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2017年12月1日 13:16

高嶋政宏、三浦貴大、平岩紙ら「ベストキャスト」で挑む 舞台「クラウドナイン」

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

「大人計画」の舞台なら、面白くないわけがない。そして今回は高嶋政宏、三浦貴大、石橋けい、入江雅人など実力派俳優が大人計画の、伊勢志摩、正名僕蔵、平岩紙、宍戸美和公といった実力個性派俳優とタッグを組むというのだから見逃せない。モチロンプロデュース舞台「クラウドナイン」の公開稽古が11月22日(水)都内で行われるということで、早速取材に駆けつけた。

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公開されたのは1幕2場。いきなり高嶋演じるクライブが、伊勢演じる未亡人ソンダース夫人と濡れ場を演じたかと思えば、クライブの妻ベティを演じる三浦とクライブの友人で冒険家のハリーを演じる入江が熱い抱擁を交わしている。さらにハリーは平岩演じるクライブの息子エドワードともただならぬ関係にあり、対するベティもエドワードの家庭教師エレンから愛を告げられるなど、たった1場の中に、複雑な人間模様と不倫・少年愛・同性愛と背徳的な愛が詰まっていてドキドキとしてしまった。

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この舞台は高嶋が語るように「1幕、2幕、それぞれストーリーとしては完結していて、一粒で二度おいしい」。原作者のキャリル・チャーチルが二つの対照的なものを組み合わせて構成する対位法という手法を用いて構築された脚本で、1幕はイギリス・ヴィクトリア王朝で植民地下にあったアフリカが舞台、2幕はその100年後、70年代後半のロンドンが舞台なのだが、主要な登場人物は25歳しか年を重ねていないという不思議な物語となっている。この脚本でチャーチルは二つの時代をリンクさせ、時間的なギャップをつけることで社会的な抑圧というものをより浮き立たせることに成功したといわれている。またチャーチルは、一幕目のベティは男性が、エドワードは女性が、そしてヴィクトリアは人形が演じること、そして2幕目の5歳の少女キャシーは、大人の男性が演じるよう脚本で指定している。ある意味シュールレアリスムともいえるこの舞台。そんな難しい舞台を演出する木野花氏は、3度目の挑戦となる今回の「クラウドナイン」のキャストが「思いつく限りのベストキャスト」だと自信をのぞかせる。

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「この芝居は本当に笑える芝居で、一人ひとり面白いキャラクターを持っているのでお客さんが入った時にどんな風になるのか楽しみです」。女性としての役作りをするにあたって「まず足の毛を剃ってみたんです」と会場を沸かせた三浦だが、木花氏は三浦について「1幕で演じる女性役は割と上品さが身についています」と絶賛。稽古を見ていてもやはり母親の三浦百恵さん譲りなのか、生まれ持った気品がにじみでていて三浦が女性役を演じることに全く違和感がなかった。

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「逆に2幕でのジェリーという荒っぽくて世の中に怒りをもっている労働者階級のゲイの役の方が手こずっている印象ですね」。高嶋に関しては、「放っておいても勝手にやってしまうパワーがあるけど、1幕では“放し飼い”はヤバいなと思いました。2幕のホモセクシャルな悩みを抱える役の方が案外すんなり入っていけている気がします」と木花氏が話すと、すかさず高嶋が「ゲイ疑惑がね」とリップサービス。囲み取材中も高嶋は下ネタを挟みながらもエンタテイメント性を発揮して取材陣をずっと笑わせていた。一幕で少年を演じる平岩については「紙ちゃんは、エドワードがむちゃくちゃ可愛いくてスムーズに役に入っていけているし、2幕のシングルマザーの役も安心してみていられる」と太鼓判。

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喜劇的な要素もありつつ、社会に対する問題定義もしているこの作品。主演の高嶋は稽古を見ていてもイキイキとしていて、「早く本番になってほしい」と心からこの舞台を楽しんでいる様子。キャストそれぞれが語る見どころは、「僕が伊勢さんの股間に入るシーン(高嶋)」「2幕で入江さんが長台詞を話すシーン。演出家席を見るとみんながニヤニヤしているのでお客さんの反応が楽しみ(伊勢)」「1幕で僕が演じているベティを2幕で伊勢さんが演じられているんですけど、1幕のベティがこんな風になるんだというのが自分としても楽しみですし、お客様にも楽しんでいただけると思います(三浦)」「2幕で高嶋さんが演じるエドワードと三浦さん演じるジェリーが公園で待ち合わせをしていて出会った瞬間に別れ話になってしまうシーンが見ていてせつなくて、振られるエドワードの負け押しみのセリフがいつもクスクス笑ってしまう(正名)」「全編に亘ってなにげない会話がすごく面白くて脚本自体の作りが素晴らしいなと思います(平岩)」

特に会場の全員が押した見どころシーンとして挙げられたのが「2幕の正名さん演じるキャシーの歌(宍戸)」。これには高嶋も「いやぁ凄いです。もう耳について離れない」と同意。木花氏も「私もそうだ」と頷くと、「夜、目を閉じるとあれがずっーと」と高嶋。2幕のキャシーの歌にはぜひ注目したいところだ。

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今回の公開稽古はたった1場の公開だったが、早く全貌を見てみたいという気分にさせられた。かなりSモードの調教師っぷりを発揮しているという木花氏が、どのようにキャストを導いていくのか12月1日に初日の幕が上がるのが今から待ち遠しい。

舞台「クラウドナイン」は、12月1日から17日まで東京芸術劇場 シアターイーストにて、12月22日から24日まで大阪ビジネスパーク円形ホールにて上演される。

公式HP http://otonakeikaku.jp/2017cloudnine/

 

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