ソル・ギョング、立命館大学でトークショー&シンポジウム

2010/11/25 04:35



ソル・ギョング、立命館大学でトークショー&シンポジウム
~第5RiCKS韓国映画フェスティバル~

 2010年11月19~21日

  『第5回RiCKS韓国映画フェスティバル』(立命館大学コリアセンターRiCKS主催)が、11月19~21日、『ソル・ギョング 100の顔-ペルソナ-をもつ男』と題して立命館大学朱雀キャンパスで開催された。5周年にあたる今年は、ソル・ギョングをゲストに迎え、代表作7作品の上映とトークショー、シンポジウムが行われた。

  5年前から始まったこの映画フェスティバル。第1回がムン・ソリ、第2回がチェ・ミンシク、第3回がアン・ソンギ、第4回がキム・ヘスという豪華な顔ぶれで、今年は400枚のチケットが完売。2日目のトークショーは、徐勝実行委員長(立命館大学法学部教授)が司会を務め、出演作のエピソードや、俳優になった理由などを語った。

  ソル・ギョングが役になりきる徹底ぶりを表す最も顕著な例として、『オアシス』で18キロ減量し、『力道山』で30キロ増量したことがある。これについて徐実行委員長が「私なんか5キロのダイエットにいつも失敗してるのに、いかに可能にするんですか?」と聞くと、ソル・ギョングは、「太りたければ食べて、やせたければ食べなければいいんです(笑)やせられないという人は食べてないようで、実際食べてるんです」と答えて会場を笑わせた。

  大学では演出を学び、俳優になるつもりではなかったこと、生まれ育った田舎町にはおそらく今も映画館がないこと、小さいときは積極的に自分を出すタイプではなく、恥ずかしがりやだったことなども語り、今後はぞっとするような悪役にも挑戦してみたいという。アート系作品にスポンサーがつきにくく興業映画に出るようになったものの、悩んでいることもあると、正直な胸のうちも語った。

  3日目は、「ソル・ギョングー韓国現代史の体現者」と題し、冨田美香(同大学映像学部准教授)が司会を務め、ソル・ギョング、佐々充昭(同大学文学部教授)、ホ・ムニョン(『シネ21』前編集長)がパネリストに出席。ソル・ギョング主演で1990年に封切された映画『ペパーミント・キャンディー』(イ・チャンドン監督)を中心に、その歴史的背景と重要性について論議した。

  この映画でソル・ギョングは、1979年に20歳で入隊し軍の命令で「光州事件」の民衆を鎮圧する立場だった若者から、40歳の中年までの20年を演じる。
 日本では「せつない初恋の記憶をたどる物語」といったキャッチコピーで宣伝されたが、韓国では、「光州事件」の加害者として、大きな歴史のうねりに人生を狂わされた主人公に自己投影する観客が多かった。当時の韓国国民が経験したトラウマや痛みを表現し、単に感動するという作品ではなく、「見るのがつらい、でも見なくてはいけない映画」として位置づけられている。

  ソル・ギョングは当時全くの新人俳優で、イ・チャンドン監督に「自信のなさそうなところがいい」と買われて主役に抜擢された。「監督は撮影現場に、民主化運動に加わり拷問を受けた経験者を実際に連れてきて、現場には殺気や緊張感が伝わった」と当時のエピソードを伝えた。

  将来はぜひ歴史映画にも挑戦してほしいという声に、ソル・ギョングは、「やればやるほどどこに向かうのかわからず、いつも満たされない状態で、それが俳優という仕事なのかも。これからも闘争しながらやっていくしかなく、熾烈に戦っていきたいです」と意欲を述べた。

  ちなみに、8月に男児を出産した妻、ソン・ユナも今回京都に同行し、懇親会に出席。関係者だけの懇親会のため撮影は禁止されていたが、ツーショットで並んでいたという。

取材:西元まり



 

 

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