取材:記事・写真/RanRanEntertainment
8月21日(水)、東京・新橋演舞場で舞台『ブラックorホワイト?あなたの上司、訴えます!』の公開ゲネプロと囲み会見が行われ、主演の佐藤アツヒロと、内博貴、真琴つばさ、八十田勇一、斉藤優里、愛原実花、福田転球、羽場裕一らが会見に姿を現した。
(後列左より)斉藤優里、福田転球、八十田勇一、愛原実花
(前列左より)羽場裕一、内博貴、佐藤アツヒロ、真琴つばさ
本作は、とあるリフォーム会社に届いた、地方営業所でのパワハラを告発するメールを巡る“お仕事コメディ”。本社でエリート街道を進む主人公の一尺八寸倫太郎(佐藤)が、本当の姿を隠しいちアルバイトとしてくだんの地方営業所に潜入、パワハラした側と噂されている憧れの先輩・久保田(羽場)の無実を証明するために奮闘する姿を描く。
会見前のフォトセッションでは、後列に立つ福田の顔が前列の背の高い内にかぶってしまう事が多々あり、「転球さん、ちょっと顔を左に」「転球さん、右に顔を出して」と何度も名指しされ、またその隣に立つ小柄な斉藤も羽場に被ってしまうため、ついには「端からひょっこり顔を出してみて」と言われて大笑いとなっていた。
この日の夜から初日ということで、チームワークを聞かれた佐藤は「抜群です」と胸を張る。そして製作発表会見では“お仕事コメディ”という表現にこだわっていた事に触れつつ「最初はそう言っていましたが、すごく人間の物語というものが深く描かれているので、内容的にもしっかり見られるところがたくさんあります。コメディに限らず、人間模様も楽しんでいただきたいなと思っています」と語った。
稽古のときに“パワハラ”はあったか?と聞かれると「どうでしたか?」と佐藤から話をふられる羽場。「いやあ、あったのかなあ?」とワザと意味深な答え方をした羽場は「僕が最年長なので皆が気を使ってくれました。『羽場さん、腰大丈夫ですか?』とかね。そういう無言の(逆)パワハラはあったと思います。特に女性たちから」と笑いを誘っていた。
内は初めて佐藤と共演することについて「もう楽しくやらせていただきました。アツヒロくんはパワハラなどしませんから。すごく大先輩なのに普段接していると先輩先輩(づらを)しないので、一緒にいて居心地のいい空気を作ってくださいました」と感謝を述べる。
稽古場の内の様子を振り返った佐藤は「お菓子をバリバリ食べてました。こんなに食べるのか、と。僕はまったく食べないので」と語ると内は「グミとかポッキーとかよう食べてました」と笑顔。女子たちと共にお菓子を食べる内が気になっていたと語る八十田は「混ざりたかったが、この人達、その後ゲームを始めるんですよ。そうなったら僕はおじさんだからもうだめなんです」と混ざりたくても混ざれなかったエピソードを語っていた。
お菓子ネタで思い出した愛原。「真琴さんが八十田さんのお菓子を隠したんですよ。わらび餅を」と話し出すと真琴も「八十田さんが食べていたわらび餅をちょっと机の下に隠したら、わざわざ冷蔵庫まで新しい物を取りにいっていた。こんな会見でしゃべるほどのことではないんです」と照れ笑い。そして「これもパワハラではないんです。パくらい?」と改めて芝居のテーマを重ねつつ弁明をしていた。
真琴と愛原は宝塚歌劇団出身の先輩後輩の仲。愛原の存在について真琴は「落ち着きますね。二人でいる場面が多いのでこっちの気分が男役になっているようです」、愛原も「毎日が嬉しいです。素敵じゃないですか!」と返すと真琴は「娘役(出身)は上手いんですよ、そういうフォローが」と嬉しそうに語った。
斉藤は今回、初舞台となる心境を聞かれて「すごく緊張していたんですけど、皆さんがすごく優しかったので、すぐに溶け込ませてもらえました」と笑顔。そして「お菓子効果もありました。私が持ってきたせんべいを羽場さんも食べてくださった」とまたまたお菓子トークに。羽場は「年寄りなのでせんべい大好きです」とまんざらでもない口調で微笑んでいた。
新橋演舞場の舞台に立つのは初めてだと語る佐藤。「緊張しますよ。ここに観に来ることは多かったんですが(出演は初めてで)。劇場稽古からも『ここか!』と。いつも座っている客席に座って舞台を見ながら、また舞台から客席を見て『こういう雰囲気か』と思いながら、しっかり全てを受け止めて『やるぞ!』という準備はできています。すごく光栄です」と力強く語り、そして「楽屋のれんがあるんですけど、いつも演舞場でジャニーさんが使っていた紺色ののれんを使わせてもらっています」と告白。これは佐藤からお願いした訳ではなく「僕はあまりのれんを使わない人なので『のれんどうしますか?』って言われて、せっかくなのでということで。これも運だなと思いました。頑張りたいと思います」と天国のジャニーさんに伝えるように力を込めていた。
なお、内の楽屋のれんは少年隊の錦織一清から頂いたものを使っていると話が及ぶ。「ニシキさんが墨を擦ってくれて、僕の目の前で、筆で書いてくれたんです。それをずっと使っています」と明かしたが、のれんに内の名前は書いていないそうで「一見、よく見るとニシキさんののれんなんです(笑)。おそらくニシキさんが(内の名前を)書き忘れたのでは。“錦織一清”だけ書いて『はい』って(渡されて)。何も言えず…」というエピソードに皆から笑い声が起きていた。
ゲネプロの模様も少し紹介しよう。新橋演舞場の大きな盆舞台を使って会社の事務室、ショールーム、所長室と暗転と共にセットが大きく変わるステージ上で、営業所の面々に潜入捜査中の佐藤が手を変え品を変え、久保田所長の事件当時の様子からここに至るまでの人となりを聞き出そうとする。わざとらしさがコメディの味を高め思わず笑ってしまう場面も。だが話が進むにつれ、世代間の物の考え方の違い、本社と支社の違い、女性の扱われ方など、笑わせながらも今の時代にも通じるシリアスな内容へと変わっていき、後半は真剣に芝居の成り行きを見守るものとなっていた。
舞台『ブラックorホワイト?あなたの上司、訴えます!』は、以下の日程と会場で上演される。
・8/21~25 東京 新橋演舞場
・8/31・9/1 名古屋 御園座
・9/5・6 札幌 道新ホール
・9/13 石川 北國新聞赤羽ホール
・9/14 富山 南砺市井波総合文化センター メモリアホール
・9/16 大阪 森ノ宮ピロティホール