ覚えると、世界観が一つ広がっていくものなんだと思います。なので、玲ちゃんは3つの世界観を持っていて、だからこそ、辿り着く答えもまた違ったものになるのかなと思います。

藤田:ありがたいお言葉ですが、プレッシャーがまた一つ増えました(笑)。

7D2_6915s


――歴史上の人物をコメディーで演じるということに関してはいかがでしょうか?

平野:このシリーズに関しては、歴史上の人物と言ってもあまり関係ないので(笑)。何となくふんわり触っておけばいいかなと(笑)。

藤田:なるほど。僕は、日本史はあまり得意じゃないので、そういう意味ではありがたい(笑)。

――とはいえ、今年は「それでも生きる」がテーマ。重厚なシーンも多いのかなと想像しますが。

平野:家康は、生まれてすぐに人質になって、誰も信じられない状況で幼少期を過ごし、耐えに耐えて、200年続く泰平の世を作った人物です。なので、家康ならではのテーマだとは思います。どれだけつらいことがあっても、生きた先には希望がある。それは、今の時代にもリンクするものだと思います。今の日本には、しんどい人が多いと思うんですよ。

藤田:そうですね。コロナもですし、ウクライナをはじめとした戦争もあるし、経済的にもかなり不安定ですしね。

平野:日本の歴史の中でも、今は、かなりしんどい時代なんだと思います。第二次世界大戦後の方がひどかったという方もいらっしゃると思いますが、それでも追いつけ追い越せでバーッと上がっていくことができた。その後にバブルが弾けて…そこからはどんどんしんどくなってきているんじゃないかな。経済的なこともそうですが、コンテンツが溢れた今だからこそ、情報にまみれてしまって心がどんどん弱くなっているということもあると思います。そういうことを踏まえると、意義のあるテーマなのかなと考えています。

藤田:しかもそれをコメディーでやることに意味があるよね。だからこそ、グッと胸に迫るものがあると思います。

7D2_6874s


――お二人が、そうしたツラい状況の時、苦しい時にそれでも頑張ろうと思う原動力は、なんですか?

平野:サウナかな。サウナなしだと生きられないですね。今日も行ってきました。自律神経が整うんですよ。だから、もういっそ、サウナを買いたい。これを読んでいらっしゃる方、期待して待っています!

藤田:いやいや、プレゼントでサウナは来ないから(笑)。僕は、オンオフをお酒で切り替えるくらいで、あとは特にはないですが…アニメはよく見ますね。全く違う世界に飛び込むという意味で、いい気分転換になります。

――ところで、「祭シリーズ」は年末の風物詩にもなっていますが、このお仕事をする以前は、年末年始はどのように過ごすのが定番でしたか?

平野:僕はかなりの確率で、“ジャニコン”(年末年始に行われる、ジャニーズ事務所のコンサート)を観て過ごしてます。去年も一昨年も、「祭シリーズ」には出演してましたが、コロナ禍ということもあり、ステージ上でのカウントダウンは行われなかったんです。年が変わる0時には自宅に着いていたので、テレビで“ジャニコン”観てました(笑)。

藤田:僕は「ゆく年くる年」。あの厳かな感じがいいんですよ。除夜の鐘が鳴っている映像を観て、「コロナなのにすごい人いっぱいだな」とか思いながら、そばを作って、そばを食べてます(笑)。

――実際に観には行かないんですか?

藤田:行かないですね。並ぶのは嫌なんで、時期をずらしてお参りします。

平野:でも、きちんとそばを食べたりして、偉いよね。僕は本当に寂しい年越しですよ。以前に、365日、誰かのハッピーバースデーが聞こえてくるような賑やかな街に住んでいたことがあったんです。それで、年越しの時に、1人でベランダに出たら、顔も見えない人たちの「ハッピーニューイヤー!!」という声が聞こえてきたので、その顔も見えないパリピに便乗して「ハッピーニューイヤー」とか言って、勝手に一緒に祝った気になったということがありました(笑)。

藤田:それはなかなか寂しいね(笑)。そういう意味では、僕は寂しい年越しはないかな。親だったり、友達だったり、誰かと過ごしていますね。

平野:携帯も、壊れているのかと思うくらい全く鳴らない(笑)。

藤田:あはは(笑)。でも、年明けの「明けましておめでとうございます」の連絡も、どこまで連絡すればいいのか迷うよね。1年間でその連絡しか来ない人もいるし、みんなきっと迷っているんだろうなとは思います。

平野:僕のレベルになるとそういうのも一切ない。以前は、後輩から「良ちゃん、おめでとうございます。また飲みに行きましょう」と来てたけど、今はもう鳴らない(笑)。携帯壊れてるから(笑)。

7D2_6884s

――ありがとうございました! それでは、改めて、公演への意気込みをお願いします。

藤田:初共演の方も多いので、たくさんのことを学ばせていただき、より成長できたらと思います。そして、これまでも共演している強豪ぞろいの仲間たちとは、こうした笑いに特化した作品でどんな化学反応が起きるのか、僕自身も楽しみです。皆さんに笑って過ごしていただけるよう、誠心誠意取り組んでまいりたいと思います。二部では、平野くんとユニットを組みたいと思っているので、それもぜひ期待していただければと思います。

平野:今年は座長として1人で立たなければいけないプレッシャーはありますが、やることは一緒。気負わずに、笑いに特化したものをお見せできればと思います。徳川家康にとって、服部半蔵は非常に近しい人間だったと言われています。今回、その服部半蔵を宮下雄也が演じます。彼とは、これまでにも共演していて、笑いに関しては間違いないだろうと思える役者なので、それも楽しみです。個人的には、今年は大阪公演もあるので、2013年以来の大阪公演を楽しみたいと思います。主人公が徳川家康という、耳馴染みのある歴史上の人物ですので、ぜひ気楽に、軽い気持ちで足を運んでいただければと思います。

藤田:歴史の勉強にもなりますしね。

平野:そう、ゆる~く勉強になります。

220929_A3chirashi_H1_ol_sss

公演名:「笑う門には福来・る祭 どうな・る家康」

東京公演:2022年12月23日(金)~26日(月)明治座
大阪公演:2023年1月8日(日)梅田芸術劇場メインホール

構成・演出:板垣恭一
脚本:村上大樹
出演:平野良/
   蒼木陣、菊池修司、大平峻也、松本岳/
   藤田玲(Wキャスト)・松田岳(Wキャスト)/
   宮下雄也、平田裕一郎、井深克彦、味方鏡介、水瀬裕也、小早川俊輔、谷戸亮太、
林剛史/
   久ヶ沢徹、伊藤裕一/山崎静代(南海キャンディーズ)/
   安西慎太郎、大山真志/辻本祐樹/
   原田龍二/浅野ゆう子

公式HP:https://douna-ru.com/

 

 

 

トップ > PICK UP > 平野良&藤田玲インタビュー 「どんなジャンルもいける」“よろず屋俳優” たちが挑む爆笑必至の舞台「笑う門には福来・る祭 明治座でどうな・る家康」

Pick Up(特集)

error: コンテンツのコピーは禁止されています