取材・撮影/RanRanEntertainment
音楽劇『クラウディア』 Produced by 地球ゴージャス 製作発表会見が、5月19日(木)に、都内で行われ、脚本・演出の岸谷五朗、キャストの大野拓朗、甲斐翔真、廣瀬友祐、小栗基裕、田村芽実、門山葉子、美弥るりか、上山竜治、中河内雅貴、平間壮一、新原泰佑、湖月わたるが出席した。
後列左から:岸谷五朗、新原泰佑、平間壮一、美弥るりか、湖月わたる、上山竜治、中河内雅貴
前列左から:田村芽実、廣瀬友祐、大野拓朗、甲斐翔真、小栗基裕、門山葉子
『クラウディア』は岸谷五朗・寺脇康文が主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」によって2004年に初演され、今回18年振りに復活する。岸谷五朗の「反戦三部作」の第1作目で、桑田佳祐が書き下ろした「FRIENDS」ほか、サザンオールスターズの数々の楽曲で綴るジュークボックスミュージカルである。
愛を禁じられ、戦いに明け暮れる「根國」と「幹國」という2つの民族しかいない世界。神親殿の定めた掟に背いて二つの恋が芽生え、やがてその愛は「世界」そのものを揺るがすことになる。主人公・「根國」の剣豪・細亜羅(ジアラ)を大野拓朗と甲斐翔真がWキャストで務める。細亜羅の幼馴染でもある「幹國」の長・毘子蔵(ヒコゾウ)役に廣瀬友祐とs**t kingzのOguri こと小栗基裕(Wキャスト)。ヒロイン・クラウディア役に田村芽実と門山葉子(Wキャスト)。「幹國」一の女戦士、織愛を美弥るりか。「根國」の長・ヤン役は、上山竜治と中河内雅貴(Wキャスト)。両国に恐れられている龍の子を平間壮一と新原泰佑(Wキャスト)が、全ての国を作った神・神親殿を湖月わたるが務める。
司会を務めたのは脚本・演出を手がける岸谷五朗。冒頭から「作・演出もやっておりますが、今回は予算削減のため司会までやらなければならない」と会場を笑わせた。
まず、出演者による歌唱披露が行われた。一曲目の「Oh!クラウディア」では、細亜羅を演じる大野拓朗と甲斐翔真、毘子蔵を演じる廣瀬友祐と小栗基裕により歌唱。2曲目は本作の主題歌「FRIENDS」を登壇者全員で歌唱した。
主人公・細亜羅を演じる大野拓朗に向け、「拓朗は初地球ゴージャスですからね」と岸谷が声をかけると大野は「はい、初五朗さんです」と返し、岸谷も「初拓朗です。“朗”の朗は朗らかだね。以上です」と冗談から始まり会見場は笑いに包まれた。地球ゴージャス作品初出演の大野は「台本を読んで、未来の話なのですけれど、時代劇ということで、難しい日本語が多いなというのが第一印象でした。どんどん読み込んでいくうちに、改めて日本語の持つ美しさ、綺麗さを感じました。一つ一つの言葉を大切に難しい言葉だけれども、皆さんにすっと入り込むように演じられたらいいと思っています。読んだときには、シェイクスピアが思い浮かび、五朗さんが書かれているので、和製シェイクスピアなのかな。シェイクスピアを演じるような気持ちで一つ一つの言葉を大切に伝えていけたら」と改めて舞台に向けての思いを話した。
Wキャストで細亜羅役を演じる甲斐翔真も地球ゴージャス作品に初出演。「4、5年前、地球ゴージャスが『The Love Bugs』をやっていたとき、稽古場を覗かせていただいた。そのときは芸歴1年目で、地球ゴージャスってマット運動する劇団なんだなという印象が・・・」と話すと、すかさず岸谷は「何だか幼稚に聞こえるよ」と突っ込みを入れたが、甲斐は「いつか地球ゴージャスに出られたらいいなという夢を描いていて、五朗さん、寺脇さんと一緒に同じ舞台に立てる日が来たらと思っていました。2022年地球ゴージャスの話が来た!と思ったら、(岸谷さん、寺脇さんが)いない!それが僕は残念です」と率直な思いを話した。岸谷は「そうだよね。でも、今日若い皆のエネルギーを見ていて、あぁ寺脇と僕は出れないなと思いました。よかったんだよ、司会で」とまたまた笑わせた。「翔真は稽古場に来る目がギラギラ、演劇人としてこれからやるぞと輝いていて、地球ゴージャスの激しいストレッチとか、厳しい稽古を、発声までこなして、何日か修行に来たんですよね。その後、数々のミュージカルに出てこの間の演技も素晴らしかったです。ぜひ甲斐翔真の演技を観に来ていただきたいです」と甲斐の成長を実感している様子だった。
毘子蔵役を演じる廣瀬友祐は岸谷演出の『フラッシュダンス』に出演、意気投合したのがきっかけで、今回出演が決まったという。廣瀬は「五朗さんが生み出した作品の、五朗さんが演じていた毘子蔵という役をやらせていただくのは、プレッシャーでもありますが、今は楽しみの方が強いです。毘子蔵という役に僕自身の血を通わせられたら」とコメント。岸谷は「友祐の持っている芝居力がすごく広いんです。観に行くと、いつもかっこいい役ばかりなので、めちゃめちゃおもろい役が観たいなと思っていたら、僕が過去にやった役にたどり着いた。友祐とOguriと三人で毘子蔵の役作りを今、話しています。僕も仲間に入って、且てやった役の役作りについて話すという、こういう演劇もあるのだなと、すごく新鮮です」と、岸谷の毘子蔵役への特別な思いを覗かせた。
