世界を股にかけるルパン一味、遂に参上!
巨大バズーカをぶっ放して狙うは4000人のハート!!
1967年の誕生以来、40年以上にわたって愛され続けてきた国民的作品を実写映画化した「ルパン三世」がついに完成いたしました。これを記念して、8月4日、東京・有楽町の東京国際フォーラムにてワールドプレミアが行われ、主演の小栗旬さん、玉山鉄二さん、綾野剛さん、黒木メイサさん、浅野忠信さん、ジェリー・イェンさん、キム・ジュンさん、北村龍平監督、山本又一郎プロデューサーが巨大バズーカを撃ちました!
4000人もの観客の皆さんが集まったこの日のワールドプレミア。朝から待ち望んだファンの皆さんのために、観客の皆さん向けのフォトセッションタイムも設けられたほか、小栗さんと黒木さんが即興で映画のシーンを再現するなど、大サービス! さらにはタイでの撮影の様子なども明かされ、息のあったトークで会場は大いに盛り上がりました。4000人のハートを撃ちぬいた舞台挨拶の模様をレポートいたします。
【舞台挨拶(挨拶順)】
山本又一郎プロデューサー
5年前になりますか、角川映画の池田宏之さんから「『ルパン三世』をやりましょうよ」と気楽な顔をして言われ、「できませんよ!」と言ったのが最初の返事でした。なにしろ国民的な作品です。モンキー・パンチさんのマンガから、アニメとなって広がって、ポピュラリティーを勝ち得ている作品ですから、実写映画化したらどれだけ多くの人たちを失望させるだろうと、大変な恐怖を感じました。しかし、池田さんという人はしつこくて、月に2回ぐらい「餃子食べましょう」「お酒飲みましょう」と誘ってくる。何度も誘われているうちに、無理だと思っていたのができるような気がしてきたんです。
その最大の理由は、昨今のCG技術の発展です。アニメーションでやるようなことも、実写の映画でも技術の進歩で可能になったんじゃないか。たとえば五ェ門が袴で刀を持って街を歩いていてもいいような映画ができる時代がきたんじゃないかと、ちょっとやる気が出てきました。そして、ここにいるキャストとの並々ならぬ道が始まる訳ですね。まず、手足が長くて顔も面長の小栗旬がルパンに一番似ているんじゃないか。
それから、僕にはもう一つ、この映画を作りたい大きな理由がありました。世界各地で領土問題というのが存在しますが、隣人と揉めているのはイヤだなという気持ちがあって、日本だけじゃなくアジアの映画として、アジアの仲間たちと作れないかと思いました。そうやって日本を飛び出していくなら、2本のハリウッド映画を作って頑張っている北村龍平監督に帰ってきてもらおうじゃないかと思いました。そして、1本の電話で彼は快諾してくれました。その時、僕は「ルパン三世」を作るとは言っていませんでした。半分騙されたような形で帰ってきて、「『ルパン三世』だよ」と伝えたら、「ええ、マジっすか!」と言ったのが最初の反応でした。かくして、こんな晴れの日を迎えることができました。今日は4000人の方が来ているそうです。僕もワクワクドキドキしています。
小栗旬さん(ルパン三世役)
ついにこうやって見てもらえる日が来ました。昨年の暮れにみんなで頑張って作った作品です。受け入れてもらえるのか、もらえないのか、それはここからなので僕らもドキドキしています。ワクワク楽しんでもらえる映画ができたと思っていますので、皆さんゆっくり楽しんでいってください。
玉山鉄二さん(次元大介役)
今日を迎えることができて、ものすごく嬉しいです。タイでの撮影はすごく大変で、特に思い入れのある仕事だったので、今日こうしてワールドプレミアを迎えることができて嬉しい気持ちと寂しい気持ちが入り混じってすごく複雑です。数少ない日本のアクション映画の中で、メイド・イン・ジャパンのアクションというものを皆さんに感じてもらって、楽しんでもらえたらと思っています。
綾野剛さん(石川五ェ門役)
ちょっと後ろの爆破にビックリしちゃいました。止めてほしいですよね、ああいうの(会場笑)。ようやく皆さんにお届けできるのが嬉しいです。今日はジェリーとジュンも来てくれて、同じステージに立てて皆さんに観てもらえるのが何より嬉しいです。
黒木メイサさん(峰不二子役)
昨年、撮影させてもらって、公開はまだ8月30日ですが、一足早く皆さんに届けられる日が来てすごく嬉しいです。今日は「どうなんだ?」というテンションかもしれないですけど、観てやってください。
浅野忠信さん(銭形警部役)
僕はこの映画の中で、今紹介された泥棒一味と違って、警官の役をやっているので、これがもし映画の中だったら捕まえる絶好のチャンスです(会場笑)。でも、捕まえる訳にはいかない。なぜならパート2が観たいから(会場大歓声)。ぜひシリーズ化してほしいんです。そのためには、皆さん、今日は楽しんでいってください。そしてたくさんの人に「ヤバいよ」と知らせてほしいと思っています。
ジェリー・イェンさん(マイケル・リー役)
皆さん、こんばんは。私がジェリー・イェンです。よろしくお願いします。
キム・ジュンさん(ピエール役)
