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2024年5月11日 05:00

昆夏美「新しい作品が生まれる瞬間に立ち合えていることが光栄」、大原櫻子「笑顔で劇場を去ることができる温かい物語」 ミュージカル『この世界の片隅に』開幕記念会見

日本中を涙した不朽の名作がアンジェラ・アキのオリジナル楽曲に乗せてミュージカル化。『この世界の片隅に』が日生劇場にて5月9日(金)に初日を迎えた。その翌日には開幕記念会見が行われ、浦野すずを演じる昆夏美と大原櫻子(Wキャスト)、北條周作を演じる海宝直人と村井良大(Wキャスト)、そしてアンジェラ・アキが登壇した。

5月9日(金)公演には昆と海宝が出演した。初日の手応えと、色に例えると何色かを問われ、昆は、色について「新作のミュージカルですので、まだ色が全くついてない状態の白。この作品の温かみという部分を入れると、真っ白というよりオフホワイトかなと思いました」と応え、初日には「お客様によって作品が誕生するというのは本当だなと感じた。最初お客さまは新作ということで、ワクワクだったりソワソワだったり。初めはシーンとしていて、徐々にこの作品の温度感を受け取ってくださり、劇場が一体になっていって、笑いや拍手を改めて肌で感じました」と手応え十分。

海宝も同様に「原作はありますけれども、新作で世界初演のミュージカル化ということで、お客さまも、そして僕たち演者も緊張感があるところから始まりましたが、お客さまには本当に温かく迎えていただき、お客さまの反応を肌で感じられるいい初日を迎えられたと思います。お客さまによって、1色というよりは、様々なパステルな優しいカラーを作品に彩っていただいたという感じがしております」と大好評を得て安堵していた。

10日(金)公演に出演する大原と村井にも同様の質問が。大原は「先程、通し稽古を終えたんですけれども、今の率直な気持ちはオレンジ。この作品って温かい気持ちで劇場を出られると感じたのでオレンジです」と緊張した面持ち。

村井も「僕自身、最後のリハーサルを終えたときは、青色だったんです。自分でもびっくりするぐらい冷静で、だけどこれから本番に向けていくために、赤を混ぜて紫にしないと思いながら、(本番に)臨みたいと思います」と気合いを入れていた。

アンジェラは「四人のおっしゃっている色は、私の中でもしっくりくる。昨日の本番を観させてもらい、ホワイトも分るし、海宝君の言っている色も分るし、これからやる二人の色も分る。私は作品とともに4年近く時間を費やして、ピアノとずっと向き合って作ってきたものが、演者さん全ての人たちの声を通して、新しいものに生まれ変わったと思うので、やっぱりお客さんと一緒に作っていくカラーだなと思う。自分の言葉を借りて言いますけど、本作は(本ミュージカルの楽曲)『自由の色』。それぞれの公演が違う色に染まっていく。本当に毎晩、自由な新しい作品が生まれるような気がします」と纏めていた。

本ミュージカルの楽曲に3年半取り組んだアンジェラだが、「原作が持っている温かさ、ピュアなこうの史代先生の作品をどう音楽化するか、上田(一豪)さんの素晴らしい台本をどのように支えられるか(に時間を費やし)。最初に出来たのが、『醒めない夢』と『端っこ』。これらが出来上がったときに見えた!と思いました。それを乗り越えた後はバランスをどうとっていくかだったので、最初の2曲に時間を費やしたと思います」と振り返った。

アンジェラが提供する楽曲の印象について、昆は「すごく没入感のある楽曲が多いし、没頭できるというかその中に入り込める楽曲が多いなと思って、本番ではどういう印象を受けるんだろうというのがすごく楽しみ」、海宝は「原作とマッチした瑞々しい楽曲だなというのが最初の印象。音楽の力が、この作品の推進力になっている感じています」、大原は「『端っこ』と『醒めない夢』を聴かせていただき、涙が止まらない感動があって、この2曲以外にも懐かしいような感じが曲からぐっと引き出される」、村井は「全ての曲が耳に残り、そして心地よく聴けてしまうので、役を忘れて歌いたくなっちゃうところもあるのと、他の方たちが歌ってる楽曲を、自分も勝手に口ずさんでいたりするようなぐらい耳にも残るし心にも残るし、温かさもある」などと絶賛していた。

