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2023年8月4日 12:00

【前編】土屋直武&梅津瑞樹「意外な一面もたくさん見られる」ステージに! 「チェンソーマン」ザ・ステージ インタビュー

2018年から「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載が開始され、現在第二部が「少年ジャンプ+」(同社)で連載中の、藤本タツキによる大人気コミック『チェンソーマン』が、「チェンソーマン」ザ・ステージとして初めて舞台化され、9月16日から上演される。主人公のデンジを演じる土屋直武と、クールなデビルハンター早川アキを演じる梅津瑞樹に公演への思いを聞いた。


――大人気コミックの舞台化ということもあり、とても注目の集まっている本作ですが、出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?

土屋 僕は今回、オーディションで出演が決まったのですが、主演に決まり驚きもありましたし、こうした大作に出演できるということが本当に嬉しかったです。オーディションではもちろん受かりたい気持ちが強かったですが、受かった後のことを想像もできなかったので、今でも、夢みたいな感覚です。

梅津 アキは20歳を超えたくらいの年齢だと思うので、僕で大丈夫かなというのが最初の感想です(笑)。ですが、出演させていただくからには、アキというキャラクターの魅力を漫画やアニメ以上に伝わるように頑張りたいなと思う所存です。


――原作の漫画を読んだり、テレビアニメをご覧になって、本作のどこに魅力を感じましたか?

土屋 アクションシーンがあり、ちょっとエッチなシーンがあり、人間ドラマもある、さまざまな要素が楽しめる作品だと思います。原作やアニメを観る前は、ヒーローものなのかなと想像していたので、意外な展開の連続に驚きました。

梅津 自分でもひねくれているなと思うのですが…僕は、 “ホットなものを熱いうちにいただかず後で楽しむ”というポリシーがありまして(笑)、この作品も盛り上がりが落ち着いてからじっくり楽しみたいなと思っていたんです。でも今回、お話をいただいて、我慢できずに原作の漫画を一気に読ませていただきました。率直な感想は、映画『イージー★ライダー』に近い無常観を感じる作品だと思いました。熱い想いを持って戦い、さまざまな気持ちが交錯するのですが、それでもどこか乾いたものを感じるという印象でした。いつ誰が死んでしまってもおかしくない感じがある。「週刊少年ジャンプ」っぽくない作品で面白いなと。


――アキを演じることについてはどう感じましたか?

梅津 アキは物語が進むにつれバックボーンが明かされていくキャラクターですが、現時点ではそこをどう作っていくのかがポイントになるのかなと思います。僕は最新巻まで読んでしまっているので、アキにどんな未来が待っているのか知っています。その未来は出てこなくても、アキという人物が抱えているものを根底に持って演じたら、お客様もきっと楽しいのではないかなと思っています。

――土屋さんは、デンジというキャラクターについて、今、どんなことを考えていますか?

土屋 初めて舞台で演じたのが、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズンの伊武深司という感情を表に出さないようなキャラクターでした。そこからは、クールなキャラを演じることが多かったのですが、今年、脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」という作品で、蒼葉という感情を出すことが多い役を初めて演じて、どうやって感情を出していくのかを学べたように思います。僕自身、普段から感情をさらけ出すタイプではなく、恥ずかしさの方が勝ってしまうので、今回、この恥ずかしさのストッパーを外して、さまざまな表現で見せていければと思っています。


――2.5次元作品では原作を大切にし、原作のキャラクターを見本として役作りをすることが大事だと思いますが、その中でも、どんなところからその役を膨らませていますか?

土屋 役作りと言えるのか分からないんですが、僕は、普段からキャラクターを意識して生活するようにしています。お客さまの前に立つ時は、当然、キチッとしていますが、どうしてもプライベートの時間では気が抜けてしまうので、ふと鏡を見た時などに、『自分は今、このキャラクターを背負っているんだ』と自分に言い聞かせて、常に意識しています。そうやって常にキャラクターを感じることで、より役に近づける気がするんです。なので、今回も、髪の毛をデンジに寄せたり、デンジを感じる持ち物を持ち歩いたりして、デンジや作品を常に感じて、考えるようにしたいと思います。

梅津 僕は2.5次元作品では、第一印象を大事にしたいと思っています。というのも、2.5次元舞台は、やっぱりあらゆる舞台作品の中でも特殊なところがあると思うんです。もちろん、原作を再現することが求められますが、生身の人間がやる以上、ただ再現するだけでは面白くないし、やる意味もない。そうなると、大事なのは、第一印象でそのキャラクターだと分かってもらえることだと思います。例えば、漫画を読んで皆さんが想像する口調や呼吸の仕方などを想像して、なおかつ観に来られる方の中の平均値としてあるものを事前に用意しておく。そこから自分の芝居の中で、ここを色濃くした方がキャラクターとしての立体感が出るということを考えていくという感じで僕は役作りしています。最初に舞台に登場した時の見た目や声、姿勢などの第一印象は2.5次元作品においてはかなり大事だと僕は思います。


――梅津さんは、2.5次元作品以外のストレートプレイなどにも多数出演されていますが、そうした作品との違い、難しさというのは感じていますか?

梅津 2.5次元作品は、原作を再現するという制約がありますが、それはある種、乗っかれるということでもあります。ですが逆に、先ほどの話にあったように、第一印象で「アキなんだな」とか「デンジなんだな」と納得させられるものを提示できるかどうかという難しさもあります。だから、一長一短だと思いますよ。オリジナル作品の場合には、役を0から作る難しさがあるし、その役を共感してもらえるものにできるかというのも苦労するところです。2.5次元作品には2.5次元作品特有の難しさがあるなということを感じています。


「チェンソーマン」ザ・ステージは、9月16日(土)~10月1日(日)に東京・天王洲 銀河劇場、10月6日(金)~10月9日(月・祝)に京都・京都劇場で上演。

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