河内大和 島田惇平
シリーズ累計発行部数1億2000万部を誇る荒木飛呂彦の大人気コミックシリーズを舞台化する、ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』が2月12日(月)から帝国劇場で開幕した。本作で描かれるのは、第1部 「ファントムブラッド」をベースとした壮大な物語。19世紀末のイギリスを舞台に、主人公ジョナサン・ジョースター(通称“ジョジョ”)と運命的な出会いを果たすディオ・ブランドーを中心に、〈謎の石仮面〉をめぐる熱き戦いと奇妙な因縁が綴られる。ランランエンタメ!では、切り裂きジャック役の河内大和とワンチェン役の島田惇平にインタビューを敢行。原作への想いや役作りについて、公演への意気込みなどを聞いた。
――まず、本作へのご出演が決まった時のお気持を教えてください。
河内:それはそれはうれしかったです。僕は、中学の頃からずっと漫画が大好きで、漫画家を目指していたくらいなんです。授業中に、学校の机に“ジョジョ”の落書きばかりしてました(笑)。それくらい大好きだったので、本当にうれしかったです。
島田:僕も同じですね。高校時代に、漫画が大好きな友達がいて、彼が「これ面白いから、おまえも読め」と言われて、持ってきたのが“ジョジョ”との出会いでした。それからハマってしまって、授業中もずっと読んでしまうくらいで(笑)。子どもの頃って、自分のエネルギーを具現化できると思って、みんなやっていると思うんですが。
河内:やらないよ(笑)。
島田:風呂場でお湯に手をかざして、念じて動かそうとしたり(笑)。“スタンド”のように自分も何か出せるんじゃないかと思いながら生活をしてたので、高校生で“ジョジョ”に出会って、「こういう感覚ってみんなあるよな」とリンクするところがあって、本当に大好きでした。
――お二人にとっては、今作のように漫画原作のミュージカル作品への出演は挑戦でもあるのかなと思いますが、それについてはいかがですか?
河内:僕は(本作の演出を担当する)長谷川寧さんとはご一緒したことはないのですが、寧さんが「NODA・MAP」に出演されていたときに何度かお話をさせていただく機会があったんですよ。そうしたご縁もあって、今回お話をいただいたのですが、僕自身もミュージカルにはとにかく1度、出演したいと思っていました。そうした思いがあったので、一昨年、伊礼彼方さんと一緒に『ダム・ウェイター』という作品にも出演したんです。そのときに、「僕もいつか帝劇に出てやるからな」と言っていたのですが、その後、すぐにお話をいただいたので驚きました。しかも“ジョジョ”だったので、恐れ多い気持ちはありましたが、すぐに飛びついて。僕はシェイクスピア作品にずっと出演しているのですが、あれも漫画のようなものだと思っていますし(笑)、“ジョジョ”のキャラクターはみんな人間臭い人物ばかりなので、それほど漫画だからという思いがあるわけでもないです。
島田:僕は、漫画が原作の作品では、昨年、ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』に出演させていただいたのが初めてでした。ですが、僕もあまりジャンルは気にしていません。踊りなのか、芝居なのかということも気にしてない。自分が興味を持ったところに飛び込んでいこうというスタンスでずっとやっています。今回の“ジョジョ”は、僕が役者を始めた23歳の頃から、いずれ絶対に舞台化するタイミングが来るだろうと勝手に思っていました。映像ではなく舞台化だと、勝手に確信していて、その日のために何ができるかと思いながら準備を重ねてきたところがあります。“ジョジョ”の好きなところの一つは身体性です。絵画から飛び出してきたかのような絵と、登場人物の体のデザインから飛び出してくるエネルギーに惹かれています。
――お二人が演じる役柄についても教えてください。
河内:切り裂きジャックは、まるで僕のために用意されたような役です(笑)。まさかやれるとは思ってなかった。(取材当時は)まだ何の準備もしていませんが、有名な馬から出てくるシーンは楽しみで仕方ないです。原作ではあまり深堀りされていませんが、今回の舞台版ではディオと歌で対話するシーンが切り裂きジャックを演じる上での大きなヒントになるのかなと思います。そのシーンでも、切り裂きジャックは何かを恐れているんですよ。だから、自分から攻撃を仕掛けている。そうしたことが分かるように、ディオといい会話ができたらいいなと思っています。それから、ナイフの使い方は寧さんが面白い演出を考えてくださっているので、それもすごく楽しみにしています。
――島田さんが演じるワンチェンはいかがですか?
島田:僕が出演していた舞台を寧さんが観に来てくださって、オーディションにお声がけいただいたのですが、ワンチェンのオーディションだと知って、最初は驚きました。ワンチェンは年齢不詳の人物ですが、原作では明らかにおじいちゃんのような見た目をしているんですよ。ただ、オーディションでは、おじいさんっぽい声を出して、それっぽくやるのは何か違うなと思ったので、ワンチェンを四つん這いでやりました。身体性が特徴だと思ったので、それを探りながらオーディションではワンチェンをやらせていただいて。結果的に選んでいただいたのですが、その後に寧さんとディスカッションをしていく中で、ワンチェンには身体性を生かした演出をつけたいと寧さんが考えていたことがわかり、なるほどと。これからの稽古でも、そうした点を探っていくんだろうなと思います。すごく面白い立ち位置のキャラクターだと思うので、ワンチェンを演じられるのはすごく嬉しいです。
ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』は、以下の日程で上演。
東京公演:2月12日(月)~28日(水) 帝国劇場
札幌公演:3月26日(火)~30日(土) 札幌文化芸術劇場 hitaru
兵庫公演:4月9日(火)~14日(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
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