東啓介 中川晃教 藤岡正明 大山真志
2023年5月、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』のチームBlackメンバーである中川晃教、藤岡正明、東啓介、大山真志によって結成されたコーラスグループ“JBB”。 『さよなら中野サンプラザ音楽祭』でのコンサートは大成功を収めた。2024年6月には大阪・東京・静岡・神奈川、そして追加公演となる名古屋でのコンサートツアーが行われる。公演に向けて合同取材会が行われた。
冒頭から和気あいあいとした雰囲気でスタートした取材会。まずはツアーが決まった時の思いを聞かれ、東が「中野サンプラザで初めて4人で合わせ、今回また実現できたのが率直に嬉しいです。色々な楽曲を歌えるのも楽しいし、JBBがどんどん広まったらいいなと思っているので、皆さんにも足を運んでいただき、音楽の楽しさを感じていただけたら」と語る。
中川は「元々私たちは『ジャージー・ボーイズ』というミュージカルで出会いました。ここ数年を思い返すと世界で様々なことが起きています。そんな中でも舞台の幕を開け、作品をお客様にお届けすることができた。また、その舞台中に、この4人でコーラスを続けられたらいいなと思い話をしていた、それが実現したのが2023年のJBBコンサート。始まったものを続けていきたいと動いたのが今回のツアーです。稽古場から本番まで苦楽を共にした関係性ですが、さらにJBBとして音楽やコンサートを作る上では自分たちが率先して意見を出して作っていく。とても熱い日々を過ごしています。これがツアーになると思うとワクワクするし、これが『ジャージー・ボーイズ』という舞台にも活かせると思うとドキドキします」と熱く語る。
藤岡は「いつ終わるのかなと思いながら聞きました」と茶化しつつ、「アッキーと同じ気持ちです。昨年コンサートをさせていただき、ご褒美のつもりだったけどこれが始まりなんだと感じました。2024ツアーが具現化し、大きく歩み出す喜びに満ちています」と話した。 大山は「始まりが本番の幕間で話した「こんなことができたらいいね」という思いでした。サンプラザに立っていてこんなに幸せなことはないと思っていたけど、お客様がすごく喜んでくれて。またやりたいという気持ちがずっとあり、今回はツアー。舞台の枠を超えて、別の事務所に所属している4人が集まってできるのがすごく幸せです」と語る。
公演の幕間で話したことをきっかけにスタートしたというこの企画。誰が言い出したか聞かれると東・大山が「アッキーさん」と言いつつ、東が「みんな幕間に聞いたって言ってたけど、僕は知らなかった(笑)」と明かす。
藤岡は「俺とアッキーはいいと思って、真志もいいねってなり、とん(東)は後から聞いたから別にやりたいわけじゃ……」といじり、東は「やりたいですよ!」と意欲をアピール。中川は「作品で味わった気持ちを原動力に新しいことを生み出し、その経験が再び舞台に帰ってくる。それをそれぞれが想像できたんだなと感じられて、あの日の2幕は最高でしたね。一致団結感があった」と共通の出演作である『ジャージー・ボーイズ』のセリフを用いて振り返った。
また、本来は帝国劇場で予定されていた本公演はコロナ禍で中止になった。リニューアルを迎える帝国劇場に対する思いを聞かれ、大山は「もちろんやりたいです。僕と東はコンサートには立てたけど、帝劇であの作品を演じることはできていないので」と話し、東も「シアタークリエ、日生、帝劇では、見る人の印象も変わりそうなのでやってみたいと思います」とうなずく。
藤岡は「逆にJBBで日本武道館公演をやりたい。日々進化し続けたいし、僕らが立っているところから新しい扉を開けたいし、それを皆さんにお届けしたい。目標は高く持ちたいですね」と今後の目標を掲げる。
中川は「帝国劇場が生まれ変わるには数年かかる。その時の自分たちを想像して、「さあ、この役ができますか?」と言われるとハードルもある。経験や過程を持って帝国劇場に再びこのメンバーで立つのは一つの目標になるのかな」と話した。
