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2023年6月3日 17:00

【後編】加藤和樹インタビュー ミュージカル『ファントム』城田優とのダブルキャストで感じた「心のどこかで繋がっている」感覚

取材:撮影/RanRanEntertainment

――では、2019年の初演から4年の間で、加藤さんが感じているご自身の「成長」は?

自分ではあまり実感できるものではないですが、この4年間でさまざまな作品に携わらせていただいているので、少なからず成長はしているのだろうと思います。ここ数年は、ミュージカルコンサートにもたくさん出演させていただいているので、歌に対する苦手意識もあまりなくなってきましたし、歌える幅も以前より広がってきているように思います。最近では再演ものをやる機会も多いので、(再演では)初演以上に楽曲へのアプローチやお芝居への考え方が深まり、新たな表現ができるのではないかと思います。

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――再演の作品に出演する時は、どんな心構えで臨んでいるのですか?

今現在も「BACKBEAT」という舞台の再演の稽古中(現在は公演中)ですが、やはり一度、その役を演じていると否が応でも体が覚えているものなんですよ。なので、どうしてもなぞってしまったり、記憶を頼りに演じてしまいがちです。特に「BACKBEAT」は主要キャストのほとんどが続投しているので、どうしても初演で観た“景色”を追ってしまうんですよ。そういう意味では、今回の「ファントム」は、新キャストが多いので、新鮮さや新強い刺激がたくさんあると思うので、また新たな気持ちで臨めると思います。

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――クリスティーヌをダブルキャストで演じる真彩希帆さんとsaraさんの印象は?

真彩さんは以前にラジオドラマでご一緒させていただいたことがあり、その時に声に力のある方だと感じていました。舞台は今回が初共演ですが、製作発表での歌声もパワフルでキラキラしていたので、彼女のエネルギーはクリスティーヌに通じるものがあると思います。宝塚でクリスティーヌを演じていたというアドバンテージもありますが、歌詞やセリフ、世界観が変わると全く別物になると思いますので、きっと新たなクリスティーヌを作り上げるのだろうと楽しみです。

saraさんとは製作発表で初めてお会いしたので、まだしっかりとお話もできていませんが、今、注目の女優さんだと聞いていますし、きっと彼女なりのクリスティーヌを見つけていくのだろうと期待しています。早く一緒に稽古したいです。

――城田さんとダブルキャストでシャンドン伯爵を演じる大野拓朗さんの印象はいかがですか?

拓朗と一緒に舞台に立つのは、彼が初舞台を踏んだ時以来です。その後 、ミュージカル『エリザベート』に出演すると言っていたのを今でも鮮明に覚えています。拓朗は、自分よりも早くミュージカルの世界に飛び込んでいったので、きっと彼なりの苦労もあったと思います。またこうして同じ舞台に立てるのが非常に嬉しいです。彼には同じ志を持つ同士というイメージがあります。

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――今回、ファントムとエリックという二面性のある人物を演じますが、加藤さんご自身はどんな二面性を持っていますか?

落ち着いている人というイメージを持たれがちですが、すごく子供っぽい一面もあります(笑)。例えば、ゲームをしていると負けず嫌いなところが出てきて、すぐ怒ったり、声を荒げたり(笑)。普段は全く怒らないんですけどね。

――製作発表で城田さんがお話しされていた、初演の稽古の時に加藤さんが城田さんにお弁当を作って持っていっていたというエピソードも意外な一面だなと思いました。

僕は普段から料理が好きですし、稽古場には自分で作ったチャーシューを差し入れたり、料理を持って行ったりしていたので、自分ではそれほど特別なことではないんですが(笑)。彼の場合は本当にご飯を食べないんですよ。稽古が終わっても打ち合わせがあったりと忙しいということもあるんでしょうが、一口でいいから食べてもらいたくて、毎回、ご飯を差し入れてました。彼が倒れてしまったら、全てが止まってしまいますから。それを避けるためにも、ダブルキャストとして、友人として支えられるところは支えていこうという思いがあったんです。

――城田さんは、主演、演出、そしてシャンドン役と今回は“三刀流”でより忙しいと思うので、加藤さんのお弁当も継続されますね。

きちんと栄養も考えて、ご飯を作ります(笑)。

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――ところで、3月31日にはCommunity Concert『Kaz♪KoN2023』にご出演されました。今作の「世界のどこに」も歌われていましたが、改めてコンサートを終えた感想をお聞かせください。

本当に夢のような時間でした。KoNさんとのコンサートは、僕がミュージカルの道に進んでいたからこそ実現できたことだと思います。KoNさんもバイオリニストとしてだけでなく、ミュージカル俳優としても活躍をされているので、お互いに歩んできた道が交わり、こうしたご縁があって一緒にコンサートできるというのは本当に嬉しいことです。なかなかできることではないと思いますが、今回で終わりというわけではなく、韓国でも日本でもまたご一緒できればいいなと思っています。そして、その時にはお互いにさらに成長した姿でいたいと思いました。

――ミュージカルの名曲がたくさん楽しめるセットリストで、会場も大盛り上がりでした。

韓国と日本、両方で上演されている作品のナンバーをお聞かせするというのがテーマでしたが、楽しんでいただけたのなら嬉しいです。もし、次回があるとしたら、それにとらわれずに、もっと色々な楽曲を歌ってみたいという思いもあります。例えば、J‐POPとK‐POPの流行っている曲や昔から愛されている名曲を歌うなんていうのも面白いかなと。ただ、僕はもちろんチェロは弾きません(笑)。ドラマの当時も弾けてはいなかったですが、KoNさんの横で弾くなんて恐れ多くて無理です(笑)。

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――ありがとうございました! 最後に、改めて「ファントム」への意気込みをお願いします。

またこうして優の元でお芝居ができるのはとても嬉しいですし、楽しみにしています。個人的には、今回、新たに加わった加治将樹とはテニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)以来の共演となるので、それもとても楽しみです。きっと楽しい現場になると思いますが、引き締めるべきところは引き締めて、優と一緒にチームを引っ張って、素敵な作品を作り上げていけたらと思います。新たに生まれ変わる「ファントム」を楽しみにしていただければと思います。

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ミュージカル『ファントム』
2023年7月22日~8月6日    梅田芸術劇場メインホール
2023年8月14日~9月10日 東京国際フォーラム ホールⅭ
公式ホームページ  https://www.umegei.com/phantom2023/cast.html

 

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