次に、各自好きなシーンを披露。村井「一番好きなシーンはスイカのシーン。ぜひセリフ込みで全部を感じ取っていただければと思います。ちなみに、本物のスイカを食べています。どこから取り寄せてるか分らないけど高価なやつじゃないですか。スイカが美味しいです(笑)」、大原「やっぱり桜は美しい。『花まつり』の曲をみんなで歌うシーンなんですけど、歌とセットに感動して、それだけでも泣ける感じ。櫻子っていう名前からも親近感があって大好きです」、昆「好きなシーンがいっぱいあるんですけど、物語の始まりの『この世界のあちこちに』。幕が開いて最初に届ける歌ですし、お客さまの心をグッと掴んで物語が進んでいけば、こっちの勝ちかなというか掴みが大事と思うので、責任を持ってお届けしたい」、海宝「個人的には水原哲さんとすずの納谷のシーンがとても好きです。とにかく繊細でバックに流れているアンジェラさんの音楽とお芝居の高まり方、描き方がとても素晴らしい。僕は次の出番を待っていて、その後にヤキモチを妬くシーンになっているんです。あのシーンが良ければ良いほどこっちは得られるので、あのシーンは本当にいいシーンだなと思いながら観ています(笑)」と各自の推しをアピール。

そして、アンジェラは「私はお芝居の世界の人じゃないから、お芝居に圧倒される。桜のシーンでは二人のキャラクターがすれ違うシーンに号泣。喋らなくても泣けるのはすごい演技力だなと思うし、いつも圧倒される。それぞれの周作の思いがビシビシきて毎回フレッシュな気持ちであのシーンを観ていて、とっても好きです。もう1個は最後の方で、すずと妹のすみちゃんが会話をするシーン。あれも涙せずには観れないです」と号泣するシーンを紹介した。

最後に、大原は「戦時中の話ということで、多くの方が暗い気持ちになるのではと思われるかもしれないですが、戦争の悲惨さはもちろん描かれているんですが、重きに置いているのは、すずが居場所を探していく、その成長の話で、すごく普遍的な話。最終的には観たお客さま皆さんが絶対に笑顔で劇場を去ることができる。それくらい温かい物語になっていますので、ぜひ多くの方にご来場いただきたいですし、4人の組み合わせによって、受け取るお芝居の感じが全然違うと思うので1回とは言わず、4回観に来てください」、そして、昆は「新しい作品が生まれる瞬間に自分が立ち合えていることが光栄です。稽古していく中で、皆さんがこの作品を愛し、より原作をリスペクトしつつ、ミュージカル化する意味を考えながら、どうやったら最大限にお客さまにお届けできるかを考えながら作っていった稽古期間でした。温かい人たちが温かい空気の中、この温かい作品を届けられることがとっても嬉しいです。日本人が作る日本の物語を全国にお届けできるのは、とても貴重なありがたい機会だと思うので、ぜひ作品に出会いに来ていただければと思います」と二人で本作をアピールして会見を締めくくった。

ミュージカル『この世界の片隅に』公演スケジュールは次のとおり。

東京公演:5月9日(水) 初日~5月30日(水) 千穐楽 日生劇場
全国ツアー公演
北海道公演:6月6日(木)~6月9日(日) 札幌文化芸術劇場 hitaru
岩手公演: 6月15日(土)~6月16日(日) トーサイクラシックホール岩手 大ホール
新潟公演: 6月22日(土)~6月23日(日)  新潟県民会館 大ホール
愛知公演: 6月28日(金)~6月30日(日) 御園座
長野公演: 7月6日(土)~7月7日(日)  まつもと市民芸術館
茨城公演: 7月13日(土)~7月14日(日) 水戸市民会館 グロービスホール 
大阪公演: 7月18日(木)~7月21日(日) SkyシアターMBS
広島公演: 7月27日(土)~7月28日(日) 呉信用金庫ホール

アンジェラ・アキ アルバム情報
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詳細は⇒ https://www.angela-aki.online/

Sony Music Labels Inc.

 

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