皆さん、こんにちは。私はピエール役のキム・ジュンです。今日はよろしくお願いします。このように素晴らしいキャストの皆さんと製作陣の皆さんと、素晴らしい作品に参加できたことを光栄に思っています。
北村龍平監督
僕も経験がないぐらい大勢のお客さんに来てもらって、とても幸せです。2年ぐらい前に山本プロデューサーから、ロスに住んでいる僕のところに電話がかかってきて、「龍平ちゃん、一緒にやろう。帰ってこい」と言われました。僕にとっては師匠のようなプロデューサーなので、「分かりました」と帰ってきたのですが、帰ってきてから「ルパン三世」をやると聞いて、今日いる方もたぶんそう思ったと思うんですが、「やめときゃいいのに。そんなのできる訳ないじゃないか」と思いました(会場笑)。でも、山本プロデューサー、そして何よりルパン三世として顔が出る小栗旬が覚悟を決めて「俺がルパンをやるんだ」という決意をしてくれていると聞いて、僕も一緒にその十字架を背負うと決めました。
それから2年間、ストーリーをどうしようかと思い、ここまで突っ走ってきました。監督というのはこういうところで、偉い人として紹介されるんですが、一人では何もできない仕事です。呼んでくれた山本プロデューサー、支えてくれた製作委員会の皆さん、そして何より今日ここに並んでいても惚れ惚れするぐらい素晴らしいキャスト、みんながこの「ルパン三世」を実写として映画にすることを助けてくれて、僕を監督として最初から最後までやらせてくれました。
今日来てくれた皆さんの中にも、「大丈夫かな?」と思っている人がいるかもしれないけど、大丈夫です。まったく新しくて、そしてどこまでも「ルパン三世」、そんな映画を作りました。僕たち映画人としての自信と誇りを持って、今日、皆さんにお観せします。これはまだまだワンツーパンチのワンです。ジャブです。ここから、「2」「3」「4」「5」と作っていきたいなと思っていますので、応援よろしくお願いします。
MC:「ルパン三世」といえばファンの多い作品です。実写映画化はかなりの挑戦だったと思いますが、どういった作品にしようと思われましたか?
北村監督:
40年も続いている偉大すぎるタイトルなので、世代によっても何が正解かというのもないと思うんですね。漫画に寄せても、アニメに寄せても、必ずどこか違うものになってしまうので、アニメをなぞるのでもなく、漫画をなぞるのでもなく、ただモンキー・パンチ先生が作られたスピリットだけはずっと僕の中で40年間、水のように空気のように親しんできたものなので、そこだけぶれないようにして、あとはまったく新しい「ルパン三世」を作ることを心がけました。
MC:撮影にあたってチャレンジされたことはありましたか?
小栗さん:
僕は痩せるというところから始まったので、痩せることですね。あとは英語が苦手なので、英語を喋るというのはかなりのチャレンジでした。
玉山さん:
旬が言った外見的な身体作りもそうですが、僕はガンアクションがたくさんあったので、ガンアクションや英語ですね。
小栗さん:
玉山くんはタイの生活に慣れるのもかなりチャレンジだったと思います。
玉山さん:
タイのチェンダオというところで撮影したんですけれど、着いてすぐにお湯も水も出ないという事態に巻き込まれて、僕は走って旬の部屋に行って「ごめん、シャワールーム貸して」という一日から始まりました(笑)。旬はじめ、メイサ、剛と一緒にお酒を飲んでいろいろな話をして、彼らはそういった事態をくぐり抜けられるように、忘れられるように勇気づけてくれました。
綾野さん:
僕、夏が嫌いなんですよ。もっと言ったら、暑いのが嫌いなんですよ。タイ、暑いんですよね。でも、五ェ門なので涼しい顔をしなきゃいけないので、暑さにチャレンジするという気持ちはありました。タイという国が好きになりましたね。
黒木さん:
体にフィットする衣装を着る機会が多くて、こうしたドレスを着た状態でヒールを履いてアクションをするのは大変でしたね。
綾野さん:
よくヒール履いてできたよね。すごいですね。
黒木さん:
練習しました。
浅野さん:
とっつぁんの役を僕にやらせるというのがまずチャレンジでした(会場笑)。まさかとっつぁんだとは思わなかったですね。ずっと「ルパン三世」のファンですから、実写化も期待していましたし、そういう話もしたことありましたけど、そうした中で「誰がルパンをやるんだろう?」という話になると、僕は友達から「お前は次元だろう」と言われていたので「そうだよね。ヒゲも生えているし。まあ、あとは着物を着れば、五ェ門もいけるだろう」と言っていたんですけれど、とっつぁんがきたかと(会場笑)。最初は無理だと思ったんですけれど、チャレンジするしかないと思って引き受けさせてもらいました。
MC:まさにそこが見どころですよね。
浅野さん:
よろしくお願いします(笑)。
ジェリーさん:
私は英語が苦手なので、それが一つですね。あと、今回の撮影が終わってから、アクションシーンはとても難しかったなと思いました。
北村監督:
優等生っぽいことばかり言っているので、ちょっといいですか? ジェリーは「日本人のきれいな女の子と仲良くなりたい。紹介しろ」と言っていました(笑)。
MC:そのチャレンジ精神はあったんですね!