もう一人の毘子蔵役のOguriこと小栗基裕は「自分がここにいるのが不思議です。歌っているのが、僕?というところはあったのですが、楽しいです。毎日、期待と不安と喜びが秒単位でせめぎ合って、生きているなぁとすごく感じられているのでとても楽しい日々です」と挨拶すると、「稽古何日かでOguriの成長ぶりがすごいです」と岸谷。「s**t kingzで世界を制覇して来た男ですから存在感はもちろんあるのですが、演技に対しての伸び率がすごいです。ソーシャルディスタンスを取りながら、飲みにいったんだよな」と岸谷が明かすと、大野が「えーっ?」と羨ましそうに驚きの声を上げると登壇者からも笑いが起きた。
クラウディアを演じる田村芽実は「お話をいただいたときには、嬉しいという次元ではなく、私でいいのかなという気持ちになりました。事務所の大先輩、美奈子さんに対する思いがとてもあるので、これは生半可な気持ちでは絶対にできないという気持ち。美奈子さんが一緒に歌ってくれるという気持ちで、毎日歌っています。命懸けで精一杯いきたいと思います」とクラウディア役と本田美奈子への特別な思いを語った。
同じくクラウディア役の門山葉子は「今日は、舞台では一緒に歌えない皆さんと『FRIENDS』を歌えてとても楽しかったです。岸谷さんが伝えたい思いがこの曲に詰まっているということを改めて感じました。観に来てくださる皆さんに今だからこそ伝えられる思いを込めて届けたいという決意を新たにした」と拳を作った。「強いねぇ、拳が」と岸谷も門山の強い気持ちを受け止めていた。
織愛役の美弥るりかは「皆さま、見るからに体が仕上がっていまして、それに大変ドキドキしています。皆さまたちから台詞で、強いと言っていただけるのでそれを表現できるようにしたいです」とコメント。
ヤン役の上山竜治は「従順に戦い続ける、そんな愚かさと儚さを伝えられたらいいなと思っています」と話し、Wキャストの中河内雅貴は「本読み150%でやると稽古に臨んでいるのですけれど、出し過ぎてガラガラになってしまいました(笑)」と稽古の様子に触れた。
龍の子を演じる平間壮一は「寺脇さんと五朗さんが舞台にいないということが想像できなかった。ベテランとして、(地球)ゴージャスの雰囲気が出せるように頑張りたい」と話した。Wキャストの新原泰佑は本舞台最年少。「オーディションでは、この役をどうしても勝ち取りたくて頑張りました」と、ダンスの動画や歌の動画を岸谷に送るなど、並々ならぬ思いがあったことを話した。
そして「大ベテランです。地球ゴージャスにも何度も出てくれています、神親殿役、湖月わたる」を紹介。『クラウディア』の初演を、当時まだ宝塚歌劇団にいた湖月は観ていたという。「この作品の魅力は音楽の力と、五朗さんがこの作品に込められた熱くて深い思いが溢れている。エネルギッシュなダンスナンバーの数々、心がヒリヒリするような立ち回り、本気の芝居をしている皆さんのなかに表われる、お笑い(笑)、この絶妙のバランスが『クラウディア』だけではなく、地球ゴージャスの魅力です。岸谷さんと寺脇さんの掛け合いが絶品でお腹抱えて笑ってしまう。今回そのDNAをしっかり受け継いでいます。本読みの段階でも、皆さん面白いです(笑)。神親殿は人類を愛しているんだと思います。だから人類にとって一番大切な、一番危険な「愛」というものを取り上げたんだと思います。神親殿が作り上げた世界がどうなるか行く末を劇場で見届けていただけたらと思います」と地球ゴージャスの魅力と共に、この作品の見どころについても語った。
新生『クラウディア』の手応えについて、岸谷は、2004年初演から「18年後にまさかこんな世界情勢になっていると思いませんでした。反戦三部作の第一作として作って、決してタイムリーになってはいけないテーマ。でも演劇は非力です。お客さま一人一人にこの反戦というテーマを訴える、そういう2022年の作品なんだということが、みんなの心と一致しています。この反戦のテーマを大切にしっかりと世の中に伝えていこうという気持ちのピラミッドが、あっという間に出演者、スタッフ一緒になりました。土台である前回やった『クラウディア』の美術、衣装があって、その上に乗って、もっとよりいいものが作れるという確信があります。これから死に物狂いで稽古してくれるメンバーなので、どんなものができるだろうと、演出家としてはすでに楽しみで幸せです」と熱い思いを語り、会見を締めくくった。
Daiwa House Special音楽劇『クラウディア』Produced by 地球ゴージャス
2022 年 7 月 4 日(月)~ 24 日(日)東京建物 Brillia HALL
2022 年 7 月 29 日(金)~31 日(日)森ノ宮ピロティホール
脚本・演出:岸谷五朗
主題歌:サザンオールスターズ「FRIENDS」
楽曲協力:タイシタレーベル / ビクターエンタテインメント
出演:大野拓朗/甲斐翔真(W キャスト) 廣瀬友祐/小栗基裕(W キャスト)
田村芽実/門山葉子(W キャスト) 美弥るりか 上山竜治/中河内雅貴(W キャスト) 平間壮一/新原泰佑(W キャスト) 湖月わたる 他
企画・製作:アミューズ
公式サイト https://www.claudia2022.com/