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2022年9月5日 18:00

岡宮来夢インタビュー!! 「進撃の巨人」-The Musical-で主人公エレン役「一歩を踏み出す力を舞台でも届けられたら」

取材/RanRanEntertainment

コミックス累計発行部数が世界累計1億部1千万部を超える大ヒットマンガ『進撃の巨人』が舞台化される。『進撃の巨人』は、巨人が全てを支配する世界の中で、巨人の餌と化した人類の戦いを描いた超大作アクション。今回の舞台化では、歌とステージングによるアナログな演劇的手法と、最新のテクノロジーを駆使した斬新なスペクタクルの融合、複数の音楽家による幅広い楽曲で、ミュージカルならではの、新たな『進撃の巨人』を生み出す。

主演のエレン・イェーガー役を務めるのは、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズの鶴丸国永役や帝国劇場のミュージカル『王家の紋章』のルカ役でも知られる岡宮来夢。ミカサ・アッカーマン役を高月彩良、アルミン・アルレルト役を小西詠斗、リヴァイ役を松田凌、エルヴィン・スミス役を大野拓朗が務めるなど、豪華なキャストたちが脇を固める。

今回は、岡宮に本作への出演が決まった時の心境や本作の魅力、さらには俳優業への想いを語ってもらった。

 

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――エレン役でのご出演、おめでとうございます。お話を聞いた時の率直な思いを教えてください。

僕にやらせていただけるなんてという驚きと喜びと、そして「どうやって舞台化されるんだろう」という思いがまずありました。映画では僕の大好きな三浦春馬さんがエレンを演じられていたので、同じ役をやらせていただけることもすごく嬉しかったです。

――出演が決まって原作はご覧になられましたか?

もちろんです! 手に汗握る展開で、読んでいて心が休まる瞬間がありませんでした。圧倒的なまでの弱者である人間が、強大な力を持つ巨人に立ち向かっていく姿は本当にすごいなと思いながら読んでいます。僕がもし、この世界にいたら絶対に調査兵団には入りたくないです(笑)。もしかしたら、エレンのように小さな頃からツラい出来事に遭遇し続けていたら、立ち向かえるようになるのかもしれませんが、平成令和を生きる岡宮来夢には、まだ分からない部分もたくさんあります。今回、エレンを演じる上で、そうした部分を一つひとつ紐解いて、役を作っていきたいと思います。

それから、今の世の中、心が折れてしまうような出来事がたくさんありますが、そういう時にこそ諦めずに立ち向かっていく強さを持ったエレンをはじめとした調査兵団の皆さんの姿に勇気をもらいました。背中を押してくれる作品でもあると思いますので、一歩を踏み出す力を舞台でも届けられたらいいなと思います。

――岡宮さんが演じるエレンという役については、今現在はどんな印象がありますか?

幼い頃に悲しい経験をたくさんしてきたエレンは、僕とは見てきたものが全く違うので、共感できると言ったら浅くなってしまうと思いますが、でもマンガを読んでいると「そうなるよな」と思うところはたくさんあります。エレンの一番の魅力は、強靭な精神力や諦めない心だと思うので、僕もそこは見習いつつ、大事に演じたいと思います。

――ビジュアルとPVも公開されましたが、実際に衣裳を着用した感想を教えてください。

立体機動装置が重かったです。エレンや調査兵団の人たちは、これをつけて移動して、空中で速い動きをしているのですごいなというのが正直な感想です(笑)。ですが、やっぱり衣裳を着させていただくのは身が引き締まる思いがあります。エレンは、巨人に対する憎しみや怒りといった負の感情を持ちながら立ち向かっているシーンが多く見られるキャラクターなので、一筋縄ではいかないなと、ビジュアル撮影で改めて感じました。僕は、2年前に5 Guys Shakespeare Act1:[HAMLET]という作品で、復讐心に満ち溢れたハムレットを演じさせていただいたのですが、その時も目の下に自然と隈が出来てしまうような、そんな顔つきになっていたので、今回もその時のことを思い出しつつ、憎しみに燃える表情が作れていればいいなと思います。

――今、お話にあったハムレットもそうですが、負の感情が強いキャラクターを演じる時、岡宮さんは役をプライベートでも引きずるタイプですか? それとも稽古や本番が終わるとスパッと切り替えるタイプですか?

引きずってしまうタイプかもしれないです。その時に自分が演じているキャラクターや作品の色によって、テンションが違うとはよく言われます(苦笑)。

――それだけ役について考えているということでもありますよね。今回、演出は植木豪さんが担当されますが、植木さんの演出にはどんな期待がありますか?

