「ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらい」が4月26日(金)にオープンするのを前に、4月24日(水)に「ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらい」テープカットセレモニー & 映画『ミッシング』特別試写会 舞台挨拶が行われ、映画『ミッシング』で主人公・沙織里を演じる石原さとみが出席した。
映画『ミッシング』特別試写会の舞台挨拶では、石原は「今日はお越しいただきありがとうございます。映画館の新しい香りがしますね。私が入ってきた瞬間に“新しい”と感じた映画館で、フレックスサウンドで公開前の『ミッシング』を一足早く観ていただける。本当に限られた貴重な機会だと思います。私も正直、仕事がなければ皆さんと一緒に観たい映画ですが、本当に最後まで楽しんでもらえたらいいなと思います。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶した。
女優として順風満帆のキャリアを築いている石原だが、自身は7年ほど前からずっと、ある種の不安を感じ、その不安を払拭するために、本作の監督を務めた吉田恵輔監督との仕事を切望したという。そのときの経緯について、石原は「多分このままじゃいけないというのを7年前よりもっと前から変わりたい、自分の伸び代を信じたいということを感じていて、自分にはもっとできることがあるんじゃないか、私自身が知らないところに行ってみたい、もっと芝居が好きになりたい、学びたい、今の自分を壊してほしいなどと思っていました。そこで出会ったのが吉田恵輔作品。この人が私を変えてくれるはずだと直感で思い直接プライベートでお願いし、今に至ります」と明かした。
さらに「監督とお会いし、『あなたの作品に出たいです。どんな役でもいいです』って、お願いしたんですが、『石原さんはメジャーすぎてイメージ湧かないな。都会の匂いがする』みたいなことで、3年間全く音沙汰なかったんです。でも3年後に『脚本を書きました』と連絡をいただいて、飛び跳ねるぐらい喜びました」と続けた。
「吉田恵輔作品に出ることで、絶対に学びがあるだろうなと思いました。そして脚本を読んだときに、もちろんあて書きではないですし、私のことなんて1ミリも想像して書かれてないんです。しかも一番初めに思い浮かぶ人(は私)でもないと思うんです。ギャンブルのように石原さとみにやらせてみようとオファーしてくださった。吉田さんの勇気というか挑戦が本当に嬉しくて、だからこそ自分にできるんだろうかっていう不安もありました」と述懐した。
人間描写の鬼とも言われる吉田恵輔監督の作品の魅力とは?石原は「匂いが伝わってくるぐらい、ドキュメンタリーのような感覚になるんです。吉田作品を観ていると、ドキュメンタリーで撮っているかのような作品に感じられて、主人公が主人公としてフォーカスされていないのが私はとても好きです。よく映画は主人公ベースに書かれていくので、そこにフォーカスがあって、他の出ている人たちが消されていくことがよくあるんですけど、(吉田作品は)そうじゃない。あなただけが世界の中心じゃないんだということが、吉田作品にはすごくあると思うんです。あなたが同じときに苦しんでいても、悲しんでいても、同じ時間に違うことでエネルギーを使って怒っている人がいたり、悲しんでいる人がいたり、笑ってる人がいたり、人には人の時間軸があるんだということが、1枚の画で分る。本当にドキュメンタリーのような、あるいはリアリティだというをすごく感じて、だから好きなんです」と溺愛する理由を語った。
フレックスサウンドで『ミッシング』を観たら、石原演じる沙織里の心の底まで没入できる?という質問に、石原は「これをフレックスサウンドで観たらどうなっちゃうんだろうっていうぐらい没入して観ていただけると、沙織里だけじゃなく夫の豊(青木崇高)や中村倫也さん演じる砂田だったり、様々な人が出演している中で、共感できる部分が。それは自分の嫌な部分に共感したり、この人のこういう部分に共感したり、様々なポイントがあると思うんですけど、それをより体感できるっていうのはすごく新しい経験だと思うんです。この作品は最後に没入したからこそ得られる一筋の光があります。その優しさを最後まで感じ取っていただけたら嬉しいなと思いますし、あと、この作品のエンドロールがとても好きです。そこをフレックスサウンドで感じてもらえたらこの映画の良さというか魅力が存分に伝わって帰っていただけるのかなと思うので、ぜひとも最後の最後まで楽しんでもらえたら嬉しいなと思います」と熱弁した。
映画『ミッシング』は5月17日(金) 全国公開。
※吉田恵輔監督の吉は、つちよしが正式表記