左から）小野匠 簡秀吉 田淵累生
なるせゆうせい監督による社会派青春映画シリーズ第三弾『威風堂々 ～奨学金って言い方やめてもらっていいですか？～』が8月30日（金）より全国で順次公開される。
消費税問題をテーマにした『君たちはまだ長いトンネルの中』（2022年）、外国人労働者にスポットを当てた『縁の下のイミグレ』（2023年）に続く第三弾、テーマは「奨学金」。
池田朱那が演じる唯野空は、大学進学と同時に借金を背負ってしまう。大学生の二人に一人が使っていると言われる【奨学金】という美しいネーミングセンスの借金を。制度やパパ活問題などに直面しながらも必死で生きていく空や空を取り巻く大学生たちのリアルを描く。
空の彼氏・蛭間拓人役の簡秀吉、空が大学で出会う水江聡太役の田淵累生、空の兄・ユウ役を演じる小野匠の3人に本作への思いを聞いた。
――脚本を読んだ時にどんな感想を持ちましたか？
簡：奨学金を題材にしていて、これは若い世代の誰にでも身近にあるものだと思っているので、そこにフォーカスして映画製作するのは僕自身も演者としてワクワクしました。その中で、主人公・空ちゃんの彼氏（蛭間拓人）役の僕がどうアクセントを加えられるのかと考えていました。
田淵：僕も奨学金を借りていたのですが、知らないことが多かったです。40歳過ぎまで返済し続けなければいけないという大変さだったり。確かに借金ですが、一般の人はわからない。逆に高校の時には、奨学金を借りられることがすごいこと、という風潮があったので、そういった間違えに気づいて欲しいなと思いました。覚悟を持って借りなければいけないのだなと思いました。
小野：奨学金は僕自身も借りていた身なので、実際に借金なのではないかと言われた時に、学生の時には考えられなかった複雑な想いを感じました。またこの借金には、“パパ活”や“トー横キッズ”といった社会問題も絡んでくる可能性があることを再確認できました。お金というなかなか人に相談しづらい部分をエンタメで勉強できる、素敵な作品だと思いました。
――空ちゃんを翻弄する典型的なダメ男を演じた簡さん、ご自身が演じられる役についてはどう感じましたか？
簡：違った視点で見て欲しいなと思っていたので、蛭間拓人という役でダメ男を徹底して、お客さまに少しでも鼻で笑ってもらえたらいいなと思って演じました。また、アクセントを加えられたらと思って。
――実際に演じてみていかがでしたか？
簡：率直に楽しかったです。今までに演じたことのない役だったので、また新しいことにチャレンジしているワクワク感とすごいエクスタシーを感じました。
――空の兄、ユウ役の小野さんはいかがでしたか？
小野：僕には、8歳離れた弟がいるので、兄弟というよりもおじさんのような存在ですが、兄弟間の距離感はこの映画を通して学べました。実際に妹が困っていて、不器用なお兄ちゃんだったらどうするかなと考えましたね。
――田淵さんは、奨学金をグラウドファンディングにて一瞬で返し終える大学生の水江聡太役を演じられましたが、演じられてみていかがでしたか？
田淵：なるせさん（なるせゆうせい監督）に、イメージとして（キューバの革命家）チェ・ゲバラのようにと言われました。新しい人間のようにと主張できるような感じで演じました。
――チェ・ゲバラとも言われて、その辺りの準備はかなりされたのでしょうか？
田淵：イメージとしてはわかっていたので、引っ張られ過ぎてもリアルではないので、チェ・ゲバラの思想など調べて、最近の大学生と自分の大学生の時の違いを落とし込みつつ演じました。
監督から本読みの時に言い渡されてそれ以降何もなかったので、できていたのかはわからないです（苦笑）
――実際に演じてみていかがでしたか？
田淵：実際食べたんでしょ？
田淵・小野：(笑)
――ユウ役は演じてみていかがでしたか？
小野：お兄ちゃんと言いつつ、我は我という、計画的にプロセスをしっかり考える人間性だったので、この役を演じてみて、“ご利用は計画的に”じゃないですけれど、大事な部分だと思いました。その反対側に空ちゃんがいて、ぶち当たったらその時に考えればいいという、すごい妹を持ったなと俯瞰していました。
映画 『威風堂々 ～奨学金って言い方、やめてもらっていいですか？～』
2024年8月30日(金)より
ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋HUMAXシネマズ 他 全国順次公開
監督・脚本：なるせゆうせい
出演：池田朱那 吉田凜音 簡秀吉 田淵累生 小野匠 遠山景織子 近江谷太朗 ほか
企画・製作：株式会社オフィス・インベーダー
©映画「威風堂々」製作委員会
公式サイト https://www.ifudodo.com/
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