左から:福本伸一、高田夏帆、加藤和樹、戸田恵子、松尾貴史、元吉庸泰(演出) 【撮影:岡千里】
2022年に全国5箇所にて上演し、大好評を博したニール・サイモン脚本の傑作コメディ『裸足で散歩』が、9月27日(金)の大阪・サンケイホールブリーゼを皮切りに、銀座 博品館劇場を含め全国17カ所で11月23日(土祝)香川公演まで巡演する。
10月10日(木) 曳舟文化センターで上演された東京プレビュー公演の前に取材会が行われ、演出の元吉庸泰、主演の加藤和樹、共演の高田夏帆、福本伸一、松尾貴史、戸田恵子が登壇した。
元吉庸泰(演出)コメント
初日を大阪で迎えて茨城・神奈川・静岡と各都市回らせていただいておりますが、すごく温かくて、こんなに笑っていただけるんだと嬉しく思っております。2年前も色々な反応をいただき、今回は少しテイストを変えているところがあるので不安もありましたが、温かい気持ちになっていただけたのかなと安堵しています。
コリーのモデルが、(ニール・)サイモンの最初の奥さんで、20年連れ添った末にがんで死別されているジョアンだと言われていて、今回改めて稽古をしてみて、本当に彼女のことが好きだったんだなと、そして理屈を超えて2人が愛し合っているというところを描きたかったんだなと気づきました。途中でポールとコリーが喧嘩をするシーンがあるのですが、どこか許しあうというか、相手に光を求めるような方向性にしました。そういう部分で戯曲を読み解いたところはすごく勉強になりました。
加藤和樹(ポール・ブラッター役) コメント
これまで大阪・茨城・神奈川・静岡で上演してきましたが、各地のお客様が温かいのはもちろんですが、笑うポイントだったり空気感が各会場違います。これからまだ色々な所を回るので、その土地の反応を楽しみたいです。
注目していただきたいポイントはたくさんあるのですが、2幕の途中にコリーとヴェラスコさん(高田と松尾)のシーンがあるのですが、すごく自由度が高いので、毎回どうなるか楽しみにしているシーンです。そこは是非注目していただきたいと思います。
10月7日に40歳を迎えたのですが、26歳のポールをより若々しく頑張っていきたいと思っています。役者としては年を重ねるにつれて演じれるようになる役もあると思いますので、いつかヴェラスコさんを演じられるような渋い男になれるように頑張りたいと思っています。
初演の時は、コロナの影響もあって声を大にして笑えなかったと思いますが、2年ぶりの再演となる今回は、各劇場で笑い声をいただいて、演じている自分たちも心が温まります。観に来てくださっている皆様の心を豊かになるように我々全力で幸せな物語を届けられたらと思いますので楽しみにしていてください。
高田夏帆(コリー・ブラッター役)コメント
(初舞台だった前回公演と比べて)ステージの上にいる心持ちも少し変わりました。聞く耳を持てるようになって(笑)、前回よりももっと大きな笑い声に聞こえたので、すごく嬉しいです。ここで笑ってもらえるんだ!と思ったら、もっと膨らませてみようと思い、毎日試行錯誤しています。1人1人チャーミングで可愛いところがそれぞれにあるので、色々な人の気持ちになって観劇して欲しいなと思います。1人1人を追って見て欲しいですし、1場面1場面切り取って見て欲しいです。1回では足りないくらい全部が注目ポイントです!
福本伸一(電話会社の男 役)コメント
コメディなのでお客様の笑いが入って完成するものだと思っています。大阪公演の初日は怖かったですが、想像以上に笑っていただけましたし、それ以降の各地の公演でも笑っていただけています。カーテンコールでお客様の顔を見るととても良い笑顔をされているので、それを見るのが幸せで自分にとっても幸せな公演になっています。
1幕と3幕の頭で登場してコリーとポールに巻き込まれて体を張っていたりするんですが、ニール・サイモンの戯曲には”ここで体を張れ”とは書いていないのに、なぜか稽古から張るようになってしまったのでその部分は見所です(笑)。あと、2幕の頭で別人として2秒ほど出るので、その2秒を見逃さないで欲しいです。
松尾貴史(ヴィクター・ヴェラスコ役)コメント
2年前より僕も聞く耳を持ちました(笑)。
大阪は温かい街ですが笑いに厳しい街でもあるので、そこでの反応がいちばん緊張感がありましたが、幕が開けたらこんなにも温かいものか…という反応をいただけて、それぞれの街でウケる場所がこんなに変わるのかと思っています。
やるたびに1つ1つが栄養になっていますので大千穐楽に向けて盛り上がっていくことを期待しています。
演出の元吉さんが福田(響志)さんの翻訳に”ニューヨークの風”を感じるということでしたが、僕もこの芝居で”ニューヨークの隙間風”を感じて一生懸命やっていきたいと思います(笑)。そこにご注目いただきたいと思います。
戸田恵子(バンクス夫人 役)コメント
2年経ちまして私も聞く耳を持てるようにようやくなりました(笑)。
お客様の反応を気にする余裕は私にはなくて、ひたすら自分の台詞をニール・サイモンが書いた本の通りに一生懸命やっていこうと思っている次第です。この先も初心を忘れずやっていこうと思っています。
物語の中で際立って特異な事が起きる訳ではないのですが、若者の夫婦が少ーし成長するのと、このおじさん(松尾演じるヴェラスコ)とおばさんも若夫婦によって少ーし成長させられ、そして電話工事の人もいざこざに巻き込まれて少ーし成長している・・・。皆が少し成長する物語に面白くなっているというのが見所だと思います。
必ず登場する誰かに当てはまるところが皆さんの中にもあるのではないかと思います。
見所は満載ですのでたくさん楽しんでくださった方が最後キュンとなると思います。
舞台『裸足で散歩』公演予定
東京プレビュー【西東京】公演 10月13日(日) 14:00 開演 タクトホームこもれび GRAFARE ホール
北海道幕別公演 10月16日(水) 18:30 開演 幕別町百年記念ホール 大ホール
北海道士別公演 10月18日(金) 19:00 開演 あさひサンライズホール
北海道中標津公演 10月20日(日) 15:00 開演 中標津町総合文化会館 しるべっとホール
北海道札幌公演 10月22日(火)~10月23日(水) 札幌市教育文化会館 大ホール
北海道大空公演 10月25日(金) 19:00 開演 大空町教育文化会館 教育ホール
宮崎公演 10月31日(木) 18:30 開演 都城市総合文化ホール 中ホール
大分公演 11月2日(土) 13:30 開演 中津文化会館 大ホール
宮城公演 11月5日(火) 18:30 開演 えずこホール(仙南芸術文化センター)大ホール
東京公演 11月8日(金)~11月19日(火) 銀座 博品館劇場
愛知公演 11月21日(木) 18:30 開演 ウインクあいち
香川公演 11月23日(土祝) 14:00 開演 サンポートホール高松 大ホール
いずれもチケット発売中