植木さんの演出は、カッコよくてショーの要素がある、ハラハラドキドキする作品が多い印象があります。『進撃の巨人』にピッタリだと思いますし、どんな舞台セットでどんな演出になるんだろうとすごく楽しみです。この作品は、「人間 対 巨人」の戦いをメインにしながら「人間 対 人間」の戦いも描いているので、そうした深みのある物語をお伝えできるように、植木さんと共演者の方々と話し合いながら、『進撃の巨人』の世界観をしっかりとお届けできるよう頑張りたいと思います。

――巨人をどう表現するのか、立体機動装置での動きをどう演じるのかというのも楽しみです。

そうですよね。『進撃の巨人』を舞台化すると聞いて、皆さん、最初に「巨人をどうするのか?」と。僕もそう思いましたから(笑)。なので、僕も楽しみにしていますし、アクションシーンで体が動くように柔軟は欠かさずやっておこうと思っています。

 

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――今回のエレンもそうですが、岡宮さんはこれまでも原作ファンから人気の高いキャラクターを演じることも多かったと思います。人気キャラを演じる時に、特に意識していることはありますか?

ありがたいことに人気のある役柄を任せていただくこともありますが、人気だからどうこうしようということは特に考えていません。もちろん、ファンの皆さんそれぞれの役の解釈があるでしょうし、その役、作品にそれぞれ想いを持っていると思うので、僕が考えるのは、その作品と役を通して何を伝えたいか、作品を通して何をどう届けるかだと思います。

――今回、ランランエンタメ!では初めてインタビューをさせていただくので、ぜひ岡宮さんご自身のことについても教えてください! 岡宮さんはいつ頃から俳優を目指していたのですか?

中学3年生の時から「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」を受けていて、3回目の高校2年生の時に準グランプリを受賞することができて、この世界に入ることができました。もともと、小さい頃から野球をやっていて、プロ野球選手になりたかったんですよ。それで、リトルリーグに入ったんですが、みんなすごくうまくて…そこで挫折してしまったんです。僕の「来夢」という名前は、両親が「夢を持って過ごしてほしい」という希望を託してくれた名前で、その名前どおりに育ててもらっていたので、その後、野球ではない夢を探そうと思っていた時に、「ごくせん」というドラマに出演していた三浦春馬さんを観てすごいと思ったことを思い出して、俳優を目指してみようと思いました。それが中学2年生の時で、母に伝えたら「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」を教えてくれて、それで応募して、ありがたいことに今、ここに立たせてもらっています。

――なるほど。では、お芝居の面白さはいつ頃から感じていましたか?

映画もドラマも観るのはずっと好きでしたが、実際にやってみると難しいことばかりで、自分の力不足を実感していたのでツラいと思う方が多かったように思います。ミュージカル『刀剣乱舞』 〜葵咲本紀〜に出演させていただいて、お客さまから拍手をいただけた時はすごく嬉しかったですし、何かを届けることができたんだと漠然と感じてはいました。ですが、本当に目まぐるしく走り抜けてきた感覚だったので、お芝居を手応えのあるものとして楽しめたかというとそうではなかったように思います。その後、ハムレットを演じた時に、ほんの少しだけ手応えみたいなものを感じることができました。それが最初に感じた「面白さ」かもしれません。

今(取材当時)出演しているミュージカル『刀剣乱舞』鶴丸国永 大倶利伽羅 双騎出陣 〜春風桃李巵〜も、やっぱり一筋縄ではいかなくて、大変なことがたくさんあります。もちろん、できるようになったと自覚できることもあったので、それはすごく嬉しかったのですが、自分の未熟さに落ち込むことも多いんです。まだまだ手放しでお芝居が面白いと思えているわけではありませんが、幕が開いて、お客さまの前に立った時、やっていて良かったと思えるので、その瞬間のために続けているんだなと思います。

――お芝居を続けていく原動力は、お客さんの反応なんですね。

それに尽きます。もちろん、俳優というお仕事は自分のためにやっていることではあるんですが、やはりそれをお客さまに観ていただかなければ意味がないと思うんです。僕がステージでお芝居をすることで、観に来てくださった方の気持ちを少しでもプラスにできたらと思って頑張っているので、僕の原動力は観に来てくださる皆さんです。

――岡宮さんから感じる素直さ、誠実さ、真摯に向き合う姿勢は俳優としての利点でもあると感じますが、岡宮さん自身は、自分のどんなところが俳優に向いていると思いますか?

