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2019年6月17日 17:00

【前編】岡山天音、舞台初主演に「僕が知らないことがたくさん起きるだろうという予感」舞台「ビビを見た!」インタビュー

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

作家・演出家として活躍する松井周が、カリスマ的人気を誇る絵本「ビビを見た!」を舞台化する。盲目の少年・ホタルが7時間だけ目が見えるようになることから始まる同作は、衝撃的なストーリーと強烈な色彩を持つイラストで、大人をも強く引きつけた知る人ぞ知る、絵本業界の傑作だ。主演を務めるのは、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』、映画『帝一の國』など数々の映像作品で活躍する岡山天音。岡山に舞台初主演となる本作への意気込みを聞いた。

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——(インタビュー当日は)ワークショップを行ったとお聞きしましたが、いかがでしたか?

ワークショップとは言っても、出演者の皆さんで脚本を実際に読む「本読み」もさせていただいて、充実した時間が過ごせました。僕はこの仕事を始めて10年経ちますが、舞台の経験が全然ないんです。以前に出演したのは10代の頃で、それ以来の舞台になるんですよ。なので、舞台の稽古というのもほとんどしたことがなかったんです。今日、ワークショップに参加して、舞台は時間をかけて一つのお芝居を作っていける、贅沢な媒体だと改めて感じて、すごく高揚感がありました。丁寧に時間をかけて、(今回、岡山が演じる)ホタルという役を、この作品をみんなで作っていけるんだということを実感することができました。

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——舞台化のお話を聞いて、そしてホタル役に決まったことについて、最初にどんなことを感じましたか?

カオスな気持ちになりましたね(笑)。すごく楽しみで、モチベーションがふつふつと湧いてくると同時に、ある種、とても高いハードルがある作品だとも感じました。極端な感情が一気に湧いてきた感じがありましたね。そのハードルというのは、舞台だということもそうですし、「ビビを見た!」という原作がそう感じさせているのもあると思います。端(はし)と端(はし)の感情が一気に湧いてきて、脂汗が出てくるような感覚がありました。

——岡山さんは映像を中心に活躍されていらっしゃいますが、舞台という現場についてはどういう印象をお持ちですか?

映像の現場では、監督によって現場の空気がものすごく違うんです。監督の色が現場にも反映されるんですよ。それと同じように、舞台の現場では演出家の方によって現場の色が違うんだろうなと思います。今回、演出の松井さんが先頭に立ってくれていて、松井さんの人柄や役者に対する愛がたくさんある場所だなと感じています。今日のワークショップではゲーム要素の強いワークを行ったり、本読みをしたりして、みんなで笑い合えたので、変な緊張感もなく、萎縮もせず、ワクワクが先立つ現場になりそうだなと感じました。

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——演出の松井さんとは、どんなお話をされましたか?

まだ舞台についての具体的なお話はしていないのですが、「一緒に作っていこう」と言っていただいて、今日のワークショップでも「一緒に」という思いを感じました。

——松井さんの印象は? 岡山さんから見てどんな方ですか?

非常にインテリジェンスを感じます。僕は、“監督”ではなく、舞台の“演出家”の方と一緒に仕事をするということも、これまであまり経験がなかったので、改めて、すごいなと思いました。稽古期間という長いスパンをかけて、十人十色で色々な人たちがいる中、その全員を一つの大きな船に乗せて、同じ方向を向くように一人ひとりにアプローチをしていくという作業は、途方もないことだと思います。才能も努力も必要な、すごい仕事をしている、すごい人だなって思いましたね。人として格好いいですね。

——原作を読まれて、どんな感想を抱きましたか?

読んでいる最中は、目をそらしたいような気持ちになりました。切迫感があって、ものすごく力を感じる作品で…。多くの人に愛されて、たくさんの人の中に強く印象を残しているというのも納得できると思いました。舞台化するにあたっては、実際に生身の人間が演じることになるので、どう表現していくんだろうという未知数さと、実際にできたら面白いだろうなという、両方の思いが湧きました。

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——お稽古はこれからだと思いますが、岡山さんが演じるホタルという役柄を、今現在、どのようにとらえていますか?

ワークショップに参加して、松井さんのお話を聞いて、余白を持って稽古場にきた方がいいと思ったので、今はまだ、自分の中でホタル像を固めないようにしようと思っています。なので、まだこうだというホタル像はまだできていません。でも、僕をホタル役に選んでいただいて、絵本という2次元を3次元にするこの段階で、僕が生まれてから25年間で培ってきたものを、血肉を使ってホタルを乗せたいなって思っています。

——ビビ役の石橋静河さんの印象は?

この間、石橋さんが出ていた舞台を見に行かせてもらって、その時に挨拶させていただきましたが、実はまだちゃんと話せてないんですよ。パワフルでエネルギッシュな印象のある方だなと思っていましたが、一緒にワークショップをやってみて、無邪気な一面も持っているんだなと感じました。ビビのような少女性も持っているとても魅力的な方だと思います。

——初共演とのことで、どんなお芝居になるのか楽しみです。岡山さんとは同い年なんですか?

同い年です。…でもなんか緊張しちゃって、同い年な感じがしないですね(笑)。意志の強さや芯がある方だと思うので、年上のような感じがします(笑)。

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KAAT神奈川芸術劇場 プロデュース
舞台「ビビを見た!」

原作:大海赫
上演台本・演出:松井周
出演:岡山天音、石橋静河、樹里咲穂、久ヶ沢徹、瑛蓮、師岡広明ほか

【あらすじ】
盲目の少年・ホタルに「7時間だけ見えるようにしてやろう」と言う声が聞こえた。
ホタルの目が見えるようになると同時に、まわりの人は光を失ってしまう。母も猫も、町の人も…。
突如、町が正体不明の敵に襲われると警報がながれ、人々はパニックに陥る。
盲目になった母と逃げるために列車に乗り込こむホタル。
そこで、ホタルはやぶれた美しい羽と触覚を持った緑色の少女ビビと出会う。
天真爛漫で無邪気なビビに手を焼きながら、一緒にいるホタル。
ホタルたちの乗った列車を謎の巨人・ワカオが追いかけてくる…。

7月4日(木)〜7月15日(月・祝)にKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで上演。

 

 

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