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2023年10月12日 17:05

【後編】新木宏典&崎山つばさインタビュー 舞台『赤ひげ』、映画ともドラマとも違う“舞台ならでは”の世界観を作り上げる

左から)崎山つばさ  新木宏典

――今回、船越さんは舞台初出演だそうですが、船越さんとの共演についてはどんな楽しみがありますか?

新木 楽しみということであれば、やはり船越さんが初舞台に挑戦されるその時にご一緒できるということだと思います。映像の現場で活躍されてきた大御所の方が、この年齢で新しいことに挑戦される、そしてその姿を間近で見ることができるというのは、後輩役者からしてもとても刺激的ですし、楽しみです。

崎山 ビジュアル出演の時に初めて船越さんとお会いしたのですが、その時にカメラマンさんから「緊張してるね」と言われたので、どこかでオーラに気圧されていたのかなと思います。実際にどこまで津川としてくらいついていけるのかも楽しみですし、きっと僕も悩みながら、苦しみながら演じると思うので、崖っぷちに立った時には、船越さんに呼び止めてもらい、助けてもらいたいです。やはり船越さんといえば、“崖の人”なので(笑)。

――お二人はこれまでも共演経験があり、お互いよく知る間柄だと思いますが、俳優としてはお互いにどんな魅力を感じていますか?

新木 物語を進めていくには緩急や抑揚が必要だと思いますが、つばさは、緩急の“緩”の部分を担うとすごくナチュラルに、お客さんに一息つかせることができるんですよ。こわばってる筋肉をほぐしてあげられる、そんな空気を持ってる人だなと感じます。それは彼の俳優としての特性であって、才能。そうした役者の色に特化して、ブランド化することも可能なはずなのに、そこに甘えずに自分とは相性が悪いかもしれないと思うような役にも挑戦しているからすごい人だなと思います。役者として引き出しを増やそうとしていることも感じますしね。世間一般で言うと、デビューが遅い方だと思いますし、苦労したこともあったと思いますが、学びに対する鈍欲さをすごく持っている人だなと思います。それと同時に、成人してから始めたからこその熟練されていて、物事を選べる頭の良さを持ってるからこその急成長なんだろうなと感じます。

――崎山さんから見た新木さんは?

崎山 作品を観ていても、一緒に舞台に立っていても、存在感と安心感に関しては右に出るものはいないと思います。僕がまだ新木さんの存在を名前でしか知らない時、『ORANGE』という舞台作品を観たんですよ。消防士たちの物語だったのですが、今でもその作品を覚えているくらいすごく感動しました。その後に、ひろくんと話している時に、ずっと印象に残っていた、存在感があると思っていた役を演じていたのがひろくんだったと知りました。それくらい存在感があるんですよ。一緒に共演するようになっても、やっぱりステージに出た時の存在感がすごい。役としての佇まいがステージに立った瞬間からあるんです。それに、何かがあってもきっと修正してくれる、見守ってくれるという安心感もあって、助けてもらっています。今回の舞台でも一緒にやり取りするシーンでは、ひろくんの安心感と存在感に甘えつつも、これまで共演してきた僕とはまたちょっと違った一面を見てもらえたらと思っています。

――赤ひげは、医者として貧しい人を助けるために全てを捧げていますが、お二人が生きていく上で、または俳優として活動していく上で、これだけは譲れないと思っている信念はありますか?

新木 譲れないものはあまりないように思います。というのも、人間の寿命なんてたかが知れていると僕は思うので、僕ができることはそう多くはないんですよ。こだわっていることを言うならば、僕は自分にすごい才能があるとは思っていないので、器用ではないからこそ、プライベートに割く時間はないと思っています。例えば、家庭を持つとか、恋愛をするとか、おいしいものを食べるとか、たくさん寝るとか、そうした欲に割く時間がないんです。そこで小さな幸せを感じるくらいなら、役者として素敵な作品に出会い、その作品でお客さんが感動してくれる姿を見ることの方が圧倒的に大きな幸せを得ることができる。なので、プライベートは全て捨てるという選択をしています。

――そうした中で、息つく時間や癒しは必要ないですか?

新木 息つくのは移動中でいいと思っています。あとトイレ(笑)。気持ちを切り替えるためには、別の作品をやればいいだけなので、何か他のことで切り替える必要もないんですよ。受験勉強でも、休憩を入れるのは効率が悪いらしいですよ。勉強が好きな方によると、科目を変えれば気分転換になるんだから、休む必要はないらしいです。それと同じで、僕も作品が変わったり、現場が変われば自然とリフレッシュできる。幸いなことに僕は、役者業だけでなく、タレント業もあるので、リフレッシュはしやすい環境にはあるんだろうなとは思います。

――崎山さんは、どんな信念がありますか?

崎山 どれだけ熱中できるかを常に考えています。僕は人として秀でているものがないんですよ。何か得意なことがあるかと聞かれても、特にこれといって思い浮かばない。じゃあ、自分にできることってなんだろうと思ったら、もう熱中することしかないんですよ。例えば3ヶ月をかけて、その役の人生を生きることになるならば、どれだけその人のことを考えて、熱中できるかが大切だと思いますし、僕にできることはそれしかないと思っています。

――そうした中で、崎山さんにとっての癒しは? ちなみに、以前、ランランエンタメでご取材した時は「パンダの動画」とおっしゃっていました(笑)。

崎山 その時はたまたまパンダの動画が僕の癒しだったんでしょうね(笑)。

――今はいかがですか?

崎山 今は“もちまる”かな。コラボグッズも出ているくらい、有名な猫がいて、その動画をよく観ています。あとは、動物園に行くのも癒しですね。

明治座創業 150 周年記念赤ひげ
原作:山本周五郎『赤ひげ診療譚』より
脚本:堤泰之
演出:石丸さち子
出演:船越英一郎 新木宏典 崎山つばさ
      猪野広樹(W キャスト)高橋健介(W キャスト)/
    菅井友香/山村紅葉
東京公演  明治座
2023 年 10 月 28 日(土)~11 月 12 日(日)
大阪公演  新歌舞伎座
2023 年 12 月 14 日(木)~12 月 16 日(土)
公式サイト
東京公演 https://www.meijiza.co.jp/info/2023/2023_10/
大阪公演 https://shinkabukiza.co.jp
公式X(旧Twitter) @akahige_stage

 

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