取材:記事・写真/RanRanEntertainment
7月18日(火)、東京・ららぽーと豊洲シーサイドデッキにおいて、8月26日に全国公開される映画「関ヶ原」の完成披露イベントが開催された。本イベントには、主人公“石田三成”を演じた日本映画界を代表する国民的俳優岡田准一を筆頭に、本作で本格時代劇初出演となる伊賀の忍び“初芽”役の有村架純、“島左近”役の平岳大、“小早川秀秋”役の東出昌大、家康に仕える伊賀の忍び“蛇白/阿茶”役の伊藤歩、“豊臣秀吉”役の滝藤賢一、“前田利家”役の西岡德馬、三成の最大の宿敵“徳川家康”を演じた日本映画界の重鎮・役所広司、そして本作のメガホンをとった原田眞人監督、全9名が颯爽とレッドカーペットに登場した。
当日、都内では豪雨、雷、雹が降るほどの悪天候。野外ステージであるため、開催が懸念されたが、開催時刻である17時40分には雷雲も通り過ぎた。登壇者からは来場者に対し「皆さん、雨は大丈夫でしたか?」とお見舞いの声を掛けていただいた。
まず、岡田は「『関ヶ原』は誰も挑戦しえなかった司馬遼太郎先生の聖域とされていた作品。それを完成することができて、皆さんに伝えられることをうれしく思っています」と挨拶。何故、今『関ヶ原』を映画化したいと思われたか?の質問に対し、原田監督は「このキャストが揃うのが、この今だったということ。岡田さんが三成を演じられる年になるまで待っていた、その今です」と答えると、女性がほとんどの会場からワーっと大拍手が起こった。また、三成の物語は私たちの胸を打つと思われるか?の質問には「今の政治家は正義がないですよね。純粋にこの正義ということを考えて、大一大万大吉というキャッチフレーズ、ロゴまで生み出した三成を、今の日本にはこういう人が欲しいという思いに浸ると思います。今こそ三成を再評価すべき」と訴えた。岡田は「三成の評価は今後変わっていけばいいなと。三成公のお墓の前で、三成公に喜んでもらえる役柄を演じますと誓ってこの撮影に臨んだ」と明かした。
登壇者から本作品を絶賛する言葉が相次ぐ。「スケールが大きく圧倒された。自分が出ていないシーン、6時間で終わった関ヶ原の戦いは圧倒的でした」(有村)、「とても美しい映画。普段入れない所(東本願寺・大寝殿)でロケしたり、この美しい国はどこだろうというくらい、美しい映画になっている」(平)、「この超大作は邦画史に燦然と輝く作品。一原作ファンとしても、2回、3回見たいなという作品」(東出)、「この映画に出られたことが一生の宝物になるというくらいのスケールの大きさ。エキストラの方の動きが素晴らしくて、合戦シーンは馬の数もそうですけど、槍を持った人たちの戦っている姿を見て、そういう人たちの力によってできあがっていることを実感した」(伊藤)、「駆け引き、腹の探り合いが凄まじいスピードで進んでいく、本当におもしろかったです」(滝藤)などなど。
本イベントは大盛況の内に終了し、このあとユナイテッド・シネマ豊洲に会場を移して完成披露試写会が行われた。上映前の舞台挨拶には、完成披露イベントと同じ9名が登壇した。
原田監督からは「この映画で赤耳という忍者をやっていた中嶋しゅうさんが、この6月に逝去。冥福をお祈りします」と話し、岡田は「すごくかっこいい方で、あこがれの俳優さんだった。この映画が大ヒットして、中嶋さんに届けばいい」と逝去されたことを惜しんだ。
印象的なシーンは?の質問に、有村は「アクションシーンは、舞台でしか経験したことがなくて。忍びとして短刀をもって戦ってたんですけど、三条河原のシーンでハプニングがあって、岡田さんのおでこをポーンと張ってしまって」、岡田「そうそう、オレ斬られたんですよ」、有村「そのときは、冷や汗が止まらなかったです。申し訳ありませんでした」。MCの「そのテイクは使ってますか?」には、岡田「後ろから撮っているから分からないと思います」、監督「多分使っていると思います。非常に深刻なシーンなんですけど。そのシーンになると皆笑っちゃいますね(笑)」と、有村の告白から話は大いに盛り上がった。
平によると「途中から、オレたち(西軍)は、勝てるんじゃないかと思った」そうで、岡田が補足した。「西軍(三成)と東軍(家康)が戦うんですけど、ボクらは負けるんです。でも、途中で平さんと『オレら勝てるんじゃないかな』。この士気の高さ、オレら勝てるんじゃないかなって」。そこで、「石田三成の方が先に陣地を取っているから、相手がいない状態だから、これは勝てますよね(笑)」と、原田監督が釘を刺した。
伊藤はヘビの話。「私は蛇白という役で、ヘビをもって登場するのですけど、監督から『それ、本物?』と聞かれ、監督から『本物でやってください』と言ってましたよね。ヘビがなついてくれて楽しかったです」と語ると、原田監督「伊藤さんは『そのまま持って帰りたい』と言ってました」。
自分自身が演じたキャラクターについて、岡田は「三成は敗戦の将。本当の三成像は描かれてない部分があると信じて台本にある人間らしい三成を演じた」。東出は「小早川秀秋は秀吉の奥さんの兄の七男。秀吉に子がいないので連れてこられた。ところが実の子が生まれたら、小早川家に行くことになったという。自分の生まれを呪っている人物。小早川秀秋というと今まで裏切り者、軟弱者という描き方だった。原田監督が新しい魅力として人物を深めてくださった。新しい小早川に出会えたのはうれしかったです」。そして役所は「家康みたいな人を会社の社長にすると本当にいい手本になる。部下の意見を先に聞くとか、我慢強さとかが家康の魅力。あと、家康の腹を見ていただきたい。企業戦士には非常に参考になる映画だと思います」と、三成、小早川、家康の評価を語ってくれた。これから映画を見るにあたり大いに参考になるのではないか。
8月26日(土)全国公開される映画『関ヶ原』。大いに期待したい。