取材:記事・写真/RanRanEntertainment
——〜狼の掟〜から始まり〜龍の絆〜へと2作を通じて、純也は大きな成長を見せますが、それは意識して演じられていたんですか?
アベルと出会って、段々と純也が変わっていく。逆に、アベルも純也と出会って変わっていくっていうのは意識しました。鉄板のストーリーですよね。
——演じられていて、一番印象に残っているシーンは?
(木﨑ゆりあ演じる)亜梨紗を後ろから抱きしめるシーンです。2.5次元をやっていると、女性を後ろから抱きしめるっていう芝居はないですからね(笑)。緊張しました。
——2.5次元舞台には、そもそも女性キャストさんが少ないですもんね。
すごい少ないんですよ。だから、普段、女性と芝居することが少ない分、ドギマギするし、慣れない。
——佐藤さんご自身が純也に共感する部分や似ているところはありますか?
似ているところは…ないですね(笑)。
——ご自身とはかけ離れていると感じるのはどんなところですか?
いろんなことに見切り発車で、突っ走っていくところ。後先考えずに突っ走っちゃうっていうのは純也のいいところでもあるんですが、自分とは似てないですね。ヒロインの亜梨紗に助けを求められて、アベルに止められても「放っておけるか」って助けにいっちゃうシーンがあるんですが、そういう行動は格好いいなとは思いますが、俺はしないなって。
——考えて動くタイプなんですか?
割と打算的な感じです(笑)。感覚で行動はしないタイプなんで、俺。
——そうなんですね。では、突っ走っていってしまう純也に対しては、バカだなあって?
現実にいたら嫌ですけど、スクリーン越しにいたら愛されるキャラですよね。
——確かに愛されキャラです。純也のそういった愛されキャラが際立っている分、本作は女性でも見やすい作品ですよね。
そうですね。しかも、笑いどころもちょっとあったりするので。
——藤田さんとは、『ライブ・スペクタクル −NARUTO−ナルト−』でもご共演なさっていますが、改めて、藤田さんの印象は?
地元の先輩っぽい方。兄貴肌のところがあって、非常に優しくしてくれる人ですね。撮影中はずっと一緒で、朝、メイクをして撮影が始まって、撮影が終わって、帰り、寝て、起きて、また一緒ってずっと一緒にいたんで、何をしゃべったかも覚えてないぐらい、ずっと喋ってました。
——撮影は、どのくらいの期間で行われたですか?
10日間です。
——そんなに短かったんですね。それじゃあ、本当に毎日、朝から晩までですね。
はい。ずっと朝から晩まででしたね。
——それはハードですね。ちなみに、撮影の中で一番きつかった撮影って?
メロンパンを食べまくるシーンがきつかったです。俺、映像作品に出演するときは必ずダイエットするんで、(撮影時に)糖質制限してたんですよ。そんなときに、メロンパンを3つ4つ、いきなり食べなくちゃいけなかったから、きつかった。やっぱり、食べるシーンはきついですね。玲くんも、ラーメンやピザを食べるシーンがあって、ガッツガッツ食べなくちゃいけなかったから、きついって言いながら食べてました。
——藤田さん以外の共演者で印象に残っている方は?
(彦野利樹役の)脇(知弘)さんの腰の低さに感動しました。挨拶をしてくださったんですが、申し訳なくなるぐらい腰が低くて。めっちゃいい人でした。
——ヒロイン役の木﨑さんはいかがですか?
木崎さんは可愛らしい人でした。ずっとケタケタ笑ってましたね。
——元木隆史監督の印象は? どんなディレクションが印象に残ってますか?
このタイミングで立ち上がってとか、このタイミングで歩いてとか細かくつけてくださる方でした。だから、そこに気持ちを乗せるだけだったので、非常にスムーズに演じられました。
——本作は、いわゆるアウトロー映画といいますか、闇社会を描いている映画ですが、普段、そういう作品をご覧になったりしますか?
この作品に出演するにあたっては、玲くんの前日弾の『オーバードライブ』(本シリーズの前日譚作で、藤田演じる我妻アベルが主人公の作品)を見ました。(本作の)撮影が終わってからですが、最近だと『孤狼の血』も見ましたね。
——佐藤さんは、舞台も映像も幅広くご活躍で、出演作が目白押しですね。そんな中、さまざまな役柄を次々と演じられていますが、役を演じる上で、一番意識されていることってどんなことですか?
嘘いつわりがないようにということはずっと意識しています。演じてる役のことを考えたときに、この役ならやらないって思ったらやらない。それは当然のことなんですが、台本上、そうであっても、やらないなと思ったらやらない。我を通すタイプなので、自分のやりたいように演じさせてもらってます。
——なるほど。舞台と映像では演じる上で、どんな違いを感じますか?
映像は声のボリュームを落として、お芝居のスケールを小さくするようにしてます。舞台出身なんで、大きくなってしまいがちなんですけど、なるべくなるべく小さくする。自分が思っている以上に芝居とかセリフの声が大きかったりするらしいんで、相当抑えていますね。
——本作を経て、佐藤さんの中で、役者として一番成長したと感じるところは?
無様な、格好悪い芝居ができたことです。2.5次元だと、散り際も格好良くないといけなかったり、(攻撃を)食らうときも美しくないといけないですけど、この作品ではそんなのは全くない。鼻から血を出しながらぶっ倒れるっていうのが新鮮でした。
——そういったシーンを演じるのに抵抗はなかった?
別にないですね。全然大丈夫です。
——佐藤さんにとって、新境地ともなった作品になりましたね。ところで、純矢は車をいじるのが大好きという設定ですが、佐藤さんが今、これをやっているときが一番楽しいっていうのは、どんなことですか?
音楽を聞いているときか、猫と遊んでいるとき。
——最近は、どんな音楽がお好きなんですか?
最近はまた、ヒップホップにハマりだして…。ハマりだしたっていうよりは、昔、聞いていた曲をまた、懐かしいなって思いながら聞くっていうのが多いかもな。
——具体的に、どんなアーティストですか?
AK-69とかLGYとかCHEHONとか、そんな感じです。
——最後に、作品のPRを。
バイオレンスな作品で、血だらけになるわ、人を殴るわ、人を撃つわ、車は乗るはでハチャメチャな、盛りだくさんな激しい映画になっています。これを見てアドレナリンを出して、今年を乗り切って欲しいなと思います!
■ストーリー
五十嵐純也(佐藤流司)の実家はスクラップ工場を経営している。我妻アベル(藤田玲)と共に逃げるように戻り、工場でバイトすることになった純也だが、多額の借金の返済のために高級車を次々と盗み、盗難車ビジネスに手を染めるようになる。裏社会のルートを探し出し、何とか換金に成功して意気揚々と盗難を続けていたが、ある日、とある高級車のトランクから手足を縛られた謎の美女・亜梨紗(木﨑ゆりあ)を発見してしまう。この出会いが純矢の運命を大きく変えることになり…。
『ダブルドライブ 〜龍の絆〜』
出演:佐藤流司、木﨑ゆりあ、脇 知弘、内野 智、波岡一喜、藤田 玲
監督:元木隆史 脚本:池谷雅夫 企画・配給:AMGエンタテインメント
製作:「ダブルドライブ 〜狼の掟&龍の絆〜」製作委員会
主題歌:「OVER」(The Brow Beat)
2018年/日本/カラー/シネマスコープ
(C)2018「「ダブルドライブ 〜狼の掟&龍の絆〜」製作委員会
公式サイト doubledrive-movie.com
9月22日より公開