昨年9月に韓国で公開され1230万人を動員し、韓国映画歴代3位を記録した大ヒット映画『王になった男』。2月16日の公開に先立ち、1月29日、ザ・ペニンシュラ東京にて記者会見が行われ、主演のイ・ビョンホンが登壇した。
本作品は、実在した朝鮮15代目の王・光海君(クァンヘグン)の秘密に迫る、史実にフィクションを取り混ぜた歴史大作。理想を見失った暴君と、王の影武者で正義感あふれる庶民のハソンの2役を見ごとに演じたイ・ビョンホンは、初の時代劇挑戦となる。『G.I.ジョー バック2リベンジ』や『RED2』の公演も控え、アジアのみならずハリウッドスターとしての地位を着実に築いている。
会場には、本作品でイ・ビョンホンが着用した王様の衣装が飾られ、会見が始まる前から、駆けつけた多くの報道陣の熱気で溢れかえっていた。眩しいほどのカメラフラッシュがたかれ、大きな拍手で迎えられたイ・ビョンホンは、「来日するのも久しぶりですし、映画の作品で記者会見をするのも久しぶりですが、とても嬉しくて胸がときめいております。」と挨拶し、会見がスタート!
「時代劇も王役も初めてでしたが、これまで避けていたわけでもなく、今回の作品が時代劇だからということで挑戦したわけでもありません。物語が非常に素晴らしかったので出演を決めました。撮影はとても楽しかったし、新しい経験をして多くのことを学びました。」と、出演を決めた経緯を明かした。
韓国映画歴代3位を記録するほどの大人気の理由を聞かれ、「イ・ビョンホンが出演しているからではないでしょうか?(笑)」「冗談です(日本語で)。」と笑いを誘って場を和ませると、「この作品は歴史的な事実を基盤にしていますが、実際の王の日記を見ると映画で描かれている15日間というのは空白になっているのです。そこからヒントを得てそれをモチーフにして、“じゃあその空白の15日間にこういうことが起きたらどうだろうか”というフィクションを加味して作られました。当時の賎民であり、どん底の生活をしていたハソンが王様のマネをするわけです。時代や国を問わず、人々は世の中に対してうっぷんを感じていたり不満を持っていたり悲しみを持っていたりすると思うのですが、それを、代わりにこの映画の中で吐露し、正しくしてくれた。そんなところに観客は大満足を得たのだと思います。」と語った。
さらに、「日本の方々にも、”もしも自分が王様だったらどうだったろうか”を考えながら見ると痛快な気分で楽しんでいただけると思います。韓国の歴史や文化を知らなくても気楽に観ることができるから大丈夫です。アメリカのL.A.やイギリスでも楽しんで観ていただきました。」と自信をもってアピールした。
また、劇中で見せる韓国舞踊シーンも見どころの一つ。「最初は簡単にできると思ったのですが、本当に大変な撮影でした。韓国舞踊というのは基礎から学ばなければいけなくて、歩き方ひとつにしても長い時間の練習が必要。実は、当初あの舞踊シーンは最初に撮影する予定だったのですが、練習が足りず最後にまわしたんです。」と撮影エピソードも披露。
俳優としての心構えを問われると、「俳優という職業は、何かを練習したり勉強したりして深みを出せるものではないと思います。俳優は人生を語り、人生を自分の体をもって演技をして見せるからです。本を読んだり自分の体を磨いたりということで、俳優という仕事ができるとは思っていません。後輩には“分別を持ってはいけない”と言っています。俳優を含めアーティストには、時には奇抜なアイディアや創意工夫が必要だと考えるからです。歳がいくつになっても、少年の気持ちを持っていたほうがいいと思います。そういう気持ちがあればいい考えも浮かびますし、色々なアイディアも浮かび、それを表現することもできるのではないでしょうか。」と持論を語った。
そんなビョンホンに、「弱点はありますか?」と聞かれると、「弱みはたくさんありますが、そんな風に周りの人たちには忠告をしつつ、自分ではそれを実践できないというのが弱みでしょうか。」と、苦笑いした。
最後のフォトセッションではカメラマンのポーズのリクエストにも気さくに応じ、キラースマイルを振りまいたイ・ビョンホン。会見のあとは、新宿バルト9、TOHOシネマズ六本木、丸の内ルーブルの3つの劇場のプレミアに登壇し、本作品への熱い思いをファンへ直接伝えた。
王と瓜二つだったために、毒殺に怯える王の影武者として雇われた道化師のハソンが、戸惑いながらも、次第に民のことを考える真の王として周りを魅了していく・・・。
映画『王になった男』は、2月16日より新宿バルト9、丸の内ルーブルほか全国公開!