グループとして新たに挑戦したいことを聞かれると、藤岡が「サウンドにも深く関わらせていただいている視点から言うと、去年のコンサートは実験的な部分も含めてスタートしました。今回はより実験的な部分を強めつつ、前回行ったことの深みを増していくという両軸でお届けできるんじゃないかという手応えを感じています。ツアーで皆さんにお届けできる新たな楽曲・パフォーマンスについても動き出しているので、もしこれがうまくいったら、日本中どんなグループを探しても我々以上のコーラスグループはないと断言できる出来栄えになると言う自信を持ってお伝えしています」と話すと、3人はじわじわと困り顔になる。大山が「アッキーさんどんどん顔が下がってる(笑)」と指摘し、藤岡の「口から出まかせでも言っときゃいい! 書いてもらって期待してもらってなんぼ!」という言葉に3人は大笑い。
東は「1年ほどそれぞれの活動をしつつここに帰ってきました。個人的には、自分自身の能力をさらに上げて完成度をより高くできるように、6月まで頑張り続けたいです」と抱負を語った。大山は「僕らは普段からコーラスグループなわけではない。色々なところで得た表現などを歌詞に載せられる部分もあると思います。よりお客様に伝えられる音楽を届けられたら」と話し、藤岡の「自信はあるんですか?」と言う質問に「自信しかないです! ……言って怖くなっちゃった」とお茶目に締める。
中川は「舞台で個性を持って活躍しつつ、コーラスグループとして何ができるかを無限にチョイスできるというのが目指す方向かなと思います。前回は洋楽・邦楽、『ジャージー・ボーイズ』の楽曲を全部入れました。絶えず話題を自分たちから生み出せるのが理想。また、「4人のハーモニーをまた聴きたい」と思っていただくのが一番の目標です。各々が声を出し合い、歌うことを楽しむ気持ちが原動力になるのかなと思います」と語った。
今回はホール公演とビルボード公演でバンドの人数や構成も変わってくるという。さらに前回のコンサートのCD発売も決定。これからコーラスグループとして大きく動いていく。 藤岡は「CDについては僕らもまだ仕上がりがわからずドキドキしています。ただ、皆さんに聞いていただけることに対してワクワクしています。ツアーについては、俳優としての作品やライブで全国を回ることはあるけど、グループは初めてなので不思議な感覚です。僕が見たことのない景色が広がっていると思うので、1ページずつ大切に心のアルバムにしまっていけるツアーにしたいです」と意気込む。
東は「まさかCDを出せるとは思っていなかったので、嬉しいです。自分でも聞いたら当時の思い出がよみがえるだろうし、また聞きたいと思ってもらえる可能性の一つになりますよね。ライブなので雰囲気は少し違うと思いますが、聞いていただけたら嬉しいですし、ツアーでまた一つ変わったJBBをお届けできたらと思います。僕もグループをやるとは思っていなかったし、こんなに反響があるのも感謝しないといけないと思います。今年に限らず、ずっと活動していけるように自分を磨き、より多くの人の心を掴みたいと思います」、大山は「最初のコンサートがCDという形になることが嬉しかったです。舞台だとDVDになることは稀なので、ものとして残るのが嬉しい。ツアーは場所によって構成が変わるということで、色々なJBBが見れるんじゃないかと思います。そこを楽しんでほしいです」と話す。
最後に中川が「CDにはこのグループが生まれた瞬間の声とハーモニーが収められています。ハーモニーは藤岡さんが筆頭に、ソロとは違う面白さを作りました。手に取ってくださった方もぜひ一緒にJBBを育てていただけたら。宝物に思える1枚がリリースされることが楽しみです。ツアーについては名古屋の追加公演も決まり、ホールとビルボードでのライブがあります。フットワーク軽く色々な場所にいきたいです。今後も色々な方から「ぜひJBBに来てほしいです」と言ってもらえるように活動していきたいですね。ホールだとホールの見せ方があるし、ビルボードはより近い距離で楽しめる。どちらにおいても私たちが俳優として培ってきたものを活かせるのかなと思います」と締め括った。