取材:記事・写真/RanRanEntertainment
――ところで、新谷さんは「さくら学院」としても活動されていましたが、どういったきっかけで芸能界や女優の仕事に興味を持ったんですか?
最初は、漫画雑誌の『ちゃお』の「ちゃおガール」のオーディションでした。漫画雑誌を買ったら応募用紙がついていたので、深く考えずに送ってみたんです(笑)。そうしたら、ありがたいことに審査を通って、賞をいただきました。それで、今の事務所に入ることが決まって…。それまであまり芸能活動に強い思いはなかったのですが、事務所のお芝居のレッスンを初めて受けた時に、台本をいただいて、それに沿ってお芝居をする練習をして、すごく楽しかったんです! それまで楽しいと思って続けていた趣味や特技というものが私にはなかったんですが、その時に初めて楽しいから続けてみたいと思って、それで女優にも憧れを抱くようになりました。
――その最初のレッスンで「演技って楽しい」と思ったのは、具体的にどんなところが?
私はそれまですごく人見知りで、人前で大きな声を出すこともできなかったんですが、お芝居をしている時は、その世界観の中にいるのでどんなに大声を出しても恥ずかしくなかったんです。その物語の中にいて行うことだから、どんなことをしても許されるという感覚があって。それがすごく楽しかったです。そう思ったのは小学生の時でしたが、私にとって新しい発見でした。
――本作の劇中でも声を荒げたり、感情をぶつけたりするシーンもたくさんありましたが、普段の新谷さんはあまり感情をストレートにぶつけないタイプ?
あまりできないです(笑)。もちろん、家族の前ではふざけ合ったり、感情的になったりすることもありますが、外では猫をかぶっちゃうんです(笑)。恥ずかしくなってしまうんですよ。でも、お芝居だと恥ずかしくないので、演じるのは全然平気なんですが。
――では、お芝居をするのが難しいと感じるのは、どんな時ですか?
できるだけ自然に見えるように演じたいと思うのですが、自然に話すと大事なセリフをしっかり伝えることができなくなってしまう気がします。セリフを伝えるということと自然に演技するということのバランスが難しいなと思いました。セリフをいかに落とし込んで自分から発することができるかということも、まだまだ葛藤しているところです。
――今後、どんな女優になりたいですか?
作品の色ごとに役をしっかりととらえて、画面の中でしっかりと生きられる女優さんになりたいです。
――やってみたい役や作品はありますか?
まだまだやったことがない役がたくさんあるので、何でもやりたいです! 映画が大好きなので映画にもたくさん出演したいですし、ドラマも舞台もやってみたい。声のお仕事もしてみたい。今は、いろいろな夢を見ています(笑)。
――どんな映画が好きなんですか?
何でも観ます! でも、インテリアにこだわった映画が特に好きです。主人公が住んでいる部屋がかわいかったり、主人公の生活が見える家具が置いてあったり、お洋服にこだわっていたり…そういう小道具に目が行きがちなんですよ。そこから「主人公ってこういう人なのかな」と想像できるので、映画を観るときには小道具にも注目しています。
――ご自身が役を演じる時も、小道具から役を作ることもあるんですか?
もちろん、それだけではないですが、そこから広げていくということはあります。ただ、現場に入るまでどんなお部屋か分からないことも多いので(笑)、それだけじゃなく、他にもたくさん引き出しを作って役を作り上げられるようにならないといけないなって思います。
――今、プライベートでハマっていることや、お休みの日にしていることは?
爬虫(はちゅう)類を飼いたいってずっと思っていて、その画像をよく見ています(笑)。ヒョウモントカゲモドキっていうヤモリがめちゃくちゃかわいいんですよ。一目惚れしました! 皆さん、ぜひ調べてみてください(笑)。あとは、紅茶にハマってます。おうちでティータイムを作って、いろいろな味の紅茶を飲んで、甘いものも食べたり…まったりするのが好きです。
――では、2022年の目標は?
まずは、おうち時間を大切にしたいと思っています。今年は、自分の時間をおろそかにしていた気がするので、自分の時間をいかに有意義に楽しく過ごせるかを考えていきたいです。そのためにまずは大きなテレビを買って、ゲームを買う(笑)!
――ゲームがお好きなんですか?
いや、芸能活動を始めてからはほとんどゲームをしたことがなかったんですが、リラックスタイムになるかなと思ったんです(笑)。私は、息抜きをしたり、自分をリラックスさせるのがすごく苦手なので、ゲームをしている時は何も考えず、リラックスできるかなって。そういう何も考えなくていい時間が大事だと思うので、そういう時間を作っていきたいです。
――お仕事の目標は?
いろいろな作品を観て、たくさんの作品に出会えるように頑張って、出会った作品の中でいかに生き生きと生きられるかということを、今年以上にがんばりたいです。
――ありがとうございました! 最後に、改めて映画の見どころを教えてください。
私の初主演映画になります。すごく熱がある、体温が高い映画になっていると思うので、ぜひ劇場でその体温を感じながら観ていただいて、何かを感じていただければ幸いでございます。よろしくお願いします!
『麻希のいる世界 』
2022年1月2 9 日 土 より渋谷ユーロスペース、新宿武蔵野館ほかにて公開
2022年 日本 /89 分 / アメリカンビスタ 1:1.85/DCP / 英題「 The World of You 」
監督・脚本:塩田明彦
製作:志摩俊樹、山口貴義 撮影:中瀬慧
出演:新谷ゆづみ、日髙麻鈴、窪塚愛流、鎌田らい樹、八木優希、大橋律、松浦祐也、青山倫子、井浦新
劇中歌:「排水管」(作詞・作曲:向井秀徳)、「ざーざー雨」(作詞・作曲:向井秀徳)
製作・配給:シマフィルム株式会社
(c) SHIMAFILMS
公式サイト https://makinoirusekai.com/
文:嶋田真己/写真:篭原和也