取材/RanRanEntertainment・撮影/岡千里(オフィシャル提供)
12月12日(月)から開幕する、ミュージカル『ダブル・トラブル』=2022-23冬=のオンライン公開稽古と取材会が12月2日(金)に行われ、浜中文一、室龍太、上口耕平、水田航生、演出のウォーリー木下が登壇した。
左から:ウォーリー木下、室龍太、浜中文一、上口耕平、水田航生
2021年に続き、この夏も劇場を大いに沸かせたミュージカル『ダブル・トラブル』は、出演者はたった2人、演奏はピアノだけというシンプルな構成で、次から次へと現れるおよそ10人もの登場人物を2人で演じる、抱腹絶倒ミュージカル。
『ダブル・トラブル』=2022-23冬=では、3Teamが公演を行う。12月12日(月)開幕のTeamDは、今夏のSeasonAにも出演した浜中文一とミュージカル初挑戦の室龍太。12月23日(金)開幕のTeamEは上口耕平、水田航生。そして、2023年2月2日(木)開幕のTeamFにはふぉ~ゆ~の二人、越岡裕貴と松崎祐介が出演する。翻訳・訳詞は今作で第14回小田島雄志・翻訳戯曲賞(2021年)を受賞した高橋亜子、演出はウォーリー木下が務める。
作詞家のボビー・マーティンと、作曲家のジミー・マーティンの兄弟2人が、ハリウッドのメジャームービーの曲を書くという大チャンスをつかむ!が、与えられた時間はたったの数時間。気に入ってもらえなければ即クビ!そこに代わる代わるやって来るのは、社長秘書のミリー、年老いた音響技師ビックスなど…個性溢れる人物たち。ときに協力し、ときに喧嘩して、仕事に恋に奔走するマーティン兄弟。2 人は無事に成功をおさめることができるのか…!?
公開稽古は、まずTeamDの浜中文一と室龍太が登場。兄のジミー・マーティン(浜中)と弟のボビー(室)がミュージカル映画の曲を書くというチャンスをつかんで、ハリウッドにやってきたシーン。ピアノに合わせて「二人だけで(Just The Two Of Us)を歌い踊った。タップを踏み、傘をステッキのように持ちながら、喜びと希望に溢れる様子が伝わってくる。
続いてTeamEの上口耕平、水田航生。ジミー(上口)とボビー(水田)は、歌を作りつつ、その歌を披露するシーン。「ファーストクラスの愛(FIRST CLASS LOVE)」を兄弟で歌う。ボビー(水田)は机の上でタップを踏み、ジミー(上口)も浮かれながら踊る。
公開稽古後、演出のウォーリー木下も加わり5人が登壇し会見が行われた。
SeasonAではボビー役で出演し、今回のTeamDではジミー役を務める浜中は「弟(ボビー)の台詞を覚えているぐらいで何かが変わるわけでもないです」と言いながら、「兄ジミーを本番中にずっと見ていたので、それをどうやっていくかを今、楽しんでいます」と余裕を見せた。室は、「稽古は終盤ですけれど、出来の方は序盤です」と言って、会見場を笑わせた。
実は、これは浜中が耳打ちして言わせたもので、改めて室は「ミュージカル自体が僕は初めてなので不安でしたが、徐々に徐々に不安もなくなりつつあります。最初は、“楽しみます”とウォーリーさんにも伝えたのですが、まだ楽しめていないです」と正直な気持ちを明かした。
作品的にも個人的にも大変だと語る室だが「作品自体はすごく面白いので、それを届けられたらと思います」と述べた。浜中は室へ「映像とか本番を観ていたようですけれど、前回のものにあまり引きずられないようにして欲しい」とアドバイスを送った。
TeamEの上口は、稽古について「急ピッチで進んでいます。不思議と、稽古場で(アイデアが)生まれています。家でいろいろ考えて持っていくのですが、(水田)航生が必ず答えてくれたり。稽古場ではその日のセッションのようなものを楽しめるように心掛けて毎日挑んでいます」、水田も「(上口)耕平君とはまだ一週間ぐらいしかできていないですが、すごく濃密な稽古をできています。打ち合わせせずに、バチっと揃ったり、意図が合った瞬間が生まれてきていますので、すごくいい雰囲気の中にいます」とニッコリ。
ウォーリー木下は、それぞれのチームカラーと期待することを次のように語る。「TeamDは、やる前にはこの二人はすごく仲が良いと聞いていましたが、あまり仲良くなくて」と笑いながら、「お互いにいろいろなことを知っているのだと思います。それが見ていて、兄弟っぽいなと思っています。今までのいろいろな組み合わせの中で、一番兄弟感があると思います。文ちゃん(浜中)が両役(兄と弟)をやるというのは、大したことないと思っているかもしれませんが、僕はなかなかすごいことだと思っていて、無意識に全体をコントロールしてくれることを期待しています。その中で、室君がどれだけ遊べるのかを楽しみにしています」、そしてTeamEについて「読み合わせの時から空気感が出来上がっていました。今まで、6チームぐらいやってきているのですけれど、そういうアプローチがあるのかといろいろな発見をいただいています。それをフィードバックしながら作っているので、今までにない『ダブル・トラブル』が出来そうでそれも期待しています。とても軽快で、おしゃれです」との両チームには大いに期待しているとのこと。
演者によって違った色合いを見せる本作。ウォーリーは「この戯曲はすごいと思います。二人芝居でこれだけいろいろなことが詰め込まれている舞台は他にないです。古典の落語のようで、テキストはありますが、やり様はいくらでもあるので、それを今までの役者人生の中から生まれたものを入れながら今できる『ダブル・トラブル』に役者が挑んでくれるので、毎回新鮮な発見があります。何年か後に同じ役者がやっても違うものができると思います。とても稀有な本だと思っています」と本作の魅力をアピールした。
最後に、4人からメッセージが送られた。
室:本当に楽しい作品になっています。気軽な気持ちで劇場に足を運んでもらいたいと思います。
上口:ライブ感溢れる作品になっています。毎回発見があり、何かが生まれる楽しみがあると思いますので、ぜひ何度でも観にいらしてください。
水田:年末年始で忙しい時期だとは思いますが、これだけ笑えてエンターテインメントのすべてが詰め込まれている作品はないと思うので、年の瀬と年の頭にいらしてください。友達を誘って、家族を誘って、SNSでいっぱい告知をして、たくさんの方に観に来ていただきたいと思います。
浜中:みんなで楽しくやっています。元気に過ごしています。皆さん、劇場でお会いしましょう。では!
ミュージカル『ダブル・トラブル』(A Musical Tour de Farce)=2022-23 冬=
TeamD:ジミー・マーティン(兄) 浜中文一 × ボビー・マーティン(弟) 室 龍太
2022年12月12日(月)~2023年1月21日(土)・1月26日~29日(日)
2023年1 月 26 日(木)~1 月 29 日(日)
自由劇場・新国立劇場 小劇場
TeamE:ジミー・マーティン(兄) 上口耕平 × ボビー・マーティン(弟) 水田航生
2022年12月23日(金)~2023年1月22日(日)
自由劇場
TeamF:ジミー・マーティン(兄) 越岡裕貴(ふぉ~ゆ~) × ボビー・マーティン(弟) 松崎祐介(ふぉ~ゆ~)
2023年2月2日(木)~2月19日(日)
新国立劇場 小劇場