北村監督:
あったんですけれど、なにせメイサ姫と、マリア役の中山由香以外(女性キャストが)いないんですよ。なので、「監督の力でなんとかならないの?」「悪いけどないな」というやりとりをしていました(会場笑)。
キムさん:
私も言葉ですね。日本語も英語も韓国語も使うので、「一体、僕はどこの国の人なんだろう?」と思いました。特に日本語が難しかったので、セリフ以外にも皆さんに言ってもらったものを録音して、それを聴いて練習しました。特に小栗さんバージョンがお気に入りで、それを聴いてよく練習していたので、もし僕の日本語がヘタだなと思ったら、それは先生だった小栗さんのせいだと思います(会場笑)。
MC:全編にわたってリスペクトが感じられますが、演じる上で意識したことはどんなことでしたか?
小栗さん:
本当にいろいろな時代の「ルパン三世」があり、僕らもいろいろな「ルパン三世」を観てきたので「どうしようかな」と思いました。台本の中に、絶対にこれってそういう意味で(アニメを意識して)書いているよなと思うシーンがあったりして、浅野さんとも「どうしても、とっつぁんだと思うと声がああいう(アニメの)感じになっちゃうんだよな」と話したり、僕も意識している訳ではないのだけれど、どこかにあのイメージがあるのでそういう喋り方になってしまうこともあったりして、監督と「いろいろやってみるので、監督がバランスとってください」と話したりしながらやっていました。
MC:え、どういう感じだったんですか?
小栗さん:
え、やだよー! 無理無理、本当に無理だから!
北村監督:
旬、今日はファンサービスなんだから(会場大歓声)。
浅野さん:
さっき練習していたじゃん(会場笑)。意外に真面目なので、練習しているんですよ(笑)。
小栗さん:
だってこれミスったら、これから観るのにテンション下がるでしょう?
北村監督:
大丈夫。
小栗さん:
えー、マジか!
綾野さん:
旬、よろしく(笑)。
小栗さん:
(黒木さんに)ちょっと「ルパン」って言ってもらっていいですか?
北村監督:
メイサが「ごめんね、ルパン」って言わないとね(笑)。
黒木さん:
えー! ああ、もう本当に! 覚えておいてくださいね! じゃあ、ちょっと後ろを向いてもいいかな? (小栗さんも一緒に後ろを向く)監督、「よーい、アクション」ください。って、この絵おかしいでしょう(笑)?
北村監督:
はい、じゃあいきますよ。レディ、アクション!
黒木さん:
ごめんねえ、ルパン…。
小栗さん:
そりゃ、ないぜ~! ふ~じこちゃ~ん(会場大歓声)!
MC:玉山さんは次元役を熱望したそうですが、熱意の源はどんなところだったのでしょう?
玉山さん:
まず又さんと監督とお会いする時に、家にある、一番次元がかぶっていそうな帽子を選んで黒いジャケットで行ったんですけれど、誰も触れてくれなかったんですよ(会場笑)。僕は意気込んで行ったんですけれど、スルーされてしまいました(笑)。
MC:五ェ門はデフォルメされたキャラクターで役作りは難しかったのではと思いますが、どんなことを意識されましたか?
綾野さん:
たしかにデフォルメされた役なので、逆に固めやすかったですね。そういう妙なプレッシャーは排除して、なるべく記号に徹してやりました。五ェ門はわりとあり得ないことをするので、自分を騙しながら、「五ェ門は当然のようにできるんだ」と思いながらやっていました。ただもうやるしかないなと。
玉山さん:
一ついいですか? 剛くんはすごく溜めて言うんですけれど、言っていることは普通のことなんですよ。それが面白くて(笑)。たぶんまだ五ェ門の役が抜けてないんだと思います。
綾野さん:
鉄ちゃんの声がこもりまくっていて、何を言っていたのか全然聞こえないの(会場笑)。
北村監督:
鉄ちゃんは結構、説教好きなの(笑)。剛によく説教しているよね。でも、そんなこと言いながら、鉄ちゃんも銃を回さなきゃいけないんだけれどヘタくそで、ボンボン落としてフローリングの床をぼこぼこにしていたよね。なのに剛には「剛さあ」って説教するんだよね。だから、気にしなくていいよ、剛。
綾野さん:
だから、鉄ちゃんが何を言っていたのか全然聞こえてなくて(会場笑)。
MC:峰不二子は肉食系なのにさりげなく優しさを見せますが、監督からどんな演技指導を受けましたか?
