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2023年10月31日 06:00

東出昌大「普段は絶対にお目にかかれない人たちがぐちゃぐちゃやる舞台」 『ハイ・ライフ』稽古場取材会

まつもと市民芸術館プロデュース『ハイ・ライフ』稽古場取材会が10月30日(月)に、神奈川某所で行われ、東出昌大、尾上寛之、阿部亮平、小日向星一が出席した。

左から)小日向星一 尾上寛之 東出昌大 阿部亮平

本作は、1996年カナダにて、権威あるドーラメイヴァームーア賞を受賞。2009年には映画化、その後は、第31回ジニー賞で脚本賞にノミネートされ、カナダ全土だけでなく、オフ・ブロードウェイやシカゴ、ロンドン、東京、ソウルなど世界各国で上演され続けている作品だ。

物語は、ある計画のために集まった4人の男たちが主人公。前科まみれのディック(東出)に、刑務所帰りのバグ(阿部)、コソ泥のドニー(尾上)、そして女に貢がせてばかりのビリー(小日向)は、みんな違法薬物に手を染めた筋金入りのジャンキーだ。そんな4人が一攫千金を狙って銀行強盗を企てるが…。

この日の公開稽古では、ディックがドニー、バグ、ビリーの3人を集め、一攫千金を狙い銀行強盗の計画を打ち明ける場の一部シーンが公開された。呂律も回らず、薬が抜けていないまま話し続けるドニー、ドニーに殴りかかるバグ、殴りかかってきたドニーにナイフを出して応戦するビリー、みんなの緩衝材となって場をまとめようとするディックと、それぞれの個性が色濃く出たシーンとなっていた。

取材会では、まず阿部が「僕が演じるのすぐキレる役です。初めてこうした本格的な舞台に挑戦するので、自分の中のリミッターを振り切ってやっていきたいと思います」と思いを述べた。

続いて、東出が「普段、言い慣れない言葉や悪い言葉、テレビでは放送できない言葉が飛び交いますが、その世界線でリアルに生きている人を演じるので、リアリティのある、そして普段は絶対に観られないお芝居を観せられれば」と語り、尾上も「みんなで関係性を作りながらの稽古だったので、まだ深められていないところがいっぱいあります。これからどんどん深めていって、(本番では)今日観ていただいたものとどれだけ違うのかを楽しみにお待ちいただければ」と呼びかけた。

そして、小日向は「ビリーは、ぱっと見、どこにでもいそうな大学生のようなかわいらしさを持っている青年ですが、実は女性をたぶらかせて薬を手に入れている悪いやつです。僕とは似ても似つかないキャラクターなので、頑張って演じたいと思います」と意気込んだ。

稽古場での様子を聞かれると、東出は「健全です。芝居は不健全ですが、人間関係や雰囲気はすごく楽しくやっています」と回答。尾上も「演出の日澤さんがすごく丁寧で、みんなの意見を聞いてくださって、『こうやろう』と柔らかく、受け入れながらやってくださるので、稽古場の雰囲気が素晴らしい」と明かした。

また、東出の印象について聞かれると、阿部は「真面目です。常にお芝居のことを考えているし、日澤さんにすぐに相談しにいく。それは昔からあります」と話す。尾上も「本の本質を掴もうと考えているので、そこは見習おうと思います。一緒にお芝居をするのが楽しい」と絶賛した。

現在は、事務所から独立し、フリーランスとして活動しているという東出だが、自身の仕事について聞かれると、「すぐに一杯一杯になってしまいますが、コツコツとやっています。今も仕事が溜まっていますが、(舞台のお仕事に入ってしまうと)舞台のことしか考えられないので、色々とご連絡をもらっていてもごめんなさいと」とコメント。狩猟生活をしていることも話題となったが、稽古中の現在は「こっちに家を借りたりしています。北関東に住んでいるので、休みの日は帰っていますが」と明かした。

最後に東出は「ジャンキーで社会の隅の隅の掃き溜めにいるような、普段は絶対にお目にかかれない人たちがぐちゃぐちゃやる舞台なので、ストレス解消という思いで観に来ていただければ、疾走感のある物語をお届けできると思います」と胸を張り、会見を締めくくった。

まつもと市民芸術館プロデュース『ハイ・ライフ』は、以下の日程で上演。
松本公演:2023年11月23日(木・祝)~26日(日) まつもと市民芸術館 実験劇場

東京公演:2023年12月1日(金)~6日(水) 吉祥寺シアター

 

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