取材・撮影/RanRanEntertainment
ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』が7月23日(土)東京国際フォーラム ホールCにて開幕。開幕直前の7月22日(金)にゲネプロ公開と会見が行われ、主演の吉柳咲良、フック船長役の小西遼生、演出の森新太郎が登壇した。(※公演関係者に複数の体調不良者が発生したため、25日から8月2日までの全東京公演が中止。8月13・14日の大阪公演は上演予定)
今年をもって『ピーター・パン』卒業を発表した吉柳は、初日を迎えるにあたって「(4年振りの東京国際フォーラム ホールC公演に)久々に戻ってきたなという感じがしています。今までと違った感じがしたということは特になくて、今は必死にただただ頑張っているだけです。でも、戻って来れて、懐かしい気持ちと、今年で最後という気持ちが日に日に強くなってきています」と心境を述べた。
フック船長を演じる小西は、2年目となる森新太郎の演出について、注目してもらいたいポイントを問われ、「いろんなところが変わっていて、前回観た方は、こんなに違うんだということがたくさん見つけられると思います。子どもたちの子どもでいることのエネルギーが前回以上に大きくなっていると感じます」とコメント。
演出の森は「今、こんなご時世だからこそ、生きる喜びを歌い上げた『ピーター・パン』という作品を我々は今こそ守り抜かねばいけないという思いで、スタッフ、キャスト一丸となって作り上げてまいりました。去年から引き続き出ている俳優たちは更にパワーアップして、今年参加している俳優たちもこの作品に活気をもたらしてくれています。この二人(吉柳と小西)は言うまでもなく昨年以上にエネルギッシュで、おバカなやり取りを繰り広げますので、楽しんでいただけたらと思います」と挨拶。続けて「特に吉柳は今年がラストということで彼女自身気合が十分ですし、ラストフライングという寂しさを抱えた者にしか体現できない煌めきが今の彼女にはありますので、多くの人に観ていただきたいです。すごいワクワクしています」と、ラストフライングの吉柳への思いも語った。
吉柳は「最初にさせてもらったお仕事が『ピーター・パン』だったので、ものすごく思い入れがあります。来年は違う人がこの場所に立って、空を飛んで、ネバーランドの人たちに関わっていくのかと思うと辛い気持ちになります。何度かピーター・パンを嫌いになったことがあるし、何でこんな意味のわからない少年をやっているんだとか、嫌になるぐらいエネルギーに溢れた子なので、私にはほんとにできているのか、届けられているのか、いろいろな気持ちになりながら、もう5回目になるんだと思うと(時間が過ぎるのが)早かったなと思います」と振り返る。「最後って言われると、全然卒業したくない気持ちと、まだまだ私は飛べるのにと思いながら、でもラストなので、今まで観に来た方も、初めて観に来る方も、すごい良かったと思ってもらえるように頑張っていくつもりなので、その姿をお見せできたらなと思います」と正直な気持ちを明かした。
さらに「私にとって、唯一子どもで居れる場所、どんな破天荒なことを言っても許される場所でした。いつもだったら出さない部分を出して、稽古場ではそれを笑ってくれる人がいっぱいいました。私、何してました?ブドウを口に詰めて、「カレーパンマン」とか言ってましたよね(笑)。それを笑ってくれるカンパニーってすごい素敵だなって思います。いい作品に関わると、ほんとに素敵な人たちに出会えるのだなと思っています。これから先も心にとどめておきたい、私にとって大きい作品です」と、この作品、カンパニーへの思いを一気に語った。
小西は「去年と今年と(吉柳を)見ていますが、1年でも大きく変化する。この1年でもいろいろと経験して、成長して戻って来たピーター・パンだと思っています。去年は距離を感じている部分もあったけれども、今回はよりさらけ出してみんなとの距離を詰めて、ピーター・パンとの境が無くなってます。そういうゴールに向かってく咲良を見ることも嬉しいし、その状態のピーター・パンと一緒に舞台に立てるという喜びを感じています」と、吉柳との絆を感じさせた。
森も「さっきのさっきまで、いつものように吉柳にしつこく指導(笑)。『おまえ、去年からここできてないんだから』とやっていましたけど(笑)。まぁほんとにネバーエンディングで、大阪の大千秋楽まで僕はきっと一ミリでも吉柳の芝居を上げるために言い続けると思いますし、まだまだ伸びる要素しかありませんし、正直言うと、来年もやればいいと思っているんですけれど」と思わず本音を吐露。さらに、「こんな素材を失うのはほんとにもったいないなと思っているんですけれど、それはしょうがないので、彼女の煌めきを見せてもらいたいなと思っています。ひと言で言うと、寂しいです」とラストとなる吉柳への思いが溢れ出していた。
青山メインランドファンタジースペシャル
ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』
東京公演 2022年7月23日(土)~8月2日(火) 東京国際フォーラム ホールC
※7月25日~8月2日は公演中止
大阪公演 2022年8月13日(土)、8月14日(日)梅田芸術劇場メインホール
原作:サー・ジェームズ・M・バリによる作品を元にしたミュージカル
作詞:キャロリン・リー
作曲:モリス(ムース)・チャーラップ
補作詞:ベティ・コムデン&アドルフ・グリーン
補作曲:ジュール・スタイン
オリジナル監督・振付・脚色:ジェローム・ロビンス
潤色・訳詞:フジノサツコ
演出:森新太郎
出演:ピーター・パン:吉柳咲良
フック船長/ダーリング氏:小西遼生
ウェンディ:岡部麟(AKB48)
タイガー・リリー:田野優花
ダーリング夫人:壮一帆
海賊たち:佐川和正 佐山太一 中山 昇 久礼悠介 冨永 竜 渡部又吁
迷子たち:石川鈴菜 倉澤雅美 澤田美紀 中野 歩 なづ季澪 松崎美風
森の住人たち:一条俊輝 井上弥子 黒田 陸 佐藤アンドレア 澤村 亮 鈴木昌実
深瀬友梨 渡辺崇人
ジョン(Wキャスト):酒井禅功 津山晄士朗
マイケル(Wキャスト):遠藤希子 君塚瑠華
ナナ:三浦莉奈 ほか
主催:フジテレビジョン/スポーツニッポン新聞社/ホリプロ
特別協賛:青山メインランド
企画制作:ホリプロ
大阪公演主催:梅田芸術劇場/ABCテレビ 特別協賛:メインランドジャパン
公式サイト https://horipro-stage.jp/stage/peterpan2022/