2022年2月1日 17:37

渋谷・コクーン歌舞伎『天日坊』開幕！中村勘九郎、中村七之助、中村獅童が串田和美＆宮藤官九郎による話題作を10年ぶりに上演！

取材：記事/RanRanEntertainment

串田和美と十八世中村勘三郎がタッグを組み1994年に誕生したコクーン歌舞伎、その第十八弾となる『天日坊』が2月1日（火）～26日（土）までBunkamuraシアターコクーンで上演される。本作は、初演から145年の時を越え、2012年に串田和美の演出・美術、宮藤官九郎脚本で上演され話題となった作品で、10年ぶりの上演となる。開幕を直前に控えた１月31日（月）にゲネプロが公開された。

(左より)中村獅童、中村勘九郎、中村七之助s

©松竹

左から）中村獅童　　　中村勘九郎　　　中村七之助　　　

初演に続き、法策（後に天日坊）を演じるのは中村勘九郎、人丸お六役は中村七之助、地雷太郎役は中村獅童、猫間光義役は市村萬次郎、観音院役は片岡亀蔵。初出演の中村虎之介は北条時貞に、同じく初出演の中村鶴松は傾城高窓太夫に扮する。出演はほかに小松和重、笹野高史、中村扇雀。

【あらすじ】
ふとしたきっかけから将軍頼朝の落胤になりすまし鎌倉を目指す法策（後の天日坊）。旅の途中で盗賊・地雷太郎とその妻お六と出会い、思いもよらぬ自分の運命を知る…。
　狙うは天下！若者たちは壮大な野望と純粋な希いを胸に疾駆する。彼らの人生を賭けた大勝負がはじまる—。

(左より)中村七之助、中村獅童s

左から）　　中村七之助　　　中村獅童

【ゲネプロ】
太鼓の音が「どん、どん」と聞こえ始め、段々とその音色が激しさを増し、柝の音が響き渡ると、法策（中村勘九郎）が登場。一同は化け猫騒動の最中だが、冗談も飛び交う。

舞台下、左右にドラム、トランペット、キーボードのブースと、エレキギターとトランペットのブースが設けられている。時にトランペットの物悲しい音色、時に小気味の良いドラム、時にエレキギター、キーボードと、コクーン歌舞伎ならではの演出。

法策は、ふとしたきっかけでお三婆（笹野高史）からある話を聞き、旅に出ることに。そして盗賊・地雷太郎（中村獅童）と、髑髏柄の着物に身を包んだ人丸お六（中村七之助）に出会い、思いもよらない自分の運命を知ることに・・・。

普段の歌舞伎では見られない軽妙な台詞のやり取りもあれば、歌舞伎ならではの艶やかな女形、人丸お六と高窓太夫（中村鶴松）が堪能できる。天日坊（中村勘九郎）の見得と地雷太郎の迫力、高窓太夫と時貞（中村虎之介）の二人の掛け合い、久助（中村扇雀）も見逃せない。

中村勘九郎s

【コメント】

中村勘九郎
法策という人物を一言で表すなら〝無〟結局最後まで自分が誰なのかわからない。そうした精神的な複雑さに加えて、ずっと出ずっぱりな上に衣装も重い。もう毎回ぐったりでした。今まで生きたなかで一番疲れた役です。その法策としてまた生きる。もう一度〝無〟になってその場その場でかんじることを大切に、その一方でビジュアル部分もしっかりと見せていきたいと思います。

中村獅童
前回ご覧くださった方の中には、コクーン史上最高傑作とおっしゃってくださる方もいらして、再演を望む声も多く本当にうれしかったです。その期待に応えられるよう、今回はさらに進化したものをお見せしたいと思います。江戸時代のアウトローのかっこよさを感じていただけたらと思います。

中村七之助
初演はちょうどスカイツリーがオープンした年でエレベーターで降りたところに浮世絵が飾ってあったんです。マーメイドドレスのようなシルエットで髑髏柄の着物を着た女性の絵を見ると「人丸お六」と書いてあったんです。衣装や小道具はそれを参考に作らせていただきました。前回は時間的に間に合わなかった部分もありましたので、今回はこだわっていきたいと思っています。

★212480@2月コクーン「天日坊」本チラシ_表面s