取材:記事・写真/RanRanEntertainment
【トラウマが強みになった】
――溝端さんにとって、蜷川幸雄さんという演出家はどんな存在でしたか?
神様に近いというか……トラウマになるような思い出もたくさんありますね。蜷川さんに鍛えてもらった役者はみなさん同じだと思いますが、そのトラウマが強みになっているはずです。蜷川さんのように厳しく言ってくださる方はなかなかいないですから。『ヴェローナの二紳士』の時の蜷川さんは、本当に命がけだったと思います。車いすで呼吸器をつけて、痩せ細った状態なのに罵声をあげて……本当に命をふりしぼって言ってくださっているのが伝わってきました。僕なんかが易々と語れる方ではないのですが、蜷川さんの功績など差し引いて言わせていただくならば、僕の俳優人生を大きく変えてくれた、そのきっかけを与えてくださった方です。蜷川さんと出会わなかったら、ぬるま湯に浸かっていることも気づかないくらいだったと思いますね。蜷川さん自体が壮絶で、「“演劇とは何ぞや俳優とは何ぞや”。俳優なんて学生運動で催涙スプレーかけられ、戦いながら芝居していたんだ」という気負いがあった方なんです。そんな芝居の難しさ、辛さ、苦しさなどグワッーと込みあげてくる感情を僕に植え付けてくださった。加えて、それに向かって生きていくカッコよさだったり、美しさだったり、感動だったり、奇跡というのも感じさせてくださった方ですね。
――2013年に初めて演じた当時と今では気持に何か変化はありますか?
前回は完成された中に入っていきましたが、今回はまったく新しくゼロから作るような気持ちでやろうと思っています。再演だからといって、ただ過去をなぞるだけならやる意味がない。本人たちも観ているお客様もそう感じてしまうことが再演の一番危険なことだと思うんです。お芝居は生身の人間が演じることで毎日変わっていくものだし、成長していくもの。この座組みの中で一番若手の僕も、5年経って大きく変わっていなければいけないし、変わっていたいと思うし。ある意味、新作に挑むような気持ちですね。
【温かい人情に触れる地方公演】
――4年ぶりに共演されたメンバーと息を合わせますが、今回の舞台で楽しみにしていることは?
大先輩ばかりなので、そこに飛び込んでまたやれることはすごく有難くて楽しみだし、また小次郎をやれることも本当にうれしいです。お芝居以外だと、共演後も(藤原)竜也くんや(吉田)鋼太郎さんによく飲みに連れて行ってもらっていますので、それも楽しみですね。
――溝端さんは「関西のDNAで面白いことが大好き」と伺っていますが、笑いの要素もあるこの『ムサシ』。今回は “面白い試み”などはあるのでしょうか?
面白いことが好きじゃなければ、こういう仕事はやっていないんじゃないですかね。『ムサシ』は、ここまで完成されているものなので何もないかもしれません。新しく何かやろうと思うのは、自分の作品との向き合い方ですね。どう役と向き合うかという根っこの部分で作れればいいかなと。4、5年前の自分とは違いますから、ゼロからスタートすればまた違う小次郎になっているとは思いますね。
■公演情報
『ムサシ』
2018年2月11日(日)~2月25日(日)東京・ Bunkamura シアターコクーン
2018年3月3日(土)~3月11日(日)埼玉・ 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
ほか大阪・上海にて上演予定。
作:井上ひさし(吉川英治「宮本武蔵」より)
演出:蜷川幸雄
音楽:宮川彬良
出演:藤原竜也、溝端淳平、鈴木杏、六平直政、吉田鋼太郎、白石加代子
大石継太、塚本幸男、飯田邦博、堀文明、井面猛志
公式サイト:http://hpot.jp/stage/musashi2018
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