黒木さん:
本当に男性も女性も魅力を感じるキャラクターだと思います。現場に入る前に監督とお話しさせてもらう機会があって、「現場で作っていくから」ということを仰っていたんですが、本当に不二子を美しく撮るためにいろいろな角度からいろいろな撮り方をしてもらったり、「こういった方がいいな」と英語のセリフをいきなり変えたり、いろいろなことがありましたがすごく感謝しております。
北村監督:
僕はメイサファンなので。メイサの「パレード」という曲があって、PVでダンスをしているんだけれど、それを踊れとは言いませんよ(会場笑)。でも、その振り付けを覚えようかなと思ったぐらいメイサ推しだったんです(笑)。本当にどんな状況でも弱音を吐かず、重い十字架を背負ってくれたのに愚痴も言わない。一度も見たことないです、機嫌が悪くなったところも。やっぱり彼女が頑張ってくれているからみんなも「姫が頑張ってるんだから、俺らも頑張ろうぜ」となったと思うし、そういう風にしてくれたいいムードメーカーだったと思います。すごくカッコいいので、皆さん、新・不二子を見てやってください。
MC:浅野さんは世界のいろいろな現場、監督と組まれていますが、今回の北村組はいかがでしたか?
浅野さん:
本当にいろいろな国に行かせてもらって、いろいろな方と撮影させてもらって、僕は以前にタイの映画に2本出たことがあります。それ以外にもタイで撮影したことがありまして、タイは本当にすごくお世話になって、いい思いもさせてもらっています。と同時にちょっと苦しい思いもしてまして…。というのも、僕はちょっとお腹が弱くて、それで撮影の初日に入院したり、お腹を壊したりしたことがあったものですから、ちょっとタイが怖かったんですね。この作品に入る前にフィリピンで違う作品をやっていて、それがすごく大変で、フィリピンが終わってタイに行くと考えた時にイヤになって、「やっぱり俺、おりる。やりたくない」と、事務所の社長でもある自分の父親に言ったんですけれど、「もう無理。引き受けたんだからやれ」と言われて…(笑)。いろいろな国に行っているんですが、やっぱりお腹を壊すのだけは不安で、でもタイに行ったら最高すぎて全然大丈夫でした。結果、オッケーだったんです(笑)。タイのスタッフは素晴らしいんです。いろいろな国の人がタイに来て撮影するぐらい、タイの人もタイのスタッフの人も優れていますし、料理もおいしいですし、またタイに救われたという感じがありました。
MC:マイケル・リーは心に闇を抱えた人物ですが、演じてみていかがでしたか?
ジェリーさん:
初めてこういう役柄にチャレンジしました。幸い、監督といろいろ話して演じる方法をたくさん教えてもらえたので、今回この作品に参加させてもらえてとても嬉しかったです。
MC:キムさんはルパン一味との撮影が多かったようですが、日本のキャスト陣との撮影はいかがでしたか?
キムさん:
最初にキャスティングの話をもらった時に、日本の俳優の皆さん、スタッフの皆さんと撮ると聞いて、韓国人は一人なのでちょっと寂しい思いをするんじゃないかなと思いました。撮影が始まったら、一人で部屋にこもってセリフばかり覚えるような日々を過ごすんじゃないかなと思っていたんですが、到着したら本当に皆さんが温かく歓迎してくれて、配慮してくれて、積極的に親しみを持って接してくれたのですぐに溶け込むことができました。最後の方には自分の部屋にいるより、誰かの部屋にいる方が多くて、皆さんをお騒がせしたかなと思います(笑)。
MC:さて、この「ルパン三世」はアジアをはじめ、世界10数カ国で上映することがすでに決定しております。これからいよいよ世界初上映される訳ですが、改めて小栗さん、出来上がっての手応えはどう感じていますか?
小栗さん:
うーん、本当に嬉しいですけど、怖い部分もありますね。でも、楽しんでもらえたらいいなと思います。
MC:今回のキャンペーンでは、小栗さんにいろいろなものを盗んでもらいますが、今日は何を盗むんですか?
小栗さん:
今日は、ここにいる4000人のハートを盗もうと思います(会場大歓声)!
MC:いただきました。ごちそうさまでした!