僕自身、向いていると思うことはあまりないですね。才能がないなと思うことばかりです。ですが、才能やセンスのある方に出会った時、やっぱり悔しいと思いますし、負けたくないと思うので、到底敵わないと思っても諦めずに向かっていける前向きさはあるのかなとは思います。ただ、最近になって、僕は自分のことに関してはネガティブなんだなということに気づきました(笑)。これまで自分のそういう一面はあまり感じていなかったんですが、こうして改めて自分を見つめ直すことができるのも俳優の楽しいところの一つでもあると思います。

――岡宮さんが理想とする俳優像は?

僕は作品や役を通じて皆さんに何を届けられるかを常に考えて演じていますが、それができる圧倒的な実力を得たとしても、おごり高ぶることなく、それを後輩に伝えてあげることができるようになるのが理想の俳優像なのかなと今は思っています。自分の実力はもちろんですが、後輩たちも一緒になってその作品の底上げをして作品を作り上げていったら、きっともっと届けたいものをお客さまにしっかりと伝えることができると思うので、そういうことを伝えられる俳優になれたら嬉しいです。

――ところで、『進撃の巨人』は漫画が原作となりますが、岡宮さんは普段から漫画やアニメを観たり、ゲームをプレイしたりしますか?

ゲームもしますが、漫画やアニメも大好きで、学生時代から色々な作品を読んでいます。もちろん、自分が携わらせていただいた作品は全て揃えていますし、それ以外も話題の作品は一通り観てきました。『進撃の巨人』は、学生時代の友人から「本当に面白いから絶対に読んだ方がいい」とおすすめしてもらっていたんですが、ストーリーが難しく、複雑になっていくから、時間があるときに一気読みするのが良いと聞いていたので、なかなか読めないでいたんです。時間があるときにしようと思って。なので、今回、そのきっかけをいただき、今、すごくハマっています。

――『進撃の巨人』以外で今、ハマっていることは?

今はまだ、なかなか行けないですが、旅行に行きたいです。キャンプに行って自然を感じたいですし、僕は一度も海外に行ったことがないので海外にも行きたいです。これまであまり遠出したことがないんですよ。なので、世界各国、日本各地のおいしいものを食べ、それぞれの土地の文化に触れたいと思っています。

――今はコロナ禍で、地方公演に行っても、食べ歩きも観光もなかなか難しいですもんね。

そうなんです。でも、飛行機に乗っただけでも旅気分が味わえて楽しいですよ。この間、ミュージカル『刀剣乱舞』 〜真剣乱舞祭2022〜で福岡に行った時に、空港を出たらヤシの木が並んでいる道路があって、それだけで「南の島に来た」と楽しい気分になれました。

――ありがとうございました!! 改めて作品への意気込みと公演を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

ここまで読んでいただきありがとうございます。『進撃の巨人』がミュージカルになると聞いて、「どうなっちゃうんだろう」と思っている方はたくさんいらっしゃると思いますが、同じように僕も今、ドキドキワクワクしています。憎しみや怒りを描いた作品ですが、そうした生々しさや世界観を味わっていただきながらも、絶望に立ち向かっていく心をお届けしたいと思っています。ぜひ劇場にいらしてください。

 

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「進撃の巨人」-the Musical-
諫山 創による漫画『進撃の巨人』を、ミュージカル作品として舞台化!
2023年1月に、東京と大阪で上演決定!!

【公演期間・劇場】
<大阪>2023年1月7日(土)~1月9日(月)  オリックス劇場
<東京>2023年1月14日(土)~1月24日(火)  日本青年館ホール

原作:諫山 創「進撃の巨人」(別冊少年マガジン/講談社)
演出:植木 豪
脚本:畑 雅文
音楽監督:KEN THE 390
作詞:三浦 香
【出演】
エレン・イェーガー役:岡宮来夢
ミカサ・アッカーマン役:高月彩良
アルミン・アルレルト役:小西詠斗
ジャン・キルシュタイン役:福澤 侑
マルコ・ボット役:泰江和明
コニー・スプリンガー役:中西智也
サシャ・ブラウス役:星波
ハンネス役:村田 充
キース・シャーディス役:林野健志
ディモ・リーブス役:冨田昌則
カルラ・イェーガー役:舞羽美海
グリシャ・イェーガー役:唐橋 充

ハンジ・ゾエ役:立道梨緒奈
リヴァイ役:松田 凌
エルヴィン・スミス役:大野拓朗

主催:「進撃の巨人」-the Musical-製作委員会
チケット料金:13,000円(全席指定/税込)
一般発売日:2022年11月5日(土) 10:00~

詳細は公式サイト・公式Twitterにて!
■公式サイト https://shingeki-musical.com
■公式Twitter @shingekimusical
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」-the Musical-製作委員会

 

<文:嶋田真己>

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